Tachypleus-tridentatus

生きた化石」というと、まず名前があがる代表格の一つ、カブトガニ

でもよく考えたらカブトガニって何?

天然記念物なのに飼えるのか?そして、なんと搾取されるカブトガニの血。

カブトガニに関する意外と知らない驚きの10真実とは何か?。調べてみると衝撃的だった!

生きた化石「カブトガニ」の生態と10の真実

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1、カブトガニはカニじゃなかった

名前に「カニ」がついているにもかかわらずこいつ、カニの仲間じゃないのだ

カブトガニの祖先を辿ると、クモやサソリの祖先と考えられている「アグラスピス」に辿り着く。どちらかというとクモやサソリに近い節足動物なのである。

形状は、前体部、後体部、尾剣部の三部に分かれ、背中一面が甲羅で覆われている。雄が全長50m雌が60cm雌の方が大きい

成体は干潟の海底でアサリやゴカイを食べ、幼生は汽水、川に近い干潟に生息する。

2、約5億年前にはいた

約5億年前にはすでに地球上に出現していて、ちょっとずつ進化しながら2億年前には今とほぼ同じ形になっていた。なんと、1〜2年なら何も食べずに生きられるんですって。

「アメージング。」

3、背泳ぎする

泥の上を進む時は甲羅が上だが、泳ぐ時は仰向けになり、尾剣で舵取りをする。成体はあまり泳がない。

4、夫婦はよくくっついてる

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カブトガニのつがいは雄が雌の背中に掴まる習性があるが、飼育下で3年ほど繋がったままだった、という記録もある。

旦那、離してあげて!

5、目が5つあるのに目が悪い

背中側に2つの正中眼と2つの複眼。腹側にもひとつ眼がある。そのうち正中眼と腹側の眼は、明るさを感知する。そんなに眼があるのに視力は弱いらしく、食べ物を探す時は海底を動き回って引っ掛かったものを食べるらしい。

6、裏側はちょっと微妙

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カブトガニの腹側には足とか口とか色々ついてて結構複雑。個人的には無理だった。

「兜かぶっててくれてありがとう。」

裏返す時は気をつけよう。

7、生息地は?実は4種類いる

カブトガニは北アメリカ東岸一帯とアジア東南海域に生息し、4種類に分かれる。

カブトガニ、マルオカブトガニ、ミナミカブトガニ、アメリカカブトガニ。

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日本では瀬戸内海、九州北部に生息するが、干潟の開発などで生息地が減り、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧I類に指定されている。

8、子ども時代が長い

7〜8月に産卵し、数週間で孵化する。孵化までの間に数回の脱皮をし、卵ごと成長する。たくさん産むが、孵化するのはほんの僅か。

孵化してから次の脱皮までの間は、何も食べない!そして口もない!!!その後およそ1年に1回くらい十数回脱皮をくりかえし、その度に1.3倍くらい成長して13〜14年目でようやく成体となる。

寿命

寿命は推定で25年くらいといわれている。雌が雄よりも一回り大きいのは、脱皮の回数が一回多いからである。

体の構造が複雑な為、脱皮が難しいらしく、脱皮時の死亡率も高い。

赤ちゃんは小さくてかわいいのだ。

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<出典>

9、実は怠け者?かも

食べ物を探している以外の時は殆ど休んでいて、1日の9割は休息しているという噂が。

また、活動期間は海水の温度が18度以上になる6月〜9月の間の3ヶ月間くらいでそれ以外の間は海底の砂に潜って冬眠している。

つまり、殆ど休んでばっか。

これが5億年絶滅しない秘訣なのかもしれない

10、血が青い

割と衝撃だが、タコやイカなど血が青く見える生き物は他にもいる。

人の血は鉄分を含むヘモグロビンが酸化して赤く見えるが、カブトガニはヘモシアニンという銅を含む色素を持っていて、それが酸化して青い色になる。

そして、その青い血が現在医学に多大な貢献をしているという。

カブトガニの血液利用

近年アメリカカブトガニの血液から取り出した成分が、大腸菌やサルモネラ菌などの内毒素を短時間で検出するということが明らかになり、医学、衛生管理などに利用されている。

人の役に立つことがわかってしまった不幸なカブトガニは、その為、アメリカでは毎年数十万匹が捕獲されている。

数日以内に海に戻され、同じ個体が捕獲されないようにはしているらしいが、カブトガニの声はおそらく

「やめてー」

と叫んでいるだろう。

現在ではこの成分を人工的に合成する研究が進められているらしいのでそちらに期待。

カブトガニは飼育できる?

日本では一部の繁殖地が天然記念物指定されているが、個体指定ではなく地域指定の為、飼育自体は違法ではない。輸入カブトガニの飼育をしている人もいる。

見るだけであれば、繁殖地で産卵の観察会が開催されたり、展示を行っている飼育施設もある。

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<出典>

飼育方法

飼育する種類のカブトガニの習性をよく理解して、過ごしやすい環境を整えよう。

飼育環境

  • 単独か同種での飼育がよい。
  • 水陸両用で過ごせるレイアウトが望ましい。
  • 底砂は粒子が細かい砂を選んで敷く。

実際の飼育経験のある人にによると、

飼育する場合の水温ですが、25℃から28℃で飼育して、陸の砂場では甲羅干しができるように爬虫類の飼育で使用するスポットライトの電球を用意してあげるとストレスを与えることなく飼育していけます。

とのこと。

エサ

アサリや人工餌など。

少食なので、お腹いっぱいになったら残りを片付けること。

中国やタイ等、カブトガニを食用にしているところもあるが、美味しくはないらしい

時期によって、フグにも含まれているテトロドトキシンという猛毒が含まれていることがあるのでそこまでして食べなくてもいいのでは、と思う。

まとめ

強靭な生命力で2億年もの間変わらずにいた生きた化石は、結構のんびり屋さんだった。そして、私たちは知らぬ間にカブトガニにお世話になっていた。(ホントやめて。)

人類も、あくせくし過ぎずにのんびりカブトガニを少し見習ってはどうだろうか、と思ってしまう今日この頃であった。

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