昔々よりもさらに昔、地上に君臨した最強鳥類とはいったいどんな生物だったのでしょう?ディアトリマは約5000万年前の地質年代でいうところの新生代の古第三紀の初めころに繁栄した恐鳥類の仲間です。なので、アメリカ大陸やヨーロッパで化石で発見されます。当時はアメリカとヨーロッパは陸続きでした!その動物の疑問を検証していきます。
生態
かつて、地上で最強だとされていました。英語ではDiatryma(Gastornis)です。最近ではガストルニスと呼ばれることもあります。いったいその強さはどこから来ているのでしょうか?まずはその特徴から検証していきます。
3つの特徴。
- ディアトリマの最大の特徴といえば、大きなくちばしです。全盛時にはその大きなくちばしで強かったものと思われます。
- 次の特徴といえば、退化して飛べなくなってしまった羽です。同じような鳥にダチョウなどの仲間がいますね。羽はダチョウみたいに、大きくはなかったみたいです。
- 3つ目の特徴は、頑丈な2本の足。ダチョウのキック力は100平方センチで4.8t!
しかし、ディアトリマはダチョウよりも体重が重いです。おそらくキック力は6t以上あったでしょう。その強力な脚力で大地を走ったので、かなり速かったはず。強靭な足と、鋭いくちばしが最強である理由になります。
疑問。
強さはどのくらい?
ディアトリマがどのくらい強かったかというのは、誰もが気になるところ。いろんな意見を集めて、考察してみました。
結果
1対1では、ディアトリマの強さはトラ、ライオンレベル。しかし、種としてみると、ライオン>ディアトリマ。どういうことか説明します。大きさ、脚力から見るとディアトリマの方が上です。しかし、ライオンなどは前足もあるため攻撃パターンが豊富です。そのため大きさはディアトリマの方が優位でも、結果として互角になるのではないかと思われます。また絶滅した原因にもなるのですが、群れで狩りをするライオンなどにはディアトリマは敵いません。徐々に増えだした、肉食哺乳類がディアトリマを絶滅に追いやった原因の一つと考えられます。*しかし、この時ライオンはいません。
ディアトリマの大きさ
ディアトリマの大きさは、
- 体高 2m
- 推定体重 200kg(200kg〜500kgという説も!)
です。大きめのダチョウの体高は2.3mです。そう考えると、ディアトリマは馬鹿でかいというわけではなさそうです。その巨大さから、ディアトリマ・ギガンテアとも呼ばれます。強さは、大きさだけからくるものではないことが分かりますね。同じ鳥類で絶滅したエピオルニスはキリン並みの体重がありました。
食べ物、餌は?
ディアトリマは基本的に植物食です。以前は雑食と考えられていましたが、現在は植物食という説が有力です。画像で見るとわかるのですが、イメージ画像のほとんどは大きなくちばしを持っています。このくちばしで様々な植物を餌として食べていたのでしょう。また、植物の種子なども食べていました。
では次に、いつどのように絶滅したのか探っていきましょう!
いつなんで絶滅した?
原因として2つの理由が考えられているようです。
- 原始的肉食哺乳類のヒエノドンの出現により卵を食べられるようになった。ディアトリマが全盛期が過ぎると、肉食哺乳類が姿を現しました。その代表格ヒエノドンが卵を食べ始めたのでは?と考えられています。現在は新生代の第四紀ですが、古第三紀はいろいろな哺乳類の種類が増え始めた時期でもあります。そういった哺乳類に卵を食べられた可能性があります。
- 肉食哺乳類がディアトリマを集団で襲い始めた。先程言ったように、集団で攻撃されたらいくら強いディアトリマだって敵いません。この2つの理由でディアトリマは絶滅したのではないか?と考えられています。絶滅時期に関しては、ちょうど新種の哺乳類が現れ始めた約6千万年前〜3千万年前に滅んだと考えらます。ちょうどそのころ地球の寒冷化が進行し、哺乳類が増加したといわれています。かつて最強だったディアトリマですが、1匹では集団には、かないませんでした。これと同じ理由でディアトリマに似た種類のすべてがこの時期に滅んだとされています。いくら強くても集団にはかなわない。哺乳類恐るべきですね!
どこの博物館で見れる?
群馬県立自然史博物館に絶滅したディアトリマ(ガストルニス)の化石が保存されています。アメリカ合衆国で発見された化石です。もし企画で展示されることになれば、ぜひ見に行きたいです。
まとめ
ディアトリマの生態や大きさなどについて説明してきました。大きなくちばしをもっていたけど、植物食と考えられています。その強さがどのくらいかも検証しました。肉食動物の哺乳類が出現したことが絶滅の原因と考えられています。