じつは、「フクロウ」にはたくさんの亜種がいるのですが、あなたは知っていましたか?その中のエゾフクロウはというと、顔はハート型、羽の色は灰色に黒のまだら模様をしています。学名はStrix uralensis japonicaです。しっかりと日本の名前がはいっています。亜種がたくさんいるので、そのままで呼ばれる種類の影がちょっと薄くなっているくらいに。今回は、その一つであるエゾフクロウについてご紹介しますね。
生態や特徴は?

エゾフクロウはフクロウの中でも特に北海道に生息しているものをさします。羽毛の色は白っぽく、茶褐色のまだら模様が入っています。顔の形はハート形で、瞳の色は黒です。くちばしは黄色です。目の上に耳のように生えている羽のことを羽角というのですが、エゾフクロウにはこれはありません。脚の先まで羽毛で覆われています。オスとメスで羽毛の色に違いはありませんが、体の大きさはメスのほうが大きいです。
大きさは?

エゾフクロウは体長50cmほどで、翼を広げると90~100cmになります。翼開長100cmは、カラスの翼開長と同じくらいの長さです。体重はメスとオスで若干異なるのですが、だいたい500~1000gほどです。
餌は?
夜になると狩りをはじめ、野ネズミや小鳥などを捕まえて餌として食べるんですよ。目は人間の10~100倍くらいの感度があります!
寿命は?

エゾフクロウは現在、ワシントン条約下におかれており、飼育はしてはいけないこととなっています。ですので、野生をみて、推測するしかないのですが、それも難しく、正確な寿命は不明となっています。
ワシントン条約ちょこっとコラム。
以前シマフクロウを紹介したときに、ワシントン条約や絶滅危惧種についてちょっと触れましたが、実はこのエゾフクロウもワシントン条約に該当するんです。ワシントン条約とは別に、IUCNという機関が出している「レッドリスト」もまた絶滅危惧種に関しての定義をしているのですが、この話だけで終わってしまうので今回は割愛します。もし気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひ調べてみてくださいね.
性格は?
エゾフクロウは温厚で、目立つことを嫌う性格のようです。
生息地
これは冬の北海道の森にいるエゾフクロウたちの画像です。

エゾフクロウはフクロウの中で特に北海道に生息している亜種のことをさします。夜行性で、昼間は木のほらの中や、枝に止まってじっとしています。
巣

巣は木の洞の中に作るのが一般的で(時折タカなどの古巣を使うこともあるのだとか)、一回に2~5個の卵を産みます。メスが抱卵し、オスは日に1~2匹くらいのエサを運んできます。
雛は?
ヒナが成長して巣穴から出るようになると、狩りは交互におこなうようです。エゾフクロウ自体もとても可愛いのですが、ヒナの可愛さも忘れちゃいけません!

短い綿毛が、のりで張り付けたみたいにぱらぱらと体にくっついている小さなヒナ。目はくりくりと丸く、とっても好奇心旺盛なんです。あっちの枝をいってはこっちの枝をいき、時々葉っぱの間から地面をのぞき込んだり。そんな可愛らしい動きは一日中ずっと見ていたくなるほど。そうして、35~40日くらい経つと、ヒナたちは巣立っていきます。
鳴き声は?
エゾフクロウを紹介しているサイトでは、鳴き声は「ゴロスケホーホー」だといわれています。実際はどうなのでしょうか?
ほんの一瞬だけですが、「カカカ」といったような鳴き声が聞き取れましたか?くちばしを開いて体をゆすっているので、それに注目しつつ聞いてみてくださいね。雛は「キュイキュイ!」と答えるように鳴きます。ヒナのころは成鳥のフクロウに比べてとっても声が高いんです。新緑の木の枝に留まって、周囲を見渡しています。
見つけたら?
街角や森の中で、動けなくなってしまっているエゾフクロウを見つけた場合の対処法を、いざという時のために知っておきましょう。
- 発見したら、状態や状況を確認。もし連絡手段があるのなら、市役所などに連絡を。→市役所でしたら、「エゾフクロウをみつけたのですが」と受付の方に言えば担当部署に回してくれます。
- 指示に従って行動を。→「自宅で一時みてください。」などの指示を出されることがあるかもしれません。その際は担当の方の指示に従い、餌やりや居場所を作ってあげましょう。
基本的にはこういった流れです。その後のことは、担当の方が説明してくださるので、その方にゆだねましょう。くれぐれも勝手に飼ってはダメですよ!必ず詳しい方の判断を仰ぎましょう。
動物園で見れる?
北海道にある、札幌市円山動物園や釧路市動物園、旭山動物園、おびひろ動物園でエゾフクロウを見ることができます。ぜひ北海道旅行の際は、動物園にも立ち寄って、エゾフクロウを見学に行きましょう。
大学での研究は?
北海道大学は北海道各地にある研究林や公園で、エゾフクロウなど野鳥の研究をしています。
ペットにできる?

先ほども述べましたが、エゾフクロウはワシントン条約下にあるため、個人でペットにはできません。また、鳥獣保護法もあるため、許可なく野鳥を飼うこともできません。
まとめ
北海道に生息していました。このエゾフクロウが可愛いので、私はついつい北海道までの行き方を調べてしまいました。雛も可愛いです。いつか実物をこの目で見たいと思ってやみません!