猫は犬や他の動物に比べて、よく耳が動きますよね。実は、それで気分や感情、気持ちをあらわしています。もちろん、それだけで感情を読み解くことは出来ませんが、どんな感情の時にどんな動きをするのかを知ると、楽しくなります。また、耳はとてもデリケートです。普段からケアは欠かせません。そういう意味でも、その状態を知っておくことは大切です。この記事では、
- 耳の動きでわかる!気持ちとは?
- 症状別にみる耳疾患
- 猫の耳に潜むカビやダニの原因とは?
- ケア用品のおすすめ
について、ご紹介します。ぜひ、状態チェックも合わせて、参考にしてくださいね。
耳は表情の一部!動きでわかる「その感情」

猫の五感で一番すぐれているのが聴覚だと言われています。ネズミの小さな鳴き声や、小動物や昆虫の動き回る音など、人間には到底聞こえない高音域まで聴きとっています。気持ちを読み取ろうと思った時、視線や尻尾の動きやひげの様子に合わせて、耳の動きを見ることで、猫がどんな感情なのかを感じ取ることができます。耳の様子とあわせてみてほしいポイントを一緒にご紹介します。
ピンっとたてて、真っ直ぐ前を向いている時

猫が平常心で普通の状態の時は、真っ直ぐと前にピンと立っています。この時の気持ちは、特別に興奮していない状態で、一番落ち着いている平常心であることがわかります。
<あわせてみてほしいポイント>
もし、平常の耳の状態で、ひげも前に向いていたら…飼い主さんの様子を伺っている時です。「遊んでくれないかな?」「何するのかな?」と、飼い主の動きを見ています。餌を準備している時なども、こういった様子が伺えますよ。
ピンっとたてて、後ろを向いている時

猫の耳がピンっと立っているけど、真っ直ぐ前を向いていない時はだいたい「イライラ」している時です。この耳の状態が上から見るとイカに似ていることから、「イカ耳」と呼ばれています。
- 構ってほしくない
- 不満がある
- 警戒している
時などに、この状態になります。愛猫がイカ耳になっている時は、感情が粗ぶっていることが多いので、そっとしておきましょう。
<あわせてみてほしいポイント>
イカ耳に合わせて、尻尾の動きを見てみてください。きっと、ブンブンとイライラ尻尾になっていますよ。
ぴょこぴょこと動く時

猫の耳がぴょこぴょこと片耳だけ動いているのを見たことがある方は多いはず。気になる音を感知していたり、近くに虫が飛んでいたりする時にも耳はぴょこぴょこと動きます。実は、飼い主の呼びかけに対しても耳をぴょこぴょこと動かす時があります。その時の気持ちは「はいはい」「わかってるよ」「でも今はほっておいて」という感情。耳だけで返事をしているのです。この返事をするときは、ある意味で飼い主を信頼していることが伺えます。耳だけ返事するなんてグータラで、可愛いですよね。
<あわせてみてほしいポイント>
この返事をする時の猫の様子は、寝ている時が多いです。まったりと過ごしている猫に対して、名前を呼んだり、話しかけたりすると、耳だけ返事の様子を見ることができますよ。尻尾を小さくふわっと動かして返事をする猫もいます。
真横にペタッと伏せる時

猫が真横に耳を伏せている時は、警戒のサインです。恐怖心を抱いている時や「これ以上近づかないでほしい」と感じている時に耳が真横に倒れます。猫が拒否しているサインなので、そっとしておきましょう。自分の気持ちがのらない時のコミュニケーションを極端に嫌がる動物です。あまりしつこくすると嫌われてしまう可能性があります。
<あわせてみてほしいポイント>
こんな警戒心が強くなっている時の猫は、尻尾の毛が逆立っていることが多いです。猫の尻尾がぶわっと大きくなっているのを感じたら、そっと見守りましょう。
違う方向に向いている時

