今や希少な動物たちがどんどん絶滅に瀕しています。さまざまな開拓や開発、気候の変化など環境問題などが、絶滅の危機となる原因です。そこで絶滅危惧種の中で、モウコノウマ(英語ではPrzewalski’s wild horse)について考えてみました。
どんな動物?生態は?
出典:PIXTA
馬は古くから荷物を運んだり人を乗せたりと、人間の暮らしに役立ってきました。そのため、「より速く走るように」とか「いっぱい荷物を運べるように」と改良が重ねられてきたのです。でもこのモウコノウマだけは、何の改良もなく、昔からのそのままの状態で生息していました。先ほど述べた通り、モウコノウマはノウマの一亜種で野生に近い馬です。
特徴。
1頭のオスに複数のメスとその子供たちが1つの家族となっています。オスは家族のリーダーとして絶対的な力を持っています。狼などから家族を守ったり、移動する場合は常に最後尾を歩きます。ただ、初夏になると騒動が勃発します。独身のオスがメスを奪いに戦いを挑んでくるのです。
大きさ
A family of Przewalski Horses (Equus ferus przewalskii) grazing together. 出典:123rf
モウコノウマは、体長220~280cm、体高140cmくらい、体重200~300㎏です。他の動物に例えると、アムールトラと同じくらいの重さです。
餌は?
Przewalski horse in Hortobagy Hungary. 出典:123rf
草食動物なので、好物は草。
寿命
Przewalski wild horse, Przewalski`s horse Equus przewalskii, Dzungarian horse or Equus ferus przewalskii also called the Mongolian wild horse, is a rare and endangered horse. 出典:123rf
モウコノウマの寿命は25年くらい。
生息地
A Przewalski horse on a meadow in National park Neusiedler See (Austria), on a sunny day in winter. This rare and endangered horse is originally native to the steppes of Central Asia. 出典:123rf
生息地はアジア中央部、モンゴル周辺。
絶滅危惧種。
Przewalski wild horses (Equus przewalskii or Equus ferus przewalskii) or mongolian wild horses in paddock. Endangered species. 出典:123rf
絶滅危惧種とは、世界的な数が大幅に減少し、もしかしてこの世界からいなくなってしまうの?という動物や昆虫などのことをいいます。事実、野生のモウコノウマも1960年頃に一度絶滅してしまった動物なのです。
animals in korkeasaari zoo in helsinki, finland. 出典:123rf
その後、ヨーロッパの動物園で大きな対策を練り、動物園でのモウコノウマを野生に返そうと努力した結果、徐々に数が増えてきて現在に至ります。まさかの場所で繁殖していた?!
チェルノブイリでの繁殖。
チェルノブイリには、あまり人影はなく、たまに調査団が行くくらいです。そんなところなのに、今では動物たちの楽園となっています。さまざまな動物がおり、例えば野生のイノシシ、オオヤマネコなども生息しているようです。実はモウコノウマもここチェルノブイリで生息しています。人気のない場所なのにどうしてわかったの?と思いますが、調査をしているとき撮られた写真に、モウコノウマが写っていたのです。何頭か写っていたので、きっと繁殖しているのでしょう。
動物園では見れる?
多摩動物公園で飼育しているモウコノウマ
多摩動物公園に行けばモウコノウマを見ることができます。多摩動物公園では「アジアの平原」というコーナーがオープンし、アジアの平原により近い場所を作っています。その中にモウコノウマも走り回っているのです。さらに、多摩動物公園ではモウコノウマの赤ちゃん3頭が誕生しました。2016年3月26日(母パーニャ)、同年4月12日(母エーコ)、同年4月13日(母ダイアナ)です。どの子もすくすく育っています。本当にうれしいことです。
ペットにできる?
モンゴルのホスタイ国立公園に生息 出典:PIXTA
絶滅危惧種ですが、野生ではなく、国内で繁殖したモウコノウマであれば、個人でもペットにできるでしょう。乗馬用の馬を育てている方はいますが、あえてモウコノウマに乗馬しているかたは国内にはあまりいないでしょう。
まとめ
Przewalski horse in Hortobagy Hungary. 出典:123rf
一旦、絶滅した動物が、無事繁殖し増えていくのは喜ばしいことです。馬にしては小柄なかわいい馬モウコノウマも、もっと増えるといいですね。また、多摩動物公園にも足を延ばしたいものです。かわいい仔馬がみれますよ!
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