個性豊かなフクロウたちの中でもとりわけ特徴的なのが、メガネフクロウ(英語ではSpectacled Owl)です。どんな風に特徴的なのでしょうか?脚が大きいとか?顔が怖いとか?それとも尻尾が長いとか?今回ご紹介するメガネフクロウは、まるでメガネをつけているようなんです!
特徴や生態は?

メガネフクロウの特徴はなんといってもメガネをかけているみたいな顔。フクロウやミミズクには、目のまわりに耳のような羽が生えています(これは羽角と呼ばれます)。ほとんどの種類は、その羽が生えていても目の上だけだったり、顔の色と同じであまり目立たなかったりするのですが、メガネフクロウは一味違うんです。その顔は黒っぽい茶色の短い羽毛で覆われているのですが、羽角の色はなんと白。しかも目の上下に生えているんです!名前の通り、見てみると「確かにメガネだ!」って思ってしまいます。さらに、幼鳥のころは顔の色が白で、メガネのような羽角が黒。「ナチュラル黒縁メガネだ!」って思ってしまいました。黒縁から白縁に進化するわけですね。大学の学者みたいに見えます。瞳の色は黄色で、体の羽毛は背中のほうがこげ茶、おなかのほうがクリーム色になっています。フクロウの中では比較的、はっきりとした色合いの羽毛だといえるでしょう。中には渡り(冬に暖かい場所を求めて南下したり、夏に涼しい場所を求めて北上したりすること)をする種類もありますが、メガネフクロウは渡りを行わず、一年中似通ったところで過ごします。英語では「Spectacled Owl」。直訳すると「メガネをかけたフクロウ」。やっぱりメガネなんですね!
ハリーポッターで有名。その名前は?

さて、ハリー・ポッターと同級生のなかに、ロン・ウィーズリーという男性がいます。彼は魔法族であるウィーズリー家の六男です。ホグワーツ魔法魔術学校のグリフィンドール寮にいて、同級生のハリー・ポッター、と親友になります。ここで問題です。ウィーズリー一家と共に長年過ごしてきた生き物はなんでしょうか?そう。「メガネフクロウ」です。
・名前はエロール
ロン・ウィーズリーはそれに「エロール」という名前をつけていましたね。ちょっと知的な感じのするフクロウですね。
大きさはどのくらい?

メガネフクロウは中型種に分類されます。体長は40~50cm、体重は500~900gほどです。900gというと、サッカーボール二個分くらいの重さです。
餌は?

メガネフクロウは夜行性で小型のほ乳類や昆虫、カエルなどの両生類を食べています。
寿命は?

メガネフクロウの寿命は飼育下でだいたい30~40年ほど。とっても長い間、一緒にいられます。
生息地
メガネフクロウは北アメリカ大陸のメキシコから、南アメリカ大陸のブラジル、パラグアイ、アルゼンチンなどの熱帯雨林に住んでいます。木々の生い茂った森林地帯や、木の多い林、河川付近の木の連なっているところに巣を作ることが多いようです。
鳴き声は?

さて、こんなに特徴的なメガネフクロウ。一体どんな鳴き声なのでしょうか?
まわりの音の中に混じって、「キョーウ!」という高い声で鳴いているのが聞こえますか?鳴くときに首のあたりを縦に伸ばしているので、動きに注目しながら聞くと、聞き取りやすいかもしれません。さて、ヒナの鳴き声はどんな感じなのでしょう?
大人のフクロウとしてはまだ白縁が足りないかな?といったような風貌です。最初に聞こえる「ほーほーほーほー」という声はおそらく人のものでしょう。そのあと、「ビービービー!」と可愛らしく鳴いています。鳴き声の愛らしさもそうですが、このもっふもふ具合……。フクロウ好きとしてはたまらないですね!
ペットとしての注意点は?
メガネフクロウはとっても好奇心旺盛です。ペン立てに入れてあるペンを一本一本くちばしで引き出したり、ティッシュで遊んだり、ほかにも室内にあるものすべてが遊び道具になります。
(例えばこんな動画も……)。ですので、飼育する際は専用の一部屋を用意し、いたずらされたくないものは別の部屋に置いておいたほうがいいでしょう。人に懐き、丈夫な種類ではありますが油断は禁物!飼育するさいは、仲良くして、関係性を築いていってあげてくださいね。
性格は?なつく?

部屋の中の切り株に留まって、落ち着いて飼い主の方を興味津々に見つめています。

性格は好奇心旺盛で、飼育すると飼い主に懐きます。
可愛いしぐさ。
人に懐いたメガネフクロウの可愛いしぐさについてご紹介します。たとえば人になでなでしてほしい時。こちらを伺いながらちょこちょこと近づいてきて、じっと見つめたあと、遠慮がちに頭を下げるんです!以前行ったフクロウカフェで実際にこのしぐさをみたのですが、もうその時点でめろめろになってしまいました。ほかにも顔の周りを足でかきかきしたり、指を甘噛みしたり、いろいろなかわいいしぐさがあります。どうぞみなさんも、その魅力を存分に味わってくださいね。
値段は?

希少種なので、お値段は少々お高め。60~70万円はするようです!
どこに行けば買える?
専門店や、猛禽類を扱っているペットショップ等で購入することができます。フクロウカフェ等で生体販売を行っているところもあるので、ぜひお店の人に問い合わせてみてくださいね。問い合わせをして、予約をして、実際に受け取るまでに少々時間がかかります。その間に、飼育することのできる環境を整えて、最高のお迎えになるようにしてあげてください。
出会える動物園などの場所

さて、ここまで紹介してきましたが、いかがでしたか?見た目も、とってもユニークです。「実際に会ってみたい!」と思うかもしれません。そんな方のために、メガネフクロウに出会える場所をご紹介しますね。
フクロウカフェ クルー (https://www.fukuroucafe-crew.com/)
大阪府にあるフクロウカフェ。店内には常時8~10羽のフクロウがおり、生体販売もしています。その姿を楽しみながらお茶と軽食でまったり。そのあとふれあいタイムでほっこり。とっても素敵な空間ですよ。メガネフクロウは成鳥とヒナ、どちらもいるようです。
ふくろうの家(http://fukurou.info/Houseofowl/)
こちらは茨城県にあるフクロウカフェ。常時18~20羽のフクロウがおり、生体販売もしています。テーブルからたくさん見える、圧巻のカフェ。ふれあいも可能ですが、きちんと店員さんの指示に従いましょう。フクロウが喜ぶこと、嫌がること、きっと知ることができるはずです。大阪市天王寺動物園や京都市動物園でもメガネフクロウを見ることができます。
まとめ
私はメガネを掛けているので、メガネフクロウにはなんとなく親近感を感じてしまいます(笑)大学の学者みたいにも見えますね。好奇心旺盛で、飼い主に懐きました。