実はオカメインコは、犬や猫に負けずとも劣らないくらい長生きできちゃう生き物なんです。しかし、寿命まで全うできずに亡くなってしまうコも少なくありません。より長生きさせるためには、それなりにコツや工夫、愛情が必要です。日々、チェックすべきポイントもあります。自分でオカメインコを飼っている経験から、伸ばすコツを分かりやすくお伝えします!
そもそも寿命は何年?
突然ですが、オカメインコは何年生きると思いますか?オカメインコはインコと呼ばれていますが、実際は中型オウムに分類されます。例えばヨウムで考えてみましょう。ヨウムは大型インコに分類されますが、大型の鳥だとその寿命はなんと40年〜60年です!大型の鳥はそこまで長生きなんです。となると、気になるのは中型オウムであるオカメインコの寿命です。オカメインコは中型オウムとはいえ、「世界最小のオウム」でもあります。余談ですが、インコとオウムの違いは冠羽があるかないかです。オカメインコは冠羽があるのでオウム、ヨウムは冠羽がないのでインコの分類なんですね。そんなオカメインコの寿命ですが、15年〜20年です。犬や猫と同じくらい生きると考えてください。とはいえ、20年以上生きているオカメインコも普通にいます。オカメインコは20年生きて長生きとなる、と思ってください。
必見!長生きさせるには?
さて、ではオカメインコの寿命の延ばす飼い方についてです。
- メスの無意味な発情を抑える
- バランスの良い食事を与える
- 愛情を持ってコミュニケーションをとる
これはオカメインコに限らず、鳥全般に言えることでもありますからね。各々について説明していきます。
オカメインコのメスの無意味な発情を抑える。
メスは発情すると卵を産みますが、この卵を産むという行為が体に負担をかけます。栄養を卵に持っていかれますし、命を落とす危険のある卵詰まりといった病気を起こすこともあります。そういった無意味な発情を抑えることによって、命を落とさない=寿命を延ばす、と言うものです。補足ですが、抑えた方が良いのは「無意味な」発情です。例えば多頭飼いでヒナが欲しい方もいますしね。また、卵を産んでも寿命そのものが縮まると言うものでもないです。卵を産んでも元気に長生きする子もいるということも押さえておきたいですね。
バランスの良い食事を与える。
オカメインコの主食には「ペレット」と「シード」があります。ペレットは小鳥の栄養を考えて作られた完全栄養食です。「これひとつでOK」と言われるほど、小鳥の栄養を考えられています。欠点は、値段がやや割高なのと、「食べてくれる子と食べてくれない子がいる」ことですね。シードは野生のオカメインコも食べている食べ物で、より自然に近い食事です。栄養を考えると副食で栄養を補ってあげる必要があります。我が家の子に限らず、シードが大好きなオカメインコは多いようです。我が家では、シードメインの食事にしています。ペレットも少しあげていて、水には「ネクトン」と呼ばれる小鳥用のサプリメントを水に溶かして与えています。ペレットは商品によっては粒の大きさも異なり、硬さも商品によって異なります。家の子はとあるペレットを与えた際に、硬くて食べづらそうにしていましたが、中には柔らかく食べやすいペレットもあります。そういった場合もあるので、我が家ではすり鉢でペレットを粉々にして、シードに振りかけて与えています。我が家のように、シードもペレットも与えている家庭もあります。オカメインコの食の好みもありますので、まずは色々買って試してみるのがいいです。
愛情を持ってコミュニケーションをとる。
これは「寿命を延ばすことに関して関係するのか?」と言われると、実は関係するんです!2014年に発表された研究結果で、「孤独なヨウムは寿命が縮む」ことが示唆されたそうです。染色体にあるテロメアという遺伝子は、寿命を司ります。1羽で暮らすヨウムとペアで暮らすヨウムを比べると、同年代でもテロメアが短かったそうです。このテロメア、慢性ストレスによっても消耗すると言われ、孤独がストレスになったのは間違いないようです。このことからも、やはり愛情を持ってコミュニケーションをとることは、結果的に寿命を延ばす、と言えます。もう少し、この「愛情を持ったコミュニケーション」について書きます。例えばヨウムやセキセイインコといった、言葉を喋る鳥がいます。この鳥は、言葉の意味をわかって喋っていると思いますか?単に覚えた音を再現しているだけで、意味をわかっているわけではないと、20世紀半ばまでは実際そう言われていました。しかし、数々の実験から「鳥は訓練次第で言葉の意味をちゃんと理解して発することができる」とわかってきました。ある科学者が飼っていた、ブルーバードという名前のセキセイインコがいます。ブルーバードは、
