亀好きの皆さんでも意外にわからないのが、その雌雄…オスかメスか、その見分け方です。一見わかりにくい、その性別。でも、実はその性別にも見分け方があるのです。この雌雄の見分け方についてまとめています。亀好きな人や飼い主さん必見!?また、卵の時の温度で性別が変わるのかも!
オスメスどっち?外見からわかる性別の見分け方

亀の性別はパッと見ただけではわかりにくいです。その上、爬虫類専門店やペットショップで販売されているカメも性別が明記されていない場合が多いです。そのため、オスかメスかわからないまま飼い続ける人は大変多いと聞きます。見分けがつきにくい個体の場合は専門家の中でも意見が分かれることもあります。専門家に聞いた時の回答。総排泄腔やしっぽの長さの話など、詳しい判別方法は後述します。
新説・ニオウとジロウの性別
— あみあきひこ🎨漫画家 (@amiakihiko) November 4, 2020
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ですが、ちがいをよく観察すれば見分けられないこともありません。わかりづらくはありますが、以下で挙げるポイントを参考に総合的に判断し、性別のチェックをしてみてください。カメにも色々な種が存在しますが、性別の判定については共通する部分も多いため、この記事の内容は様々な種類にあてはめて考えることができるはずです。では実際に、「どんな見分け方ができるのか?」その方法をお伝えします!
子亀の場合は判別は難しい。

子どものカメは体がまだ充分に育っておらず、オスとメスの区別がつきにくいです。性別を判別するのは生後1年以上経ち、成体になってからの方がわかりやすいでしょう。
複数のカメを見比べると違いが分かりやすい。

1匹だけ見てもわかりづらい特徴はあります。多頭飼いをしていて複数のカメを観察する機会がある人は、それぞれの特徴を比較してみると性別の判断がつきやすくなります。
総排泄腔の位置の違い。外に出ているのがオス、甲羅の内側にあるのがメス。
カメのしっぽの裏には「総排泄腔(総排出腔ということもあります)」というくぼみ、穴があります。これは爬虫類や両生類、鳥類、魚類などに多く見られる器官で、直腸や排尿口、生殖口を兼ねた器官です。その位置が性別によって異なります。体を裏返してしっぽを見た時、総排泄腔が甲羅に対して外側に出ているのがオスで、甲羅側についているのがメスです。具体的には、オスの総排泄腔はしっぽの付け根からおよそ1/3程度の長さのところにあります。メスの総排泄腔はこれよりもしっぽの付け根に近い場所にあり、甲羅のふちの近くか、それよりも内側の位置にあることが多いです。その位置で見分ける方法は比較的わかりやすいとは言われておりますが、個体によっては甲羅が短く判別しづらい場合もあります。他の判別法とあわせて考えてみるといいでしょう。
尻尾が太くて長いのがオス、短いのがメス
オスとメスでしっぽの長さや太さも違います。太くて長いのがオス、それに比べて短いのがメスです。しっぽの長さのちがいは単体だとわかりづらいですが、オスとメスを並べて比較するとその違いがハッキリわかります。

しっぽの長さでウミガメの性別を見分けるという説明を展示していた水族館もあることから、しっぽによる性別判定はカメにおいては割とメジャーな方法なのかな、と筆者個人としては考えています。尻尾の長さや太さについてはカメの種類によって異なりますが、ニオイガメは特に違いがわかりやすいです。しっぽをひっこめて甲羅の内側にたたんだ時、オスの場合は後ろ足につきそうなくらいしっぽが太くて長いです。
甲羅が少し短いのがオス、少し長いのがメス

成体のカメの甲羅の長さ、大きさで雌雄を区別する方法もあります。甲羅が少し短いのがオスで、少し長いのがメスです。体もメスの方がオスよりも大きい傾向にあります。ただし、この判別方法には難点があります。一つ目はまだ成長段階にあり体が大きくなりきっていない亀をオスだと勘違いしてしまうことがあるということ。二つ目は体の大きいオスや体の小さいメスの場合はこの方法で判別がつかないということです。体の大きさはあくまでヒント程度にとどめておき、他の判別方法とあわせて考えるのがいいでしょう。
腹甲がくぼんでいるのがオス、平らなのがメス

裏返した時、おなかの部分にある甲羅を「腹甲(ふくこう)」と言います。この腹甲が少しくぼんでいるのがオスで、平らなのがメスです。カメはメスの体の上にオスが乗る形で交尾しますが、交尾の時にメスの体の上に乗りやすいようオスの 腹甲は少しくぼんだ形状になりました。
ツメが長いのがオス、短いのがメス

ツメの長さも性別によって異なるようです。オスはツメが長く、メスは短い傾向にあります。これはオスが求愛行動や縄張り争いでツメを使うためです。特にアカミミガメの場合はツメの長さにはっきり差がでます。ツメの長さの差はしっぽの長さ同様、単体では区別しづらいため、複数のカメを見て比較するといいでしょう。
性格がやんちゃなのがオス、おっとりしているのがメス?

