世界的に「百獣の王」としても有名であり、一般的に最も強い動物のイメージが強いライオン(英語ではLion、漢字では獅子)。オスの外見はたてがみが非常に特徴的で、品位さえ感じさせます。この記事では、
- 生態
- 人間との関係
- 種類
- 絶滅危惧種?
について、ご紹介します。意外と知らない実態に気付けるかもしれません。
生態は?

他のネコ科の動物にはあまり見られない社会性を持っており、メスと子供、そして少数の成熟したオスがプライド(群れ)を形成して生活しています。賢く性質が他のネコ科よりも比較的穏和なため、ヒトを襲うことはほとんどないと言われています。
生息地。

野生では、サハラ砂漠以南のアフリカ大陸から、インド北西部にかけて広く分布しています。アフリカでは、影のできるアカシアの木がまばらに生えているサバンナの草原地帯に生息しています。インドでは、乾燥したサバンナかさらに乾いた落葉樹林の中に生息しています。
大きさ

ライオンは別名シシ(獅子)と呼ばれ、ネコ科ではトラに次いで2番目に大きな動物です。体長は、オス170 – 250cm、メス140 – 175cm。体重は、オス150 – 225kg、メス120 – 182kg。オスは体重250kgを超えることもあります。また、大きいものでは体長3mを越す個体も…。基本的に緯度が高い地域ほど大型になり、気温が暑い地域ほど体格が小柄になり鬣も小振りであまり発達しなくなると言われています。
餌。

食性は肉食です。主要な獲物はインパラ・ガゼル・イノシシ・シマウマ・ヌー・スイギュウなどで、生息地域によって差があります。空腹などの状況によってはキリン・ゾウ・カバ・サイといった大型動物やヤマアラシ・ラーテル・ダチョウ・ヒヒといった狩るのに苦労が多い動物も標的となることがあります。狩りは基本、メスが集団で行います。何匹かのメスが集い、目当ての群れを数箇所から囲い込むのが典型的な狩りのスタイル。一気に襲いかかり、最後の一跳びで獲物を捕まえます。一般に大食いであり、一度に30kgの肉を食べ、獲物を食べきれない時には数時間に分けて食べます。成獣はメスで1日におよそ5kg、オスで7kgの肉を必要とすると言われています。
寿命
ライオンは動物園などで飼育下においては20年程生きる長寿動物です。野生での寿命はより短く、特にオスが10年以上生きることは稀だといいます。
かわいい赤ちゃん。

赤ちゃんは体重が1.2kgから2.1kgほどでおよそ1週間は目が見えない状態。生後1~2日で這いずり回るようになり、3週間程度で歩き回ることができるようになる。百獣の王と呼ばれるほどの強大な力を持つライオンだが、ハイエナなどの捕食などによって、命の危険にさらされることが少なくありません。誕生した子どものうち1年以内に死ぬ割合は全体の60%・2年以内だと割合は80%にも達し、無事に成長する個体はほんの僅かだけです。
繁殖。

4歳頃に受胎が可能となり、妊娠期間は平均110日。メスはプライドの場所からやや離れた、他の動物の目につかない巣穴で1頭から4頭の幼獣を産みます。
実は絶滅危惧種?
日本でも数多くの動物園やサファリパークで観ることのできるライオンですが、実は絶滅した種類もいますし、絶滅危惧されているライオンもいます。多くの個体は東アフリカと南アフリカに生息しているが、その数は激減しており、20年間で30-50%まで数が減っています。生息地の減少と、工業化や、森林開発、道路建設などの開発が種を脅かす最大の原因と考えられていますが、個体数が回復することはおそらくないと言われています。アフリカで生息数が減っているという事実が明らかになると、それを食い止めるために幾つものプログラムが組まれるようになりました。
<絶滅危惧種>
- インドライオン
- バーバリライオン(野生のみ絶滅)
- トランスバールライオン(ホワイトライオン)
- セネガルライオン
- アンゴラライオン
- コンゴライオン
- マサイライオン
<絶滅種>
- ケープライオン
- スリランカライオン
- ヨーロッパライオン
- ヨーロッパホラアナライオン
- アメリカライオン/カリフォルニアライオン (クーガーの別名ではない) ヨウシトラ
最強動物である理由

プライドという群れを形成し、大きなたてがみを持つオスが強そうに見えることが、最強動物といわれる理由です。そのため、先ほども述べた通り、古代から、百獣の王とされ王者の象徴とされてきました。また、ゾウやカバなどほかの大型で最強といわれる動物を捕食することがあることも、最強と言われる理由です。食物連鎖の頂点に立っています。さすがのライオンも、同じアフリカ大陸に生息するラーテルだけには手を焼くようです。
関する文化。

猛獣としての力強さと威風堂々たる姿から、王者の象徴とされてきました。キリスト教やイスラム教の国々においてライオンが様々な王朝の旗や紋章、美術のモチーフとして用いられています。古代エジプトでは人の顔、ライオンの体、鷲の翼を持つスフィンクス、獅子の顔を持つ神々(セクメト、バステト、テフヌト)として神格化されていました。日本の狛犬や沖縄のシーサーもインドでライオンを意匠化した石獅子(中国語版)が中国経由で伝わったものと考えらています。
動物園で見れる?

東武動物公園や、よこはま動物園ズーラシア、福岡市動物園、札幌市円山動物園、静岡市立日本平動物園など、全国ほとんどの動物園でライオンを見ることができます。大人気のライオンを見るために動物園に行くようなものですからね。
まとめ
食物連鎖の頂点に立ち、最強動物であるため、百獣の王と呼ばれています。また、古代から王者の象徴とされてきました。プライドという群れを形成し、大きなたてがみを持つオスも強そうに見えました。生息地は広く、いろいろな種類がいますが、すでに絶滅してしまったり、絶滅危惧種となっているライオンもいました。アフリカやインドでの開発や生息地の減少が、その原因でした。