アオダイショウは、日本に住むヘビとして大変よく知られていますね。田舎では田んぼを泳いでいたり、庭先で遭遇したりと、人間が生活しているエリアで度々目にすることがあります。

外国の震え上がるような大蛇、ニシキヘビやアナコンダとは比べものになりませんが、日本本土のヘビとしては最大の大きさなので、怖がって追い払ったり、駆除をしたりする人もいるのではないでしょうか?

実際、人間がヘビを本能的に恐れるのは当たり前のことなんだとか。ずっとずっと昔、ご先祖様である哺乳類は体が小さく、ヘビに捕食されることに怯えながら暮らしている時代がありました。そのとき、どうもヘビに対して恐怖を覚える遺伝子がインプットされてしまったようなのです。

でも、ヘビを怖がりながら崇拝の対象ともしてきました。

日本や中国などで考えられている竜は、ヘビをモチーフにした様子がうかがえますよね。あとは、神様として祀られたり、家の守り神として親しまれたり。

ということは、大切にされる理由もまたあるのです。

田舎暮らしでヘビに遭遇することが多い私には、恐怖の遺伝子が強烈に働かないのか怖いと思ったことはないのですが、やはり特別目を引く、興味のある生き物でした。生き物好きのため、遭遇率の高いアオダイショウは、発見すると時間をかけて観察をしていました。

生態がわかれば、人とヘビの関係をもう少し近づけることができるかも。。

そこで、アオダイショウがどんな生き物なのか、観察経験のある私がご紹介します!

アオダイショウの生態

アオダイショウって一体どこに住んでいて、どんな姿をしているのでしょうか?

まずは身体的特徴や分布範囲をみてみましょう!

体  長:100~200㎝

胴:5㎝

分  布:日本全土(日本固有種)

模  様:青褐色、黄褐色、くすんだ緑色、背に縦縞4本など、個体差が大きい

繁  殖:卵生 5個~17個の卵を産む(50~60日で孵化)

生息地域:自然の豊かな平地や草むら、森林地帯

食べ物:ネズミ、鳥や鳥の卵、カエルなど

本土最大のヘビだけあって、体が長いですね!人の身長よりも長いアオダイショウ。。。

想像するとなかなか迫力があります!

地域で模様に個体差がでるようで、だいたいは画像のような褐色なのですが、縞模様もいたりします。特に北海道に生息しているアオダイショウは、青みが強いんだとか。ちょっと見てみたいですね。

私が見たものは茶色い緑褐色のような色だったのですが、太陽に照らされるとうろこが反射して、とてもキレイなんですよ。

今のところ数を減らしていないようなので、生命力が強いのでしょうか。生態系の割と上のほうにるので、ヘビがたくさん見かけられるところはエサとなっている生き物たちがたくさんいて、自然環境が豊かな証と言われたりします。

ですが減っていないといっても、日本の固有種。できれば大切にしていきたいですね。

見た目は怖いかもしれませんが、人の害になることはまずありません。とても穏やかなヘビなのです。比べてシマヘビは大変攻撃的です。小さいヘビなんですがね…こちらも、攻撃を受けても特に影響はありません。

普段は木で生活していることが多いのですが、庭に現れたら、「ごはんになるものがたくさんあるのね~」と思ってそっとしておくと、ネズミ捕りをしてくれます。

ちなみに我が家には猫が2匹いるので、警戒してか住み着いてくれません。。

ですが!猫が捕獲して生きたまま家に持ち込むことはあります。

そのときは外に出すためほうきで戸口へ誘導しようとしたのですが、なんと、ほうきで軽く掃く程度ではアオダイショウはびくともしないんです!

うろこのある体の表面を、ほうきがつるっ、つるっ、となでるばかりで、転がりもひっかかりもしない…。

野生の生き物を触ることはいつもためらってしまいます。なぜって人が触って匂いがつくと、これから生きていくのに悪影響はでないのかと、いらない世話かもしれませんが心配になるのです。

例えばカエルは、人の体温では熱すぎるらしく長時間手に持つと火傷を負って死んでしまいます。

でも追い出す方法がないなら手で持つしかない。ということで、軍手をして捕まえ、庭に放してあげました。逃がす前に軍手越しから指でさすると、やっぱりつるっつる。

お腹側はうろこではなく横に線が入って左右に突起があり、背側とは明らかに違う様子。この突起は側稜(そくりょう)といって、木や土塀など、ちょっとしたでこぼこを利用してほぼまっすぐ登ることが出来る構造になっています。ちなみに泳ぐこともできます。

手がないし、普通なら生活困難になりそうなものですが。。。

こうみると、あの体でなんでもできるんだなと感じますね。

毒はあるの?

