97ecd4796b292083b28d79a7a6168822

「生きた化石」の代名詞的存在といえば、シーラカンス(英語ではCoelacanth)。

長く絶滅したと思われていたシーラカンスの生きた個体が発見された時は、恐竜が見つかったかのような騒ぎ様だったらしい。

その謎に包まれた生態や驚くべき寿命、やっぱり只者ではなさそうなのだ。

シーラカンスの生態

シーラカンスが出現したのは、今から3億8000万年前頃の古代デボン紀の中頃。

白亜紀以降の地層からは化石が発見されなかったことから、約65000万年前の大量絶滅を境に恐竜と共に全て絶滅したと考えられていた

ところが、あらびっくり!

1938年に古代の姿そのままで生きているシーラカンスが発見され、その後次々に見つかったのだ。

しかしその生態はというと、まだよくわかっていないことが多い。

Laurent-bonny-20150430-4-500x332
シーラカンスとダイバー

生息地

シーラカンス目の化石は世界中で発見されている。

26種に分類され、古くは淡水域や浅い海に生息していたことがわかっているが、2種を除き絶滅したと考えられている。

現在は南アフリカのコモロ諸島、タンザニア沖、インドネシアのスラウェシ島周辺で生息が確認されている。水深200〜700メートルのところで暮らす深海魚である。

大きさ

大きめの人間くらいある。

体長180〜200cmくらいまで、体重90〜100kg弱くらいまで成長する。絶滅種では、現存する種と体高や体型が異なる種もあり、復元したら全長3メートル程になった種もある。

かなり迫力の大きさなのだ。

手足の様なヒレ

5c0d23c1-s

シーラカンスには、他の魚に見られない幾つかの特徴がある。あの個性的な容貌を形成するヒレは8枚あり、その内の6枚は鱗で覆われた筋肉質の柄を持っているのだ。

これは、両生類の前足と後ろ足の原始的な形を思わせ、ハイギョとともに四肢動物の進化を知る手がかりとして研究対象になっている

背骨はなく、油に似た液体が詰まっている脊柱が背骨の役割を果たしており、その他の骨もほとんど軟骨でできている。

肋骨も無く、体表の鱗が体内を保護していると考えられる。体内の浮き袋には、空気の代わりに脂肪が入っている。気体だと水圧に耐えられない為らしい。

また、シーラカンスには退化した肺があることが確認され、シーラカンスの祖先は、肺呼吸をしていた可能性があることがわかっている。

あと、脳みそは小さい。

食べ方は大雑把なタイプ

魚や無脊椎動物を食べるのだが、シーラカンスは動きがゆっくりなので、岩陰などで漂いながら獲物を待ち、近くに来たらその大きな口を開けて丸呑みする。

研究の為に解剖された個体からは、50cm近いアナゴとかサメが3体が丸ごと入っていたそうだ。

脳みそが小さくて動きが遅くても口が大きく開けば獲物にありつける環境だったということなのか。

ちょっとぐうたらな魚らしい

母は大変

卵胎生。卵は体内で孵化する。卵は結構大きく、4cmくらい。それが30個も入っていた雌が確認されている

体内で孵化後、30〜40cmまで育ってから産むらしいからお母さんは大変だ。

寿命

シーラカンスの群れを21年間観察した研究チームの試算によると、寿命はおよそ103年となった。

それだけではない。

その間、姿がほとんど衰えないという、美魔女も羨む不老長寿魚なのだ。

そんなシーラカンスであるが、いつどのようにして発見されたのだろうか?

次はシーラカンス世紀の大発見!!そして気になる謎!

8348b4b91f2e76f6ebb6e40d4fe5f296

シーラカンスの発見

世紀の大発見

生きているシーラカンスが最初に発見されたのは、1938年、南アフリカの北東海岸のチャルムナ川沖である。

博物館の学芸員で魚担当のコートネー・ラティマーが、地元の漁師に珍しい魚がいたら教えてね、と頼んでいたところ、水揚げされた魚にそれは混ざっていた。

その現生種は発見者と発見場所に因み、ラティメリア・カルムナエと命名された。

2回目の発見

その後シーラカンスの捜索が行われたが、南アフリカでは見つからず、ようやく2回目に発見されたのは、14年後、最初の発見地から3000kmも離れたアフリカ東南部沿岸のコモロ諸島であった。

驚くべきことに、コモロ諸島では昔から1年に数尾のシーラカンスが釣り上げられていて、不味くて食用にならないため「役に立たない」という意味の「ゴンベッサ」という名前まで持っていたのである。

因みにその後「ゴンベッサ」は、高く売れるため「幸せを呼ぶ魚」という意味に変わったというから、なんともえげつない話である。

インドネシアに別種

TKY201011120460

1997年にはインドネシアの魚市場で、別の現生種も発見された。日本ではインドネシア・シーラカンスと呼ばれる。

スラウェシ島沖では以前から稀に発見され、「海の王」と呼ばれていたとのことだ。

まだいた

2003年頃になると、タンザニア沖で発見が相次ぎ、その集団はコモロ諸島のものとは遺伝的に分化していることが確認されたという。

こうなるとまだまだ発見されていない別の集団が出てくるかもしれない。

水族館にいる?

残念ながら、生きたシーラカンスを展示している水族館はない。しかしながら、静岡県の沼津港深海水族館が世界で唯一シーラカンスの標本を展示している。

更に深海での遊泳映像は、沼津水族館の他、福島県のアクアマリンふくしまでも観ることができる。

沼津港深海水族館のシーラカンス

最後に

絶滅した筈だったシーラカンスは、日本では化石も発見されていないが、日本の深海にだって、絶対にいないとは限らない。

深海にはまだまだわからないことがたくさんある。

他の絶滅したと信じられている生物だって、海の底で、静かに生存していることがあるかもしれない。