さまざまな珍しい動物が生息しているマダガスカル島。進化の過程を知るヒントが得られる数少ない場所です。その中で一番大きな肉食獣がフォッサ(英語ではFossa)です。名前を聞いてもピンとこない方も多いでしょう。そこで、「どんな動物なのか?」を探ってみました。
どんな動物?生態は?
フォッサはマダガスカル島に住む肉食動物です。全身は短くて柔らかい体毛が生えており、背中は赤褐色や暗褐色、お腹の方は淡黄色となっています。四肢は短く、足の裏には体毛はありません。これは、木の上での生活に適しているためと考えられています。画像で見る限り、木の上には登りそうもない雰囲気の体型ですが、尻尾も使ってスイスイ木登りや木渡りができるのだからビックリしてしまいます。全体の雰囲気としては、体形などはネコに近い!?ようにも見えますが、顔のアップを見るとイヌ!?という気もしてきます。イヌ・ネコどちらも入り混じっていて、不思議な外見です。夜行性で昼間は木の穴や洞窟で休んでいて、夜になると行動を開始します。行動は単独でする場合がほとんどです。
大きさ
フォッサはマダガスカルマングースの一種です。体長は60~80cm、肩高37cmくらい、体重はオスが6~12kg、メスは5~7kgほどです。アードウルフと同じくらいの大きさですね。
餌
食べ物は動物系のものが多く、哺乳類、鳥類、爬虫類、昆虫、カエルなど何でも食べてしまいます。フォッサは本当に何でも食べてしまうようですね。
寿命
フォッサの寿命は約20年です。
生息地
マダガスカル島の、標高2600m以下の熱帯雨林またはサバンナに生息しています。また、やはりマダガスカル島の森林の伐採や開発により、生息域が狭まり、生息数は非常に減少しています。そのため絶滅危惧種です。できれば生息数がこれ以上減少しないよう何らかの配慮を求めたくなります。不思議!メスがオス化する?!
特徴
フォッサはマダガスカルマングース科です。以前はネコ科の一種とされていました。ネコと比べると、イヌのような鼻、大きな耳など独特な部分も多く、ネコなのか?イヌなのか?表現方法に困ってしまいます。確かに、マングースにも似ています。爪をひっこめられますし鋭い歯も持っています。その格納できる爪で木から木へと飛ぶことが可能です。また、指の間には水かきが付いています。このような動物はこの島だけのものです。さらに思春期のメスがオス化することがあります。これは、とげや中の骨などが異常に成長することによって起こる現象です。こうなる要因としては、周りにいるメス達との争いをすることもないからではないか、とも考えられています。メスがオス化するのも仕方ないなあ~って感じます。が、メスがみんなオス化してしまっては繁殖できなくなり数も減っていきます。その辺りどのように均衡を保っているのか?気になる今後の課題です。
動物園にいるの?
日本ではただ1カ所上野動物園にフォッサがいます。機会があったらぜひ見て下さいね。
ペットにできる?
マダガスカル島で絶滅危惧種のため、国内では入手できません。また、フォッサは上野動物園にしかおらず、個人で飼う方法は確立していないため、ペットにするのは困難です。もし、フォッサを連れて散歩していたら、近所の人たちは、犬?それとも猫?と不思議に思うでしょう。
まとめ
マダガスカル島では森林の伐採や開発が多く、フォッサの生息地も徐々に減ってきています。そのためフォッサは激減して、絶滅危惧種となっています。同時にマダガスカル島では、フォッサのエサも少なくなってきています。この悪循環を断たなければ、絶滅の危機も避けられなくなるでしょう。いつかマダガスカル島に旅行してフォッサを見たいですね。