上の写真はコブラです。

ヘビを警戒する上で、一番気になることですよね。

端的に、毒はありません。また性格はおとなしく、家の近くにいるとネズミから家を守ってくれます。昔から人間とうまく付き合ってくることができたのはこうしたことが理由なんでしょうね。

日本で毒を警戒しないといけないのは、本土ではマムシとヤマカガシくらいです。この2種は自然豊かでエサが豊富なところや山奥で生息していることが多く、こちらが何もしなければ攻撃をしてくることはありません。外国の攻撃的な毒を持っているヘビや、人を食べるほどでかいヘビに比べると、日本のヘビってだいたい穏やかですよね。まるで日本人に合わせたような気質だなと思います。

ところで、我が家の猫が外でアオダイショウとにらみ合っているところに遭遇したことがあるのですが、まるでガラガラヘビのようにしっぽを振って警戒していました。毒ヘビだけの特徴かと思っていたのですが、カナヘビでも同じことをしているのを目撃。どうやら、興奮したり警戒したりすると、しっぽを振って威嚇をするようです。

ヘビはだいたい振る行為をするそうなので、しっぽを振っているのをみたら「あ、警戒してるんだな」と思って距離をとってあげてくださいね。

ただし、これは全ての生き物でも言えるのですが、動物は基本的に雑菌を持っています。それこそ猫だって、爪や歯に強力な細菌が存在し、免疫が極端に弱いと引っかかれた傷が腫れたり化膿したりします。

アオダイショウもやっぱり雑菌を持っています。野生でいろいろなものを食べていますからね…。ですので、刺激はしないことがおすすめです。

アオダイショウの幼蛇(幼体)はマムシに似てる!?

アオダイショウの幼蛇(ようだ)は、大人と体の模様が全然違います。なんと、模様がマムシに似ているのです。どれだけ似ているの?ということで、マムシと比べて画像をみてみましょう。

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う~ん、微妙な模様加減。。。

上がアオダイショウの幼蛇、下がニホンマムシの幼蛇です。

これは、マムシに似せることで自分の身を守っていると言われていたり、草木に紛れるためだと言われていたりします。

我が家の猫がヘビを家の中に持ち帰ることは先ほどお話ししましたが、実はこのアオダイショウの幼蛇を持ち帰ったこともあるんです。

猫は家族にいろいろな生き物を持ち帰ってきては自慢をします。その日も、口になにか紐のようなものを咥えて意気揚々と帰ってきました。

私は最初なにか分からず、「なにそれ?」と猫に問いかけ。しかし模様を見て悲鳴をあげ、猫が幼蛇をぽとっと落とした瞬間に抱き上げて離れました。これマムシ!?とパニックになりかけたのですが、よく見てみるとなんか違うな、と思い始めました。

マムシにしては体が細長いし、模様が微妙に違う…そして調べた結果、アオダイショウの幼蛇であることがわかったのです。

田舎のヘビ好きでも間違うくらいなので、あまり見慣れていない人は完全に騙されてしまうかもしれません。アオダイショウの特徴としては、首から続く体の太さが同じであること。また、目の瞳孔が丸いこと。マムシは首からしっぽまで体の太さが違います。瞳孔は猫のように縦に細くて頭が三角です。

あとは、マムシはもともと動きが遅く、こちらが何もしてこないかじっと見ることがあるようです。アオダイショウも性格によって、人を恐れずこちらに興味深々という個体もいるようですが、基本はすぐに逃げてしまいます。

私が、まだヘビの区別がつかないくらい幼いころ。人一人が通れるくらいの細道を歩いていたら、その道の真ん中にヘビがいたのです。

もともと好奇心旺盛で、近づいてしゃがみこみ、観察をしてみました。茶色でなんだか毒々しい迷彩のような模様。そう、マムシだったのです。しかも結構でかいマムシでした。そのマムシも、敵がきたと思ったのか、とぐろをまいてこちらを睨むように鎌首をもたげていました。

それを思いだし、確かにマムシはじっとして動かなかったなと思い至りました。

でもあれ、攻撃を仕掛ける一歩前の動作らしいですね。。。

その様子をみた母に絶叫され、危険なヘビとやっと認識できた思い出があります。

マムシとの遭遇はアオダイショウほど頻繁ではありません。水辺を好むようで、山間部の水田や小川で見かけることがあるようですが、それも本当に田舎の方です。あちらも人間を脅威と感じているのでしょうか、人が多いところには姿を現そうとしません。

ですので、マムシに似たヘビを見かけても、だいたいはアオダイショウの幼蛇だと思います。

慌てずに様子を見て判断してくださいね。

また、アオダイショウの幼蛇がマムシに似ている、ということを知っているだけでも、これから出会ったときに余裕をもつことができますよ!

