最近、個性的な動物をペットにして飼っている人が多くなってきました。そして、テレビの番組などで紹介されているちょっと変わった動物たちを見て、自分でも飼いたいなぁ~と思うのは、僕だけではないはずです。そんなちょっとマニアックな動物好きの間で、今かなりホットな動物がいます。それは、「コアリクイ」と言われる動物です。よく聞く名前だけど、実際どんな動物か知らない、という方も多いと思います。そこで今回は、その実態と、その生態を調査し、実際に自分で飼うことができるのかを紹介します。
どんな動物?生態は?
コアリクイとは有毛目アリクイ亜目オオアリクイ科コアリクイ属に分類される動物をまとめた呼び名で、正式にはキタコアリクイ(Tamandua mexicana)とミナミコアリクイ(Tamandua tetradactyla)の2種類が確認されています。ちなみに、有毛目に分類される動物は、このアリクイの仲間と、ナマケモノの仲間です。つまり、アリクイとナマケモノの仲間ということですね。コアリクイを含むアリクイの仲間は、名前の通りアリやシロアリを食べることから名づけられ、漢字では「蟻食」や「食蟻獣」と表記されます。英語でも「anteate(アントイーター)」となっていて、台湾でも「螞蟻食(マァイースゥ)」と、まさに蟻を食べるという意味の言葉で呼ばれています。夜行性で、熱帯雨林などの森林や、サバンナの草原の樹木の上を住処とし、夜になると尻尾を上手く使って木々の間を移動するようです。基本的に単独で行動しますが、生後1年間ほどは、母親の背中の上に抱き着いてほとんど離れません。ですが、エサを取る時などは、母親は子どもを安全な場所に下すそうです。母親も大変ですね。特徴として、ノンスリーブのタンクトップを着たような身体の模様や、大きな爪が掌に当たらないように前脚の外側を使って歩く姿が挙げられます。
生息地
キタコアリクイは、メキシコの南部から南アメリカ大陸の北部にかけて生息しています。一方、ミナミコアリクイは南アメリカの北部から中部に生息していて、ブラジルやコロンビア、ボリビア、ベネズエラなどの国で見ることができます。
大きさ
ミナミコアリクイは成長すると、尾を含まない体長が88cm程となり、体重が8.4kg程となります。キタコアリクイは成長すると、尾を含まない体長が83cm程となり、体重が8.4kg程となります。どちらも、ほとんど同じ大きさです。
餌
アリクイの仲間の特徴と言えば、やはりその食生活と、細長い舌でしょう!野生のコアリクイは基本的にアリとシロアリのみを食べて生活しています。一説には、一日に3万匹ものアリを食べるとか。そのため、前足の爪は鋭く丈夫で、木に登る時に使ったり、地下にあるアリの巣をほじったり、壊したり、樹上のアリの巣に穴を開けます。また、アリを効率よく食べるために、舌は非常に細長くなっていて、アリの巣の中に舌を入れてくっついたアリを食べます。ちなみに、アリだけを食べて生活できるのかなぁ~と思い調べてみたところ、アリはとても栄養豊富で、必須アミノ酸をはじめ、タンパク質、ビタミン類、ミネラル類がしっかりと含まれていました。さらに、牡蠣やウナギに多く含まれ、体の酵素の活性化や新陳代謝を促す働きをもつことで有名な「亜鉛」を多く含んでいるのです。そのため、アリは生薬として使われることが多く、中国では約10種類のアリが薬用に利用されているそうです。なので、きっとすごく健康的な体をしていることでしょう。アリ以外では、小さな昆虫や果実なども少しながら食べるようです。しかし、コアリクイの口には歯がなく、口を大きく開けることもできないので、やはりアリを食べることに特化した口と舌なのですね。
寿命
動物園での飼育下でのコアリクイの寿命は8年~10年です。17歳まで生きたという記録もあります。ちなみに、オオアリクイのほうが長生きで、野生での寿命は14年~16年、飼育下では20年前後です。31歳まで生きたという記録もあります。
人気の秘密!可愛い威嚇とは?
