私が子どものころ、大流行した本がありました。それは少年が、魔法学校に入学し、いくつもの試練を乗り越えていく話。初めて本屋さんで本を予約し、学校が終わったら一目散に本を受け取りに行き、次の日に学校があるにも関わらず夢中で読みふけったものです。その本というのが、「ハリーポッター」。シリーズ通して大人気で、映画も公表でしたね。ポッタリアンという言葉も生み出された世界的なベストセラー小説です。主人公のハリーや、頼もしい友人のロンやハーマイオニー。ハリーを優しく支えてくれるダンブルドア校長に、対立するスネイプ先生、ライバルのマルフォイ。今思い返してみてもわくわくどきどきする、とても素敵な本です。
ハリーポッターで有名。その名前は?
さて、ハリーの仲間のなかに、ハグリッドという男性がいます。不遇な暮らしをしていたハリーを迎えに来て、魔法の世界に連れて行った人物でもあります。ここで問題です。ハグリッドが、ハリーの誕生日にプレゼントした生き物はなんでしょうか?そう。「シロフクロウ」です。
・名前はヘドウィグ
ハリーはそれに「ヘドウィグ」という名前をつけていましたね。
生態は?
特徴は、なんといっても名前の通りの白さです。英語では「snowy owl」(雪のようなフクロウ)というほど。
ただ、本当に頭のてっぺんから足の先まで白い羽毛に覆われているのはオスだけで、メスには黒色の斑点がついています。
ここで、冒頭の「ヘドウィグ」を思い出してみてください。映画版のヘドウィグには黒い斑点がありましたね。実はハリーの相棒たるフクロウは「女の子」だったんです♪
野生での生態は?
北極周辺の「ツンドラ地帯」と呼ばれる場所にすんでいます。ツンドラ地帯とは、あまり木が生えていない、コケなどに覆われた場所です。モリフクロウなど、木の穴にひそんいる種とは異なり、小高い丘に登っています。シロフクロウがあんなに真っ白なのは、地面の色に擬態するためなのかもしれませんね。シロフクロウは珍しく、夜だけでなく昼にも活動します。これはどうしてなんでしょう?一説によると、北極圏に見られる「白夜」という現象が由来しているようです。白夜の時期には一日中昼間なので、その時にも活動できるように進化したんだとか。
やっぱり暑いのが苦手?
そんな風に寒いところに住んでいます。やっぱり暑さが苦手なんだそうです;;。ただ、北極圏のエサが少なくなってくると南下してくるようで、日本では鳥取県や広島県まで飛来した例があるんだとか。日常的に暑いのは苦手だけど、ちょっとした出稼ぎなら大丈夫ってことなんでしょうか。
大きさは?
シロフクロウの大きさは50cmから60cmほどなのですが、翼を広げるとなんと140cmから160cmになります!人の身長と同じくらいあるんですね。腕に乗った時にシロフクロウが翼を広げたら……きっと、視界がすべてシロフクロウに覆われてしまいますね!ちなみに体重はだいたい1.6kg〜1.7kgくらい。中には2kgの個体もいます。大きさに比べてとっても軽いんですねぇ。
足はモフモフしていて大きいです。
寿命はどのくらい?
シロフクロウの寿命は飼育下だと大体20年から30年。長いと40年生きる個体もいます。フクロウ全体に言えることですが、とっても寿命が長いので、もし飼うことになったらいろいろと考えないといけませんね。
性格は?
性格的には「気性が荒いほう」なんです。ヒナのころから人間に慣れさせておかないと、人間に懐くのは難しいです。ところで、性格の話からは少し離れるのですが、画像を検索すると、まるでにっこりと笑っているような画像が多くみられます。これ↓
見ていると思わずこちらもにっこりしてしまうようなスマイルっぷり。なんだかそれだけで魔法にかかってしまったよう。けれど、実はこれ、笑っているんじゃないんです。シロフクロウスマイルの正体は?
