みんなに人気のカクレクマノミです。少し小さめで綺麗なオレンジ色。私はスキューバダイビングをしますが、海の中で見るとイソギンチャクとともにそのオレンジが良く映えてとても可愛いです。そんな魚ですが、水槽やアクアリウムで飼育は出来るのか?今日は飼育方法や生態、種類などについてご紹介しましょう。見ることのできる水族館も。
水槽でペットとして飼えるの?
カクレクマノミは観賞魚としての飼育難易度としては、簡単な部類の海水魚です。英語ではClown-fishです。カクレクマノミは体長が最大でも8cm程度にしかならない小型種なので、小さい水槽でも飼育が可能です。また水質の変化にも強く、比較的温和な性格をしています。丈夫で混泳も可能で、初心者の方にもオススメ。イソギンチャクとの共生が有名ですが、飼育が簡単なのはカクレクマノミであって、イソギンチャクのほうが水槽で飼育するのは大変難易度が高いです。しかも、カクレクマノミが好むハタゴイソギンチャクはイソギンチャクの中でもかなりの高難易度で、価格も高いです。せっかく飼うならばイソギンチャクも一緒に飼いたいところですが、こちらは慣れてからにしましょう。カクレクマノミはイソギンチャクがいなくても普通に飼育可能です。飼育に慣れてきたころに、イソギンチャクを入れてみるといいかもしれませんね。
アクアリウムの作り方
水槽のサイズは小さめでも大丈夫ですが、大きいほうが好ましいです。水の量が多ければ多いほど水質を一定に保つのが簡単になります。また水槽の大きさによって飼える魚の数が違います。
- 30cmの水槽ならカクレクマノミ2匹
- 45cmの水槽ならカクレクマノミ4匹
- 60cmの水槽ならカクレクマノミ5匹
初心者の方には45cmか、60cmのものがオススメです。水量はそれなりに多く、かつスペースはそこまで必要としません。しかし、当然ながら小さいサイズの水槽よりもフィルターも強力なものが必要となります。小さいサイズの水槽は水温が変化しやすいです。しかし、水槽が小さいと管理もしやすく、場所も取りません。自分の飼いたいスタイルによって変わってくるので水槽選びもそれぞれの特徴を踏まえた上で選んでください。また水槽にはガラス製とアクリル製があります。ガラス製は重く衝撃にも弱いですが、傷が付きにくく安価です。アクリル製は軽く透明度も強度も高いですが、傷が付きやすいです。また水槽の蓋も使用するようにしましょう。
必要なペット用品
- フィルター
- プロテインスキマー
- 照明
- 人工海水または天然海水
- クーラー、ヒーター
- エアポンプ
- 水槽の手入れセット、水温計、比重計、試験紙など
- 底砂や水槽用のサンゴ、岩など
上記のペット用品などを用意しておきましょう。解説は以下の通りです。
フィルター
フィルターは、カクレクマノミの水槽に残ったエサなどから出たアンモニアを、比較的無害な硝酸塩に分解するためのろ過装置です。海水魚は金魚などの淡水魚に比べて、強力なフィルターが必要と言われています。ですので、30cm水槽なら45cm用のフィルター、45cm水槽なら60cm用のフィルターといったように、大きめのものを使用するといいでしょう。またフィルターにも色々種類があるのですが、景観を気にしないのならば外部フィルター、お金に余裕があるのならばオーバーフローがオススメです。
プロテインスキマー
水槽の中のタンパク質を除去する装置です。高価ですが、あれば水質をよりよく保つことが出来ます。上記2つは水槽を清潔に保つための手助けをしてくれる装置ですが、最も重要なことはこまめに水を入れ替えることです。
照明
照明をつけて、朝と夜を作ってあげましょう。そうすることにより魚の健康にも繋がります。最近はタイマーで自動的にONやOFFする照明も販売されています。またいずれイソギンチャクなどを入れたい場合は、強い照明が必要となってくるのでそういったことも踏まえて準備するといいです。
人工海水・天然海水
天然の海水と同じような成分の海水を作ることが出来ます。日本の水道水は綺麗なので外国とは違って水道水から人工海水が作れます。水道水を使用する場合は水質調整剤でカルキ抜きをしましょう。またお金に余裕があったり、近くに綺麗な海がある方は天然海水を用意しましょう。通販等でも、天然海水は購入可能です。
クーラー・ヒーター
魚によって適切な水温があります。カクレクマノミにとって最適な水温は26度程度です。夏場はクーラーを、冬場はヒーターを使い、一定の水温を保つことで魚の健康も維持されます。もしクーラーがない場合は、夏場の室温が上がりすぎないよう、換気をしておくか、部屋の中でも涼しい場所に設置するようにしましょう。
エアポンプ
水槽に酸素を供給するために必要です。使用するろ過装置によっては必要ないこともあります。ですが、新しく海水魚を入れる際の水合わせや、人工海水を水道水に溶かすときなどに使用することもあるので、あると便利です。
お手入れセット
水槽を清潔に保つことはとても大切です。水替え用のホースや、水槽の内側を掃除するときに使用する、スクレーパー。水替え時に必要なバケツ等用意しておくといいでしょう。水温計や比重計、試験紙で水質もチェックしましょう。またあるといいものとして、
- 底砂(サンゴ砂)。水槽の底面に敷くことによって水槽内のpHを維持する効果があります。しかし、使用するフィルターによってはサンゴ砂は入れないほうがいい場合もありますので、ご注意ください。
- ライブロック。天然の海で採取された岩です。この岩には様々な生物が付着しており、ろ過バクテリアや有益な微生物の宝庫だと言えます。より、自然の海の環境に近づけるためにとても大切です。ライブロックを使用するさいは、海水で洗浄してから使用するようにしましょう。ライブロックを水槽にいれて2~3週間ほど水槽を空回しして、水槽の状態を安定化させてから、飼育するほうが理想的です。
できたら、イソギンチャクやデバスズメダイなどと混泳させてみたいですね。
餌は?
