大きなフクロウと聞いてどういったものを思い浮かべますか?私はアメリカワシミミズク(英語ではgreat horned owl、漢字では亜米利加鷲木菟)を思い浮かべます。これは、実はアメリカ大陸の中で一番大きいですよ!今回は、それについてご紹介しますね。飼育している動物園や花鳥園も!
特徴や生態は?

金色の鋭い瞳にきりっとした顔立ち。体には灰色や褐色のしましま模様。これらはフクロウによくある特徴です。けれど、アメリカワシミミズクにはとっても見分けやすい特徴があるんです。

それが、羽角。羽角とは、目の上に生えている、耳のような羽のことです。この部分がとても発達していて、顔の面積と同じくらいの長さがあるんです!もともとの顔立ちに加えて羽角も大きいので、とってもワイルドな印象をうけます。そしてもう一つが足。この足はとっても大きくて、指の太さは大人の男性と同じくらいです。鋭い爪がついていて、握力も強くて……これは、素手でつかまれたらと思うとぞっとしてしまいますね;;。体が大きいこと、力強いことは前にご紹介しましたが、その生態についてご紹介しますね。アメリカワシミミズクは、英語では「great horned owl」といい、直訳すると「大きな角のフクロウ」という意味です。特徴的な羽角からこの名前がつけられています。
生息地。

カナダやアラスカなどの北アメリカ、中央アメリカ、ブラジルやアルゼンチンなどの南米に広く生息しています。アメリカではとってもポピュラーな種類なんですよ。
大きさは?

アメリカワシミミズクの大きさはどのくらいなんでしょうか?体長は40~60cm。大人の女性の指先からひじくらいまでの長さです。けれど翼を広げるとなんと150cmにもなります!大きさにも雰囲気にも圧倒されてしまいそうですね!体重は1.0~2.0kg。中には2.5kgになる個体もいます。とってもどっしりとしています。
ちょこっと豆知識。餌は?さて、ここで問題です。アメリカワシミミズクは、ほかの動物が食べない「ある動物」を食べるのですが、その動物とはなんでしょう?……わかりましたか?正解は、「スカンク」。びっくりしましたか?え、だってスカンクってアレでしょう?おならがすーーーーーごくくさいって有名なアレ。あんなのも食べるんだ……って思いますよね。ほかにもウサギやアライグマなどの小動物、昆虫なども食べます。さすがワイルドな大型種だけありますね。
寿命はどのくらい?

野生でのアメリカワシミミズクの寿命は10~15年ほどですが、飼育下だと20~30年ほどです。同じ種類の中でも大型で、長生きします。
どんな鳴き声なの?
オスとメスの模様の違いはあまりなく、大きさで雌雄を判別します。

メスはオスよりも大きいのですが、声はオスのほうが低くて太いです。どんな声なのか、聞いてみましょう。
こちらは北海道の円山動物園にいるアメリカワシミミズクの飛行訓練の様子を映した動画です。最初はちょっと小さいのかな?と思いきや、飼育員さんの腕に乗ったところを見るとそんなことはなく、生後四か月でこの重厚感を放っています。どうやら撮影した日は風が強かったらしく、羽毛が風で逆立っていますが、それでも悠々と餌に向かって飛んでいます。「キアァア!」と大きく身を震わせて鳴く姿は堂々たるもの。
なつく?

円山動物園の雛のインターネット上の動画です。芝生の上で、よちよち歩きをしています。
モフモフして、まるでぬいぐるみのようで可愛いですね。飼育員に抱かれてなついています。雛のころから飼育するとなつきます。サボテンに囲まれた巣の中でじっとしていて、可愛いですね。それでは性格は?

性格は、その見た目にたがわず荒いほうです。とくに繁殖期などは巣に「誰も近づけさせないぞ!」といった雰囲気で、熊にも挑みかかります!ヒナのころから人に飼育されている個体はそこまで苛烈な性格はしていないようですが、それがなくとも大型のフクロウなので飼育には注意が必要です。
ペットにできる?注意点は?

さて、これまでご紹介してきましたが、もしもペットとするとなったら?一般的なフクロウの飼育方法に加えて、アメリカワシミミズクに特に必要とされるものを挙げるのならば、
- 特に広い場所が必要
- 鋭い爪、強い握力に注意!
- 食事は多め
この三点です。先に翼を広げた時の大きさをご紹介しましたが、成人した女性ほどの大きさがあります。そして羽ばたかないことによる運動不足は健康を害することになってしまい……。となると、一部屋まるまるを専用の部屋にしたほうが無難です。また、何度かお話している通り、アメリカワシミミズクは大人の男性と同じくらいの太さの指を持っています。そしてその指先には鋭い爪がありますから、お子さんのいるご家庭は特に注意です!最後に餌の量。スカンクやウサギを食べ物にしてあることから、小型、中型のフクロウに比べて食事量が多いのは明白です。基本的には体重の1割くらいの量を与えますので、しっかりと管理をしてあげましょう。
値段は?

おおよそ30~40万円です。フクロウの中でも大型で、日本でブリーダーに育てられている数は少ないです。その分お値段がほかの種類に比べてちょっとお高めです;;。
どこで販売されているの?猛禽類を取り扱っているペットショップや、専門店などで販売しています。ミミズクの種類や値段についてはこちらも参考にしてください。
まとめ。会える動物園や花鳥園は?

この項目では、会える場所をご紹介しますね。札幌市円山動物園や掛川花鳥園で飼育されています。札幌市円山動物園北海道札幌市にある動物園です。動物園の中に「フクロウとタカの森」というコーナーがあり、アメリカワシミミズクが複数います。ほかにもシロフクロウやエゾフクロウ、ユーラシアワシミミズクなど迫力満点なフクロウが満載。北海道へおでかけの際はぜひ寄ってみてくださいね!北米大陸や南米大陸が生息地で、餌としてスカンクを食べるというのは意外でした。いかがでしたか?かなり大きくてとっても格好いいですね。見かけたらぜひ注目してみてくださいね。