猫が真っ直ぐとどこかを見ているのに、耳だけが違う方向に動いている時があります。それは、その方向に気になる音が聞こえていたり、その方向に気配を感じている時。耳だけで情報を収集しています。情報を収集しながら、さらに強い気持ちで「気になる!」となった場合は、顔もそちらに動くので、興味の度合いをはかり知ることができます。
<あわせてみてほしいポイント>
猫は「なんだろう」「気になるなぁ」など、小さな考え事をしている時は、尻尾の先が少しだけふわふわと動いていることがあります。人間には聞こえていない音に反応している時、尻尾の動きも一緒に見ると「何か音がしているのかな?」と確認することができます。
症状別でわかる病気
猫の耳は非常に敏感で、実は病気にもかかりやすく、日頃からしっかりその様子を見ておく必要があります。いつもより耳を気にしているようなしぐさがある場合は、どんな症状化を確認するようにしましょう。
よく掻く・荒れている。
猫が一番なりやすい耳の病気は「外耳炎」です。外耳道に炎症が起こる病気です。耳をよく掻くようになり、掻く頻度が増すことで、肌が荒れ、かさぶたができるようになります。酷くなると耳垂れを起こすこともありますので、頻繁に掻いている様子が見られたら、すぐに病院で診てもらいましょう。
中が赤くはれている。
猫の耳が赤く腫れあがっている時は、耳血腫を起こしている場合があります。外耳炎や耳ダニなどで掻く頻度が増えた場合、炎症が進行して耳が赤く腫れあがることがあります。耳介の中に血が溜まりこんだ状態になりますので、酷い場合は手術が必要になります。アレルギーを起こしている場合にも赤く腫れることがありますので、猫の耳の赤みはほっておかずに、早めに病院で診てもらいましょう。
よく頭を振っている。
猫が頭を振る原因はさまざまで、
- 耳に異物が入っている
- 耳ダニが繁殖している
- 中耳炎や外耳炎を発症している
- 脳炎や脳腫瘍ができている
ということが考えられます。頻繁に頭を振る場合は、耳ダニが発生している可能性が高いため、早急な治療が必要です。ほっておいても治りません。酷くなると中耳炎など、酷い痒みを伴いますので、すぐに病院で診てもらいましょう。
耳垢が多い。
猫の耳垢が多くなると、最近が繁殖し、皮膚に炎症が起こりやすくなります。また、耳ダニが多く繁殖している時も多くなります。耳垢が黒い場合や、ニオイがきつくなった場合は、ミミヒゼンダニに感染しています。薬の投与が必要です。細菌性外耳炎にかかった場合も抗生物質などの投与が必要になります。猫は耳が敏感な動物なので、相当な痒みや違和感を我慢してイライラする頻度が増えますので、早めの対処が必要です。
定期的な耳ケアは必須!

品種によって、耳が直立している猫、折れ耳の猫が分かれますよね。直立している耳を持つ場合は、耳の中の通気が良いためムレにくく、汚れが溜まりやすいわけではありません。折れ耳を持つ場合は、通気が悪いため、中に雑菌が繁殖しやすくなります。そのため、直立の耳を持つ猫よりも耳掃除をする必要があります。猫の耳にも、人間と同じように自浄能力があり、耳の古い角質や分泌物は外側に排除されるようになっています。普段のお手入れは、そういった外に排除されたものを取り除くだけで大丈夫です。
耳掃除の方法。
猫は耳掃除をされるのが得意ではありません。おうちケアでは、目に見える範囲の汚れをコットンやガーゼでやさしく拭き取ってあげましょう。猫の耳の皮膚は非常に薄いので、力を入れてこすり取ると炎症を起こしてしまう場合があります。こびりついた汚れがあっても、無理にとらずに、コットンを湿らせて丁寧にやさしく拭き取るようにしてください。
おすすめのクリーナーと使い方。
猫の耳掃除にはイヤークリーナーという専用の洗浄液もあります。目で見て耳垢が酷く多い場合や、コットンやガーゼでとれない場合などにとても便利なアイテムです。
<おすすめのイヤークリーナー>
Chiyo-pet(チヨペット) ポチタマのみみクリン 白 100cc
イヤークリーナーの使い方は、
- コットンに含ませて耳の中を拭う
- 耳に直接数滴たらして、耳の付け根あたりを揉んで中の汚れを出す
方法があります。
耳掃除に慣れていない場合は、拭き取りで使用し、少しずつ慣らしてから、直接たらして中の掃除をするようにしましょう。植物性の洗浄液で、刺激が弱いため、耳が敏感な猫におすすめです。
まとめ
猫の耳の動きは知れば知るほど、表情の一部だということがわかります。「何に興味を示しているのかな?」「どんな気持ちなのかな?」と考えながら見てみると、愛猫の感情を汲み取ることができるので、是非注目してみてみてくださいね!また、耳は猫の健康を知る上でも重要な部分です。ケアも重要です。耳ダニが発生した場合、他の猫や犬にもうつる危険があるため、早急な治療が必要です。日頃から耳を気にしていないか?耳の中が汚れすぎていないか?は、きちんと観察しておく必要があります。ぜひ、この記事を参考に、一度、愛猫の様子を確認してみてくださいね!