餌には人工餌と生き餌があります。カクレクマノミには顆粒タイプの人工餌がオススメです。1日2回、朝と晩に2~3分で食べ終わる程度の餌をあげましょう。生き餌は、アサリや刺身、ブラインシュリンプ、アミエビなどあります。あげてみて、そのカクレクマノミにあった餌を選ぶことがいいです。また、餌のあげすぎは水槽を汚してしまったりするので、適切な量をあげるといいです。
値段はどのくらい?
飼育出来るカクレクマノミには、天然物と、養殖物があります。天然物は産地により異なりますが、千円弱~数千円。養殖ものは千円前後です。また、飼う数で異なりますが水槽など、用意するものすべてでおおよそ、少なくとも3万円程度必要となります。次は、クマノミの生態や種類についてです。
生息域や生態、寿命など
カクレクマノミはインド太平洋熱帯域のサンゴ礁に分布しています。日本近海では本州中部以南に生息しています。寿命は野生では長くて10年程度ですが、飼育下では長いもので20年も生きます。クマノミはイソギンチャクと共生しており、定住性が強いです。卵を産み付ける場所も住処のイソギンチャクの陰です。食性は雑食性で、小型の甲殻類や付着した藻類を食べます。 メスが卵を産んだあと、オスが新鮮な水を送ったり口でごみを取り除いたりします。
種類
世界には30種類ほどいます。日本では6種類が生息しています。スキューバダイビングでも大人気です。その6種類を簡単にご紹介していきましょう。
「クマノミ」まずは一番標準的。地域によって体色が変わる
白い2本の横帯を持ちます。体色が黄色っぽいのがオスで、白っぽいのがメスです。生まれ育った地域によって体色が変化しやすいです。中には2本の白い横帯以外、体が真っ黒に近い個体もいます。体長は10cmから12cm以上になるものもあり、仲間の中では少し大きめです。
「ハマクマノミ」6種の中で一番気の強い
ハマクマノミは頭の部分にある縦一本に描かれた白い横帯があります。この横帯、幼魚の頃は2~3本で、成魚になると1本だけになります。体の大きさは10cm程度で、体色は6種の中でも暗い方です。アクアリウムで共生できるイソギンチャクの種類は少ないです。タマイタダキイソギンチャクとの混泳が多いです。
「セジロクマノミ」頭にある白い横帯が特徴的
セジロクマノミは名前の通り、背中に1本の太い横帯があります。体長は12cmから14cmと大き目です。性格は少しおとなしく、落ち着いています。そのため、他の種類とも一緒に混泳や共生ができ、スキューバダイビングで海の中では数種類のクマノミを一緒にみることもあります。
「ハナビラクマノミ」淡い綺麗な色が素敵
ハナビラクマノミは体色が淡く白がかったオレンジ色をしています。中にはピンク色に近い魚もいます。背中とえらの部分に一本ずつ細くて白い横帯があります。体長は大きくても9cmほどで仲間の中でも小さく、かわいいです。
「カクレクマノミ」みんなが知っている!
カクレクマノミは、体に3本の横帯があり、体長は7cmほどで仲間の中でも小さいです。
性格はおとなしいです。
「トウアカクマノミ」出会えたらラッキー
トウアカクマノミは珍しいクマノミとして人気です。体の中央に白斑。中には上から見るとハートの形をしていています。頭の部分が赤いことからこの名前が付けられています。体長は10cmから12cm。性格は穏やかなほうです。
まとめ
カクレクマノミの生態やアクアリウムでの飼育方法などについてでした。ぜひ飼育したい魚の人気ナンバーワンですね。種類もいろいろありました。いろいろなイソギンチャクと一緒にアクアリウムで飼育してみたいですね。