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オウムガイがかわいい。アンモナイトとの違いは?飼育や水族館は?

4億年以上前から生息し、生きた化石として知られるオウムガイ。巻貝みたいだが、実はタコやイカの仲間だって知っていただろうか?そう言われれば確かにちょっとイカっぽい顔。アンモナイトの子孫でしょ?って言ってるそこの人。似てるけど別の種類なんですよ。そんなオウムガイ(英語ではNautilus、漢字では鸚鵡螺)にスポットライトを当ててみた!

生態と特徴

出典:PIXTA

祖先は約5億年前に誕生し、オウムガイはそれから進化をして、約4億5000万年前に今とほとんど同じになった「生きた化石」で、タコやイカと同じ頭足類である。赤と白の美しい螺旋状の殻が印象的だが、本体は当然のことながらその中に入っていて、ナメクジだけのような中身だけだったら、恐らく生きた化石といえどもここまでちやほやされなかっただろう。やっぱり身なりって大事。で、その本体というと、何と言っても殻から出た90本ほどある触手が特徴。それを使い、器用に餌を捕食する。

生息地。

Sunburst over Coral Reef in Misool, Raja Ampat. West Papua, Indonesia. 出典:123rf

南太平洋やインド洋、オーストラリア近海のサンゴ礁域。海水の綺麗な所に生息する。水深100〜600メートルが行動範囲で、これ以上深い所に行くと水圧にやられてしまうらしい。日中は深い所にいるが、夜になると水深100mくらいまでやってくる。

や大きさ

オウムガイの殻は、生まれた時にはもうついている。成長と共に殻も大きくなり、大きいものでは20cmを超える。

出典:PIXTA

殻の中には規則正しく仕切られていて、小部屋がたくさんあるのだが、オウムガイが住んでいるのは一番手前の広い部屋だけ。つまり、賃貸アパートつきで生まれてきたようなもの。「それなら一生働かなくても夢の家賃生活。」と考えるてしまうのが一般庶民だが、4億5000万年の歴史のオウムガイともなると、そんなセコいことはしない。大家(自分)の部屋以外、全室空室なのだ。しかしその空室は、オウムガイが上下運動をする為に使用している。空室にはガスと液体が入っていて、その容積の比率の調整を行って自体の重さを変化させ、浮き沈みをするのである。あの殻はただお洒落で身につけているのではなく、とても実用的なのだった。

目はどうなってる?

眼はあまり発達しておらず、レンズの構造がないため視力は弱い。漏斗(ろうと)と呼ばれる器官から吸い込んだ海水を噴き出し、その反動でゆっくりと移動する。

このネット上の映像を見ると、プカープカーと海水を一生懸命噴き出しながら泳ぐ様子は結構かわいい。

餌。

漏斗を使って左右に、殻を使って上下にと、海中を自在に泳ぐオウムガイ。優雅ではあるが、動きはかなりゆっくり。海中を速く動けない生き物なのである。その為、生きた魚介類を捕まえることが苦手で、食べ物や餌は死んだ魚介類や脱皮した殻という愛らしい奴なのだ。

生息地ではオウムガイを食用としている(もしくはしていた)国もあるようだが、日本では鑑賞用として飼育していることが多く、食べようと考える人は少ないと思う。しかしながら、日本でオウムガイを食べてみたという人がいた。「茹でると甘いプリンのニオイがして固い身に囲まれ、触手は無味口周辺はサザエの味(かなり一部分)イカやタコに近い仲間ですが、味は貝類他に、味はイカだった。」という感想を持った人もいる。

アンモナイトとの違い

Fossil ammonites and shells in a natural limestone slab. 出典:123rf

殻の形状から、オウムガイとアンモナイトが混同されることがある。化石は素人には見分けがつきにくい。殻の構造は似ているため、アンモナイトもオウムガイと同じ頭足類であると判断されているが、中生代に絶滅している。化石からは、オウムガイよりもイカやタコに近いと推測される。素人にもわかる一番の違いは、「オウムガイは生きている化石」「アンモナイトは化石」ということだろう。

水族館で見れる?

水族館で飼育されているオウムガイを見ることもできる。静岡県の沼津港深海水族館、新潟県の寺泊水族博物館、福島県のアクアマリンふくしま、三重県の鳥羽水族館などで展示されている。

アクアリウムでペットにできる?

オウムガイは、環境さえ整えればペットとすることも可能である。餌を与えると寄ってくるようになり、人馴れしやすいところや、水槽を一生懸命泳ぐ様子は愛嬌もあり、一定の人気があるようだ。ただし、綺麗な海水で暮らす生き物で、水質管理や温度管理など、飼育はとても難しい。野生だと寿命は20年くらいだが、水槽で飼育をする場合は2〜3年も生きればよい方だという。広めの水槽に綺麗な水と、20度前後の水温を保つことが重要。また、アクアリウムでは他の生物との混泳はできない。

まとめ

ここまでのオウムガイをまとめてみると・・・、

  • オウムガイの殻は、見た目は美しく、しかもかなり実用的だった。
  • ちょっとのろまな為、生きている魚介類は捕まえられない。
  • 生息地では食用にされている所もあり、味はそれなりに美味しいらしい。
  • 飼育はできるが長生きさせるのは難しい。他の生き物とは一緒にしない。
  • アンモナイトではない。
  • 4億年以上変わらずにいたオウムガイは、綺麗な海水が無ければ生きていけない。

長く続いた暮らしを人の世代で終わらせ無いように美しい海を守りたいですね。

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