- ドアを開けて欲しい時は「Open the door」(ドアを開けて)
- 蛇口で水浴びしたい時は「Shower」(シャワー)
- パートナーのメスには「Kiss me」(キスして)
と、ふさわしい状況でふさわしい言葉を発します。また、アレックスという天才ヨウムがいたのですが、アレックスは、
- 実験に疲れると「Wanna go back」(帰りたい)
- 「Want grape(ブドウが欲しい)といった時にバナナが与えられると、食べずに「Want grape!」と繰り返す。
- アレックスと他のヨウムが「What color?」(これは何色)、「Green」(緑色)と、人間の言葉で会話。
このように、ちゃんと意味をわかって言葉を使う鳥もいます。この2羽はいわゆる「天才」と呼ばれる鳥ですね。ですが、愛情を持ったコミュニケーションという点では、言葉以外でも色々な方法で鳥と人間の感情は伝わるものだと私は思います。家のオカメインコはご機嫌な時に発する鳴き声もあります。「コー!」や「わんわんお!」はご機嫌な時に発する鳴き声なので、この声が出た時は「ご機嫌なの!」と話しかけたり、「わんわんお!」と返したりしています。「ギャー!」とイヤイヤした時は、「ごめんねー」と謝ったり、「ご機嫌ななめなの?」と話しかけたりもします。これは我が家の一例ですが、こうやって何気なくコミュニケーションをとることで、結果愛鳥が長生きしてくれるのです。
日々の飼育中にチェックすべきポイントは?
今度は「健康チェック」について書いていきます。日々のオカメインコの健康チェックをすることで、ちょっとした異変にいち早く気付くことが大事です。ここではその一例を書いていきます。
- 糞のチェック。糞の回数や状態を見ることは、健康チェックで一番わかりやすいです。水分を取りすぎていたり・・ちなみに、ペレットを食べていると、その色の糞が出ることもあるようです。
- ご飯を変える際に、食べている量のチェック。ご飯を変えるときに、どれくらいご飯の量が減っているかもチェックするのもいいですね。シードだったら、「ふー!」と息を吹きかければ、シードの殻が舞います。そこで残ったシードを見るのも一つの手法です。ちなみにオカメインコは調子が悪い時は、調子が悪いのを隠そうと「食べたふり」をするのも注意です。
- 規則正しい生活。健康な毎日を過ごす上では基本になります。飼い主が夜遅く寝る時などは、おやすみカバーをかけてあげるといいですね。
- 病院で健康診断。定期検診を受けることもお勧めです。拝見している鳥YouTuberさんは、月1で定期検診をしてもらっています。
- 何か変だと思ったら獣医師さんに診てもらう。素人で判断するのは怖いことなので、明らかに変だったら即病院に行きましょう。何でもなかったらめっけもんですしね。
- 温度・湿度管理をしっかりする。オカメインコは丈夫とは言われていますが、やはり夏と冬の温度・湿度管理はしっかりしたいところですね。ヒナのうちは特に温度・湿度に注意しましょう。ちなみに、オカメインコにとって快適な温度は、25〜30度、湿度は50〜60%です。しかし、この温度と湿度は獣医師さんによって意見が違うこともあるので、あくまで一つの目安ですね。
まとめ
まとめると、結局のところ、
- オカメインコの寿命は15〜20年だが、20年以上生きる子も普通にいる
- メスの無意味な発情は抑えた方が良いが、卵を産んでも長生きする子も普通にいる
- バランスの良い食事を与えるシードはより野生に近い食べ物で、ペレットは完全栄養食、シード主食の場合は副食もあるとなお良い
- 愛情を持ったコミュニケーションをとることで、結果的に寿命を延ばすことにつながる
- 日々の健康チェックを欠かさない
これが寿命を延ばすためのキーワードです!長く生きてくれた分、いろいろな思い出を作れますね!