日本中のあちこちで、目撃情報が絶えないニホンオオカミ。その名のごとく、昔、日本にいた狼です。森林や山林の開発などの環境変化で絶滅したのでしょうか?北海道にいたエゾオオカミもおなじように絶滅してしましました。絶滅したといっても、つい最近のことで、標本などは残存しています。ぜひ、野山をかけて、吠える姿を見たかったです。森の中の食物連鎖でも重要な役割をはたしていたようです。その絶滅の原因や理由、また食物連鎖のバランスを保つのに重要だったことや、目撃情報、復活計画などについても調べていきます。
絶滅とは?

まずは絶滅の定義を簡単にいうと、レッドリストのカテゴリーで絶滅(Extinct)に分類されていることである。 野生絶滅(Extinct in the wild)という概念もあり、野生環境下では絶滅しているが、動物園などでの飼育下で生存している場合です。シフゾウやクロスッポンが有名です。もっとおおざっぱに言うと、地球上から完全にいなくなることです。絶滅に分類されても、その後に再発見されることもまれにあります。毎日、百種類近くの生物が地球上から絶滅しているという学説もあります。すごい数です。ほとんどが、人間の活動による環境変化や森林破壊のためでしょう。
絶滅した原因は?
明治時代に入り、世界中から、いろいろな犬が船で日本にやってきました。直接の原因は狂犬病などの伝染病です。しかし、大陸のオオカミが伝染病で絶滅した事実はないです。そのため、ニホンオオカミが絶滅した理由は、それだけではないです。やはりもちろん、森林破壊や開発なども一つの理由です。人のせいだけではないのでしょうけれど、残念なことです。もちろん僕はまだ日本の山奥のどこかに、ニホンオオカミが生存していると思っています。
奈良県の東吉野村にいた。

現在は銅像や絵本などで、東吉野村の観光資源となっています。1905年の捕獲を最後に絶滅したと考えられています。そのとき偶然、イギリスから日本にきていた研究者が持ち帰り、現在は標本がロンドン自然史博物館に保存されています。ニホンオオカミ絵本が出版されているので、ぜひ東吉野村のホームページで調べてみましょう。下の写真は、国立科学博物館に保存されている標本です。口がノペーとしていてかわいいですね。
生態

英語ではJapanese-wolfで、漢字では「豺」と書きます。群れで生活していました。顔とか、すべてが可愛いですね。ぜひ生存している姿をみたかった。
生息地
東北地方以南の国内全域の森林に生息していました。
大きさ
体長は1m前後で体重は15kg程度と推定されています。他の動物と比較すると、サーバルキャット同じくらいの大きさです。四肢と耳が比較的短く、頭骨も小さく、口先も短くて広いのが特徴的です。
餌は?
シカなどを捕食していました。後で述べますが、そのあたりの食物連鎖が日本の森林の形成に重要だったようです!
岐阜大学でのDNAの研究は?
岐阜大学における研究によると、ニホンオオカミは大陸のハイイロオオカミ(タイリクオオカミ)と同じ種だということがわかりました。ミトコンドリアDNAを抽出し、遺伝子解析した結果らしいです。まだ日本が大陸と陸続きだったときに、ハイイロオオカミが日本にきて枝分かれした亜種です。その後の生息域は本州や四国、九州でした。最近のDNA研究は目覚ましいですね。
目撃情報
日本全国で目撃情報があり、時々、UMAとしてメディアを騒がせます。やはり、秩父や奈良県周辺と九州が多いようです。まだまだ、生存していると信じたいですね。最近では、DNAでのニホンオオカミの確認情報が報道されることが多いです。岩手県大槌町の民家で発見された古酒の話です。江戸時代から伝わる古いお酒で、代々、ニホンオオカミが入っていると言い伝えられてきたそうです。ハブ酒みたいな感じですかね。やはり岐阜大学がDNA解析した結果、ニホンオオカミのDNAでした。また、奈良県大淀町の教育委員会が保存している頭蓋骨の話です。やはり、岐阜大学の名誉教授がDNA分析した結果、ニホンオオカミと鑑定されました。なんだか岐阜大学がすごいという話になってしまいました。研究されている先生がたもえらいですね。同じオオカミの近縁のコヨーテは、UMAのチュパカブラとして目撃されます。
秩父市にある三峯神社
三峯神社は秩父市にあるパワースポットで有名です。

ニホンオオカミが祭ってあり、狛犬は狼です。オオカミを「大神」や「ヤマイヌ」といい、あがあめられています。ほかにヤマトタケルの銅像もあります。昔は秩父にもたくさんのニホンオオカミが生存していたことでしょう。
この画像は、秩父にある宝登山神社の狛犬であるヤマイヌ(ニホンオオカミ)の像です。口がのぺーとしているところが似ています。
再導入計画。復活は?
賛否両論がありますが、オオカミ再導入計画もあります。アメリカのイエローストーン国立公園では、オオカミが増えすぎたコヨーテを抑制しました。その結果、コヨーテに捕食されていたリス類などの個体数が回復し、また、リスなどを捕食するフクロウなどのほかの動物も回復したそうです。食物連鎖というのは重要なんだと思いました。ついでにいうと、現在のアメリカではハイイロオオカミ(タイリクオオカミ)は絶滅危惧種から除外されています。最近のハイイロオオカミの研究では小動物だけでなく、川や池に入り小魚をとったり、ブルーベリーなど植物も食べています。森林の捕食者としても見逃せないです。野犬が増えるのも抑えて、狂犬病が広がるのも防いでいるという説もあります。やはり、森林の健全な育成にはオオカミが必要ですね。メリットやデメリットがありますが、世界には検討しているところもあるようです。日本でも福岡県などでニホンオオカミを復活させようという動きはあるようです。大陸のハイイロオオカミの種をつれてくるんでしょうけれど。住民の方々は噛みつかれはしないかと心配でしょうね。世界的にはそういう事例は少ないそうです。オーストラリアにもタイリクオオカミの亜種であるディンゴが生息しています。ディンゴは絶滅危惧種となっています。
どこで見ることができる?
上野にある国立科学博物館で標本を見ることができます。昔は、上野動物園でもニホンオオカミが飼育されていました。ほかに、和歌山県立自然博物館などで標本を見ることができます。
まとめ
最後に、やはり日本での森林の減少などの環境の変化や疫病と人のために、ニホンオオカミは絶滅してしまいました。でもまだ日本のどかに、ニホンオオカミが生きていることを信じています。また、森林の食物連鎖などで必要とされていたんですね。それと、最近のバイオテクノロジーの進歩と研究されている先生方はすごいですね。