では何をしているのでしょうか?これは、眠っているんです。フクロウのまぶたは目の上下についています。普段は人間と同じように、上のまぶたを下にさげて目を閉じるのですが、眠るときは下のまぶたが上にあがるんです。下から上に押し上げられるので、目が笑っているように細められるんですね。そうはいってもやっぱり、見ているだけでほんわかしてしまうような魅力的な表情です。こんなに可愛いですから、「ペットとして飼いたい!」という人も多いはず。ここからは、「どんなペットなのか?」に焦点を当てて紹介していきますね。こんなハリーポッターの相棒にもなりましたが、もともとどんな生き物でしょうか?
ペットにするときの注意点は?
ほかのフクロウとことなる注意点を挙げるとすれば、やはり「暑さ」でしょう。南下することはあるとはいえ、もともとは北極圏にすんでいるので、日本の高温多湿な環境は、シロフクロウにとってはとても過酷なものです;;。お迎えするときは、必ず飼育する場所の温度に気を付けましょう。
運動不足にも気をつけよう!
また、人間もそうですが、運動不足は病気のもとになります。特にシロフクロウは翼が大きく、広げると人の身長と同じくらいの大きさになります。存分に羽ばたいて(まさしく羽を伸ばすってやつですね)もらうために、広い飼育場所を確保しましょう。
なつく?
大人になると白いフクロウも雛のうちは灰色です。雛のうちから育てると、当然、人に慣れやすいです。
値段はいくらするの?
シロフクロウの値段はおおよそ30~40万円。初心者にはこの値段はちょっとお高く感じるかも?なかなか入手の難しい種類なので、予約が必要になることもあるそうです。
どこに行けば販売している?
専門店や、猛禽類を取り扱うペットショップ等での入手が可能です。とはいえ、そうそう近くにはないもの。ですので、ネットでお店を検索し、電話やメールで問い合わせをしておいたほうが無難でしょう。「フクロウ 販売」のワードで検索をするとお店がヒットしますので、自身のアクセスしやすいお店を見つけてみてくださいね。
出会える動物園や場所は?
うーん、やっぱり飼うのは難しそうだなぁ……とお思いのみなさんのために、私のおすすめのスポットをご紹介します。
掛川花鳥園(http://k-hana-tori.com/)
全国各地にシロフクロウに出会える動物園は沢山ある中で、どうしてここをおすすめするかといえば、ずばり行ったことがあるからです。けれど、ただ行って出会ったというだけで人に紹介するわけではなく、おすすめする理由があるんですね。
オススメの理由は?
それはずばり!バードショー!バードショーのネット上の動画もご紹介しますね。
そこではなんと、シロフクロウが頭のすれすれを音もなく飛んでいくところが見られるのです!バードショーに出演するシロフクロウは「ハリー」という名前なのですが、飼育員さんが名前を呼びながら手に餌を持ち、呼び寄せると中空を飛んできます。あらかじめ「あそこからきますよー‼」と場所を示してもらえているので、飛んでいる姿を目で追うことができますが、もし何も言われなかったらきっと頭の上を風が吹き抜けるまで気が付かないほどの静かさ。けれど速い!とにかく速い!!目の前を白い何かが通り過ぎていったと思ったら向こうの木に止まってる!この速さ、静かさ、力強さはぜひ体験してほしいです。まさしく猛禽!まさしく野生!!。といった醍醐味を味わえるのでおすすめなんです!なお、季節によってショーの内容は異なるので、事前に調べておいたほうがいいでしょう。
まとめ
シロフクロウの大きさや寿命などの生態について説明してきました。羽を広げると140cm~160cmほどとなり、大型のフクロウです。寿命も20年~30年と長生きです。もともと寒い所に住んでいるため、厚さは苦手です。いろいろな動物園でシロフクロウを見ることができますが、掛川花鳥園にいってバードショウを楽しむのもいいですね。