よかったら動画でも確認してみてくださいね。

神様としてのアオダイショウ

ヘビは神話に出てきたり信仰の対象となっていたりします。日本ではかなり古くからある原始的な信仰のようで、縄文時代からその様子がうかがえるそうです。

その頃は大変神聖視され、恐れる、ということはなかったようなのですが、時代が下るにつれ、徐々にヘビへの恐怖心や悪事をするヘビというものが登場してきます。

古事記で有名なところだと、頭が八つあるヤマタノオロチでしょうか。

ある老夫婦に8人の娘がいたが、毎年ヤマタノオロチがやってきて、娘を食べてしまう。最後に残った娘も今年食べられてしまうと泣いていました。そこでスサノオはオロチを退治しました。そしてオロチのしっぽを切った時にでてきた天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)を姉である天照大御神に献上したというお話です。

天叢雲剣は草薙の剣とも言われる、あの3種の神器のひとつです。今は明治神宮のご神体となっています。面白いのは、剣が悪の象徴とならないことですね。オロチは本来神様でもあり、ヤマタノオロチを信仰対象にしている地域もあるくらいです。こうした、ヘビに対する恐怖もありながら、一方で敬ってもいる、縄文時代の絶対の信仰から、畏れのような存在となったようですね。

その他にも、水の神、豊穣の神や中国の龍と蛇の信仰がくっつき、「龍神信仰」もできました。

もともとはインドの蛇神(ナーガ)が、中国、日本へと伝わったもので、水や天気を操ると言われています。

ヘビは脱皮をして新たな体を手に入れることから、生と死の象徴ともみられています。

現代日本でも、ヘビの抜け殻をお財布に入れておくと、お金持ちになると言われていますね。

では、アオダイショウは日本においてどのような存在だったのでしょう?

アオダイショウは猫が捕獲してくることからもわかるように、割と人に近いところで生活しています。古くは民家の軒下などで暮らし、ネズミをとって食べていたようです。

昔の人間にとって生命線になる米や、財産となる着物を荒らすことから、ネズミは人間にとって天敵でしたので、ネズミを食べてくれるアオダイショウは家の守り神として見つけてもそっとしておいたのだとか。

猫と同じで、家にいるだけでネズミが寄り付かないというのも大きいですよね。

また、山口県の岩国には、「岩国のシロヘビ」と呼ばれ、神様の遣いとして今でも大切にされているヘビがいます。国の天然記念物にも指定されているこのヘビ、実はアオダイショウのアルビノで、珍しいものなんだそうです。

普通色の白い生き物は自然界では目立つため、大きくなるまえに食べられてしまったり、また劣性遺伝のため、普通のアオダイショウとの間にはシロヘビは生まれません。それなのに、岩国には自然繁殖したシロヘビが昔から多くいたのだとか。信仰の対象として昔からシロヘビを大切に扱っていたおかげで、数が増えていったのだというはなしです。

地域住民の信仰や国の天然記念物であるということから、平成24年に岩国白蛇神社を建設。

シロヘビを見かけると幸運が舞い込んでくるそうですよ。

今ではその個体数が少なくなっているため、人工的に飼育をして、自然環境豊かな施設内の敷地に放っています。本当に、とても大切にされているんですね。

さらに、アオダイショウに関係なくヘビについてのちょっとしたオカルトなんですが。

現代でもそこかしこで見られる、守り神であるヘビを殺した人が祟りを受ける話…嘘か本当かはわかりませんが、そうした逸話がたくさん存在するようです。

どんな生き物でも、害のないものを排除してしまうようなことは、しないようにしたいですね。

さて、アオダイショウが害のないヘビであることがわかって頂けたのではと思います。

どこかで見かけても、慌てずにそっと見守ってもらえると嬉しいです。

アオダイショウについてのまとめ

1.アオダイショウは本土最大のヘビで、日本全国に生息している

2.毒はなく、おとなしい性格だが、細菌には注意

3.アオダイショウの幼蛇とマムシの模様が似ている

4.ネズミから家を守ってくれるアオダイショウは家の守り神だった