トゲトゲの体に愛らしい表情のギャップがかわいいハリネズミです。飼ってみたいペットとして人気急上昇中ですが、初めて育てるとなると、仲良くなれるか不安ですよね。ハリネズミは犬やねこのように、なついたり甘えたりしてくれるのでしょうか?
なつく?

飼い主なら誰でも「ハリネズミと仲良くなりたい」と思いますよね。仲間と暮らす習性がないため、犬のように一緒に遊ぶことは難しいでしょう。しかし、ハリネズミも愛情を持って根気よく接することで、たくさんスキンシップをとれて、なつくようになります。仲良くなったり、なつく秘訣は、ハリネズミが飼い主に「慣れる」ことです。飼い主のことを危険ではないと思うことが、仲良くなる近道となります。犬が森でハリネズミと遭遇して驚いています。

それでも、仲良く遊んでいますね。
まずは特性と性格を知ろう。

野生の世界では常に天敵の多い中で暮らしています。体が小さくて力のないハリネズミは自慢の針を生かして自分を守り、身を隠して生活してきました。そのため基本的に、ひとりでいることを好み、臆病で慎重な性格なのです。もちろん性格は環境や成長過程で変わってくることも多いので一概には言えませんが、怖がりで心を開くのに時間がかかる子が多いということを覚えておきましょう。
飼い主に慣らすポイント。

飼い始めはハリネズミにあまり干渉せず、一人で落ち着いて過ごせる環境を作ってあげることが大切です。まずは環境に慣らしてあげることがポイントです。環境に慣れてきたら、次は徐々に飼い主の声と匂いに慣らしていきます。飼い主に慣らすのは、お世話タイムのときが絶好のチャンス!ハリネズミは夜行性で昼間はほとんど寝てしまっているため、お世話は夜にしましょう。お世話をしながら声をかけたり匂いを嗅がせたりして、耳と鼻で飼い主の存在を覚えてもらいます。
感情や気持ちは針の動きを見れば一目瞭然!
針を立てて威嚇しているときは警戒中、針が寝ているときはリラックスしているとわかります。針を立てる角度や、威嚇中に発するフシュフシュとした鳴き声でも警戒レベルを図ることができるので、ハリネズミの気持ちを注意深く見ましょう。飼い主に対して威嚇行動をとらなくなってきたら、スキンシップをとるチャンスです。
なつくためのスキンシップの手順

環境や飼い主に慣れてきたら、次はいよいよハリネズミに触れてみましょう。ここでいきなり驚かせるようなことをしてはいけません。せっかく慣れてきたハリネズミがまた警戒してしまい、振り出しに戻ってしまいます。焦らずじっくり根気よくを合言葉に、段階を踏んでスキンシップを行いましょう。
①手のひらを低い位置から差し出して、寄ってくるのを待つ。
いきなり撫でたり抱っこしたりしては、びっくりしてしまいます。まずは威圧感を与えないよう、下から手のひらを差し出しハリネズミが近づいてくるのを待ちます。ハリネズミが差し出した手のひらに警戒心を抱かなくなったら、第一関門突破です。
②お腹の下に手を入れ、すくいあげる。

手のひらをハリネズミのお腹の下に滑りこませ、すくうように少し持ち上げてみましょう。いきなり高い位置に抱きあげるとパニックになってしまう恐れがあるので、最初は低い位置で持ち上げるように抱っこするのがポイントです。大丈夫そうならそのまま包み込むように抱っこします。少しでも怖がった場合は、すぐに下ろしてあげましょう。
③マッサージをしてあげる。
抱っこに慣れてきたら、少し横に向けたり触って嫌がらないところを撫でてあげましょう。ただハリネズミにも触られたら嫌なところがあります。頭を撫でられたり、仰向けにされるのが苦手な子が多いです。徐々に慣らしていくことで、仰向けになってお腹を触らせてくれる子もいるでしょう。ここまでくると、ハリネズミは飼い主に、なついています。ハリネズミはマッサージをすると寝てしまう子が多いので、そこまで仲良くなれたらあなたはスキンシップマスターです。気持ちよさにトローンとして、なついているハリネズミの表情にメロメロになってしまうことでしょう。
個体差があることを忘れずに。

ハリネズミが撫でさせてくれない=飼い主のことが嫌いなわけでは決してありません。どうしても触られるのが苦手な子や、臆病でなかなか飼い主に慣れない子もたくさんいるのです。ハリネズミは飼い主に「慣れる動物」ということを忘れてはいけません。愛情をもって育てて、根気よく接すれば、撫でるのは難しくても飼い主に慣れてくれたという場面がいくつも見られるはずです。例えば声をかけたら寄ってくるようになった、針を立てる回数が減ったなど、些細な変化でもハリネズミは飼い主に歩み寄って懐いてくれているのです。近寄ってきて、ご飯をおねだりしてきたりして、そんなとき飼い主は大きな幸せを感じることができますね。
まとめ

ハリネズミには個体差だけでなく、種類もたくさんあります。人間と同じようにさまざまな性格の子がいるのは当たり前。飼い主に慣れたり、懐くためにかかる時間は個体によって当然違います。大切なのは焦らず、飼っているハリネズミのペースに合わせてあげること。愛情を持って大切に育てれば、きっと気持ちが伝わって、なつくはずです。本記事のスキンシップ法を参考に、ぜひハリネズミと仲良くなってくださいね。