食生活、可愛い歩き方、細長い舌など個性的な特徴がたくさんありますが、今すごく人気となっている最大の理由は別にあります。それは、威嚇のポーズが可愛過ぎることです。威嚇というと、自らの力を誇示することで相手を脅かし、同時に自分の身を守ろうとする行為で、一般的には威嚇の行為をされると萎縮したり驚くものです。例えば、ハリネズミやフグをイメージすると分かりやすいですね。しかし、幸か不幸かコアリクイの威嚇は僕たち人間にとっては全く効果がなく、逆に好感を抱くものになってしまっています。そんな威嚇の様子のネット映像がこちらです。
皆さん、どうでしょうか?怖いですか?僕としては、威嚇というよりも、「抱っこして~」に見えますね。この仕草が人気となり、今では動物園の人気者となったり、ペットにしたいという方が増えているようですよ。
どこの動物園にいるのか?
まず、野生のコアリクイの生息地は上述したとおり北アメリカ大陸の南部もしくは南アメリカ大陸の北部から中部にかけてなので、日本で野生のコアリクイをお目にかかることはできません。では、日本の動物園にはいるのか?はい、います!日本では、
- 埼玉県こども動物自然公園 (埼玉県)
- 上野動物園 (東京都)
- 千葉市動物公園 (千葉県)
- 伊豆アニマルキングダム (静岡県)
- シャボテン公園 (静岡県)
- 東山動物園 (愛知県)
- 神戸どうぶつ王国(兵庫県)
- わんぱーく (高知県)
- のいち動物公園 (高知県)
- サンシャイン水族館 (東京都)
で飼育されているようです。埼玉県こども動物自然公園にミナミコアリクイを見に行きました。木の上でじっとしていて、なかなかこちらを向いてくれません。
ずいぶんと待った後に、やっと木から降りてくれました。ゆっくりとした動きです。
そのあと、小屋に入っていきました。それでは、ペットとして個人で飼育できるのでしょうか?
ペットにできる?
しかし、動物園で見るのでは満足できない!もっと愛でたい!自分でペットとしたい!という方も当然いるでしょう。大丈夫です。日本では、特別な許可が無くてもコアリクイをペットとする事ができます。しかも、比較的簡単なようで、いくつか注意点はあるようですが、基本的にコアリクイ特有の臭いさえ我慢できれば問題ないようです。
なつく
子供のころから飼育すると、飼い主の腕に手や足、尻尾を使ってしがみつきながら人懐っこく甘えてきます。コロコロ転がりながら、甘える姿も可愛いです。
飼い主さんの足元に寄ってきて、靴を登ろうとしたり、腕までよじ登ってきてます。
購入する際の値段は?
それでは、ペットとして購入したいという方が気になる問題。それは、お値段はいか程なのかということです。普通のペットショップでは手に入らないので、専門的なお店で買うことになると思います。僕が今回調べたところ、一匹で数十万円は普通のようです。僕が見つけたサイトでは、キタコアリクイが¥798,000でした。かなり高いように感じますが、日本には生息していない動物で、しかもあれだけ可愛い仕草をされると、安いと感じる人がいるかもしれませんね。どうしても飼いたい!という方は是非【コアリクイ ペット】で検索してみましょう。
まとめ
それでは最後に、まとめてみると、
- ナマケモノと同じ有毛目の仲間で、キタコアリクイとミナミコアリクイの2種類が確認されている。
- 野生では中央アメリカや南アメリカ北部の森林やサバンナの草原に生息
- 主に樹上で生活し、尻尾や爪を器用に使って移動する
- 主食はアリで、口や舌はアリを食べるために特化している
- 威嚇の時のポーズが大変可愛く、絶大な人気をもつ
- ペットとして飼うこともできるが、お値段は数十万円と高額
現在、鰻上りの人気を誇っています。ペットとして飼うには少々お高い値段設定ですが、もし購入できた方は是非近所で自慢しましょう!コアリクイと散歩すれば、一躍スターです!また、ちょっと高くて買えない…という方は、飼育されている動物園は何ヵ所もあるので、そちらで癒されましょう。