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何これ?口の中にもう一匹住んでる!一度見たら忘れられないインパクトのある風貌のゴブリンシャーク(悪魔のサメ)。

恐ろしい、奇妙、醜悪、エイリアンなどと言われ放題だが、その実態は?

未だ謎の多い深海に住む生きた化石を調査してみた。

ゴブリンシャーク(ミツクリザメ)の生態

出現することが稀であるその生態には未だ謎の部分が多いが、ひとまずサラッとまとめてみた。

生息地

世界各地に生息するようだが、発見例はほとんど日本である。

日本では相模湾、駿河湾、東京湾など。

30〜1300mの水深に生息。通常、水深270〜960mの間にいる深海魚である。

食べもの

甲殻類、イカなどの頭足類、魚などの動物性のものを食べるらしい。

そしてその食べ方がオリジナリティーに溢れているのだが、それはまた後程。

大きさ

2mくらい。メスの方が大きい。

最大のもので6mくらい。

どの辺がゴブリンなの?名前の由来

で、その他の特徴で一番気になるのはやっぱりネーミングと、人を丸呑みしそうな、その風貌じゃないだろうか。

(やっぱちょっと怖い。)

ゴブリンシャークという呼び名だが、正式名は「ミツクリザメ」という。

これは、19世紀末に相模湾で最初にこのサメを発見した箕作佳吉(みつくりかきち)に因んでいる。

そして、実はゴブリンシャークは人は襲わない。

武器になりそうな長い吻(鼻先のところ)も、柔らかくて攻撃には向かないそうだ。

この名前は、本当に見た目からつけられただけ。

それも、元々日本ではテングザメと呼ばれていて、テングが海外でゴブリンと訳されただけだそうだ。

うーん、絶対クラスで財布が無くなったら見た目だけで疑われるタイプだと思う。

なんか不憫になってきた。

実はのろま?恐ろしい形相の秘密

下の写真を見てみよう。

「なにこれかわいいー。イルカみたい。」

実は、これもゴブリンシャークの写真である。

まるで別の生き物。

写真では顎が出ている状態のものが多いので、その印象が強いゴブリンシャークだが、顎を出すのは獲物を捕らえる時であり、通常は閉じている。

そして閉じていれば普通にかわいいのだ。

人間でいうと「黙っていればかわいいのに」というタイプだろうか。

顎が出ているとうっすらピンク色の体色さえもちょっと気色悪く感じるが、口を閉じているだけでピンク色でかわいい生き物に思えるから不思議である。

因みにこのピンク色は、透明がかった皮膚に血管が透けているからで、死後は灰色に変色する。

ゴブリンシャーク(ミツクリザメ)の顎の秘密

そして最大の特徴である突出する顎だが、実は、サメはゴブリンシャークに限らず顎が出る。

ただゴブリンシャークは、「周りは被り物で、顎が本体だったの?」ってくらいな感じに半端なく突出するから目立つ。

なぜそこまで顎が出るのか。

それは、「のろまだから。

ゴブリンシャークは、そのヒレの形から速く泳げないと考えられる。

なので、顎を出して少し離れた獲物を素早く捕まえるために口と顎だけやたら発達した、ということらしいのだ。

てか、「ヒレを発達させて速く泳ぐという方法もあったのでは。」という感想が頭をよぎったが、そこは、顎が発達した方が顔が面白いから許すことにする。

なんとも合理的、なのであった。

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獲物を捕らえる!

長い鼻先に無数にあるロレンチーニ瓶というセンサーで、生物が発する微弱な電気を感知して獲物を探すのだが、センサーが獲物を感知すると、顎を大きく突出させて獲物を捕らえるのだ。

そしてそこだけは速い!

人間でも、のろまなのに口だけは達者、という人いるけど、そんな感じ?(違うか。)

下の動画では、顎を突出させるミツリクザメを見ることができる。

人間の腕を噛んでいるが、それは顎の観察の為にわざと噛ませているだけである。

釣れるの?

テレビなどで、ゴブリンシャークを釣り上げて話題になることが時たまある。

捕獲され、水族館などで展示されていることもある。

生態に不明な点も多いため飼育は相当難しいらしく、これまで静岡県の「沼津港深海水族館」や「あわしまマリンパーク」、神奈川県の「八景島シーパラダイス」、東京都の「葛西臨海水族園」などで展示されていたが、概ね数日で死亡している。

釣り上げたら何日も生きられないのであれば、釣らないに越したことはないだろう。

あと、陸揚げすると深海魚だけに水圧の有無などの変化から、相当おぞましい見た目になる様なので、万一釣れてしまった場合は注意した方が良さそうだ。

ゴブリンシャーク(ミツリクザメ)を見たい

上述の通り、飼育下ではほとんど数日(最長でも十数日)で死亡する為、水族館で生きている個体を見られる機会は極めて少ないが、見たい場合は稀に展示されている時を見逃さないようにこまめに情報をチェックするといいかもしれない。

展示されたら大急ぎで行かないと、すぐ死亡して標本になってしまう。

また、剥製や標本であれば展示している博物館や水族館などが複数ある。

まとめ

ブサイク、モンスター、悪鬼、など散々な枕詞がつく不憫なゴブリンシャーク(ミツリクザメ)は、実はのろまでピンク色の愛らしいサメだった。

せめて私だけでも、今度からは心の中で「ゴブリンシャーク」ではなく、「ゴブりん」とかわいい感じで呼ぶことにしよう。