それぞれのフクロウやミミズクがとっても個性的で、ユニークな特徴を持っています。けれど、その中でもさらに目立つのが一羽います。それが「メンフクロウ」(英語ではBarn owl)です。実はこれ、一部の方には「怖い」って言われる顔つきをしているんです。では、どんなところが怖いのでしょうか?それも含めてご紹介していきますね。大きさや寿命などの生態に加えて、ペットとして飼う際に気を付けたいことについても説明します。
生態は?
冒頭でも言ったとおり、一部の人には「怖い」と言われる顔立ちをメンフクロウはしています。私はもう、この顔は高貴な感じがして、美しくてたまらない魅力だと思っているのですが、試しに「怖い」というかたがたに「どこが怖いのか?」と聞くとこんな声が返ってきました。「顔がべりってとれそうで怖い!」これを聞いた瞬間、笑いとともに思わず「なるほど!」と手を打ってしまいました。確かにこれは、顔の模様がほかのフクロウとだいぶ違うんです。まず、顔は真っ白な羽毛に覆われており、林檎を縦にしたような形をしています。そして顔の周りをミルクティー色の短い羽毛が縁取っているんです。目はつぶらな丸い形で、瞳の色は黒色。さらに、くちばしは薄い黄色なのですが、そのほとんどが短い羽毛で覆われています。そう、この縁どり。これがメンフクロウの「メン」の由来となった「お面」っぽい印象を与えた理由であり、「顔がべりって取れそう!」と言われる理由でもあります。確かに顔がべりって取れそうな動物って怖いですよね。
完全な夜行性です。確かに私が以前行った掛川花鳥園では、ずーっと目を閉じていた気がするなぁなどとしみじみ。夜間の活動的なところも見てみたいですね。
ブラックメンフクロウもいるらしい!
ちなみに背中がわは淡い茶色と灰色と白のまだら模様で、とても複雑かつ美しい模様の羽毛が密集しています。おなかにはもふもふの白い羽毛と茶色の斑点。足首まで白い羽毛に覆われているんですよ。余談ですが、色味がそのまま焦げ茶色になっている「ブラックメンフクロウ」なる種類も存在するのだとか……。
ブラックメンフクロウは
— きのこダディ(ロケット団) (@masked29jacuzzi) May 8, 2017
黒豹やコクチョウなんぞの
黒い(色の濃い)動物と同じ
メラニズム。
メラニズムっちゅーのは
遺伝子の突然変異により
色素を多く持って生まれた
黒い(色の濃い)動物の事で
逆に
色素が少ない状態で生まれた
白い(色の薄い)動物を
アルビノっていいます。 pic.twitter.com/jToFCppGYr
メンフクロウを怖いと思う方にはさらに怖いかもしれません。ちなみに、その怖さを克服する方法を知っていますか?ズバリ「横から見ること」。横から見ると、「はがれそうだな」って思っていた部分がきちんとつながっていることが確認できます。この画像はイスパニオラメンフクロウです。
ハイガオメンフクロウと呼ばれることもあります。顔の色が灰色っぽいです。
大きさは?
メンフクロウは中型種に分類されます。大きさはだいたい25~40cmほど。体重は200~500gほどです。ワイシャツ一枚が200g程度なので、ワイシャツ二枚分くらいの重さです。さすが空を飛ぶだけあって軽いですね。
餌は?
猛禽類なので肉食です。小動物などを餌として食べます。そして鋭い爪をもっています。
寿命は?
メンフクロウの野生での寿命は約4年と短いです。飼育下では15~20年ほどです。
生息地
メンフクロウは南アメリカ、北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、東南アジアなど、様々な場所に生息しています。また、色々なところに生息しているからか、人との交流は多々あります。たとえば畑の近くに巣を作ることのできる場所を設置したり、納屋に巣を作ったり。英語では「Barn Owl」と呼ばれており、直訳すると「納屋のフクロウ」なのだそうです。そういうところも繁殖数の多い理由の一つです。
鳴き声は?
メンフクロウはとってもユニークな顔をしています。いったいどんな風に鳴くのでしょうか?動画をご紹介しますね。
これはびっくり!「ホーホー」という穏やかな感じの鳴き声ではなく、「ギューギュー!」と鳴いています。呼び鳴きや餌鳴きの時はもっと大きな声で鳴くこともあります。ヒナのころの鳴き声は、あんまり大人の鳴き声と変わらないです。
ペットとして飼育するときに気を付けることは?
さきほども言いましたが、メンフクロウはとってもデリケートです。可愛らしいですし、もふもふしているので触りたくなる気持ちはとってもとってもとーってもわかるのですが、最初のうちはそれはぐっと我慢しましょう。
なつく?
その名前の通り、小屋や納屋の中にいることが多いです。天井からじっと見つめていますね。
よほど、人と一緒に暮らしたいんですね。まずは飼い主さん自身が、メンフクロウが危険な生き物ではないということをちゃんと理解してもらわないといけません;;そうして関係性を築いて育てていけば、懐いて、きっとそのあたまをもふもふなでなでさせてくれる日もきっと来るでしょう!
また、爪はとても鋭いので、腕に乗せたりするときは手袋が必須です。なついたら、腕を見せると、腕に寄って来たり、安心して肩や足の上に乗ってきます。
性格は?
気性は比較的穏やかで、温厚な方だといわれています。その一方でとってもデリケートなんです。ストレスに弱い一面もありますので、飼育するときは十二分に注意してくださいね;;
雛も、かわいい!
メンフクロウの赤ちゃん(雛)もかわいいです。見方によっては、宇宙人のようにも見えます。こちらはお店に一緒にいることが多いので、お店の人と相談しながら購入していきましょう。ヒナのころから育てると、人に懐きやすくなります。
値段はどのくらい?
値段はだいたい10~20万円ほど。人気が高く、繁殖数も多いため、ほかの種類と比べてリーズナブルな価格となっています。
どこで販売されているの?
メンフクロウは猛禽類を扱っているペットショップや、専門店などで販売されています。そのほか、ネットでも予約ができたりすることがあるので、ぜひ調べてみてくださいね。
出会える動物園や場所
ここまでご紹介してきましたがいかがでしたか?最初は怖いなって思っていても、見ているうちに段々と愛着がわいてきたのではないでしょうか。そんなじわりじわりと後からきいてくるメンフクロウに会える場所をご紹介しますね。
掛川花鳥園(http://k-hana-tori.com/)
言わずと知れたフクロウ愛好家の聖地、静岡県の掛川花鳥園。ほかにも富士花鳥園や神戸花鳥園等があり、そのどれにもメンフクロウがいます。入場してすぐのケージの中に複数羽、イベントスペースの止まり木に複数羽。夜行性なので眠そうな顔をしているメンフクロウが大半ですが、それでもその眠そうな顔がまた可愛いんです!また、バードショーなどでメンフクロウが飛ぶ姿を見ることができたり、一緒に写真を撮ることができたりもするので、一緒にすごした思い出を残してみるのも楽しいと思います。
埼玉県こども動物自然公園では厩舎の中の柱の上に普通にメンフクロウがとまっています。
まとめ
メンフクロウは、ちょっと怖く見えるけど、よく見ると可愛いです。鳴き声もちょっとほかのフクロウと違っていて「ギューギュー」でした。飼育すると懐きました。雛も可愛かったですね。私は特に好きで、とっても熱く語ってしまいました。