カメが大好きな人の中にはオスとメスで性格に少し差がある、と話す人もいます。好奇心旺盛でやんちゃなのがオス、比較的大人しいのがメスです。これはどの動物にも当てはまることですが、オスは縄張り意識が高く、好戦的だったり元気だという傾向があります。しかし、カメは種類によっても性格の傾向が異なる動物です。性格には個体差もあるため、一概に「オスがやんちゃ」と決めることはできないでしょう。あくまで一つの目安にしてください。
卵を産めばメス、単体飼育でも産む

タマゴを産むことがあります。カメの場合、交尾していないメスが無受精卵を産む場合があるので、単体飼育でもタマゴが産まれている、ということがあります。卵を産んだ個体は確実にメスです。ただし、すべてのメスがタマゴを産むわけではありません。産卵しないからといってオスだと断定することはできませんので、その点は念頭においてください。栄養状態や発育状況、冬眠による繁殖機能の活性化が産卵に関係するようであり、条件がそろっていない場合はメスでも産まないことがあるのです。ちなみに筆者はメスだと思われるカブトニオイガメとミシシッピニオイガメを6年以上飼育していますが、産卵を見たことは一度もありません。産んだらメス確定、でも産まない=オスではない。
ニオウ・ジロウは人からもらい4年近く飼ってるわけですが最近 雌雄を知りました
— あみあきひこ🎨漫画家 (@amiakihiko) August 18, 2019
カメは今 何を思う【13】オス?メス?~ニオウジロウはじめての動物病院 – あみあきひこ漫画描きブログ #カメは今何を思う #あみあきひこ #カメ好きと繋がりたい #漫画家志望さんと繋がりたいhttps://t.co/bpVBkWyVGH pic.twitter.com/299mKg8VwG
ちなみにカメには産卵時期があり、一般に春から夏ごろです。クサガメは6~7月、イシガメは5~8月、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は4~7月、ミシシッピニオイガメは5~8月、カブトニオイガメは4~6月、ホシガメは4~11月など、種類によって時期はちがうため要注意です。また、産んだ後に「卵詰まり」や「卵管脱」などの病気になってしまう個体もいるので、産卵後のメスの様子は特に気を付け、異常があれば動物病院で受診するようにしましょう。
わからなければ専門家に聞く

色々な判別方法をお伝えしましたが、自分で見てわからなければ、専門家に聞くというのも一つの方法です。カメも扱っている動物病院の獣医さん、爬虫類専門のブリーダーさんなどに生体を見せ、尋ねてみるといいでしょう。ただし、前述のように、聞いた人によって意見が分かれてしまう場合もありますので注意してください。
最終的には遺伝子検査

一番確実なのは遺伝子検査による性別の確認です。遺伝子を見てしまえば性別はすぐにわかると獣医師の先生に聞いたことがあります。問題なのは、遺伝子検査は個人が気軽に行えるものではないということです。このような専門的な検査は動物病院でも行っていない可能性もあります。エキゾチックアニマルの場合はなおさらです。そこまでしなくても性別の判別はできるだろうと思いますが。
卵の時の温度で性別が変わる

卵の巣の中の気温で雌雄が決定するのでしょうか?また、気候変動によって、どちらか一方の性の亀のみになってしまって絶滅してしまう心配はないのでしょうか?調査していきます。
卵が低温で育てばオス、高温ではメスになる。

これはカメが産まれる前の話ですが、「温度依存性決定」と言って、卵を育てる温度によって産まれる子亀の性別が変化するのだそうです。低温だとオスが、高温だとメスが産まれます。温度の基準はカメの種によって変わりますが、例えばウミガメの場合は29℃がオスとメスの境だと言われています。29℃より低温で育った卵だとオスが産まれる比率が高く、高温で育った卵だとメスが産まれる比率が高く、29℃で育ったタマゴだとオスとメス両方が産まれます。
亀のオス・メスは、どうやって決まるかご存知ですか?実は、産卵~ふ化(誕生)までの間の、周りの砂の温度で決まるんです。海遊館にいるアカウミガメの場合では、砂中温度が26℃~28℃:全てオス。30℃:60%~70%がメス。32℃~34℃:全てメス…という報告があります。これは「温度依存性決定」という仕組みです。は虫類、特にカメとワニでよく見られます。(全ての種に当てはまるわけではないです)砂の温度で性別が決まるということは…温暖化によって、亀たちの性別のバランスが崩れてしまうのでは?と心配されています。また、ウミガメは、一度に100個くらいの卵を産むそうですが、ふ化した仔ガメが海にたどり着くまでに海鳥やキツネなどに食べられてしまう事も多く、大人になるのは数千匹に1匹くらいと一般的に言われています。さらに心配は他にもあります。本来、仔ガメたちが生まれる海岸は真っ暗なので、陸側に比べて海の方が明るく見えます。だから、明るさを目印に海へ向かって行きます。でも、仔ガメたちの近くを車が行き来していたら?街灯が輝いていたら?仔ガメたちは、行き先を間違えてしまわないでしょうか。今日は、亀について考えようという「世界カメの日」。子どもの頃から「カメが好き!」という方は多いと思いますが、今晩は少し、カメのことを思い出してみませんか?(^^)
引用:海遊館 OSAKA AQUARIUM KAIYUKAN (JAPAN)
しかし、アメリカの科学誌ではカメの胚はタマゴの中を動き回ることで自身の性別決定をある程度コントロールしているとする論文も発表されています。そのため気候変動により、どちらか一方の性別の亀だけになって絶滅してしまうという心配はないようです。タマゴの温度による性別の区別も一つの基準にはなりますが、100%ではないと思っておいた方がいいでしょう。
まとめ

ということで、カメの性別の判別方法について皆さんにお伝えしました。卵時代の温度で性別が変わるのも驚きでした。飼っているカメのことが少しでも多くわかれば、一層愛着もわくものと思います。繁殖には興味がない、という人も、これを機会にカメの性別を見分けてみてください。