幸運を呼ぶ!世間で話題のピンクイルカの正体はカワイルカ!?

最近、海外で見られる絶景や、珍しい動植物を特集するテレビ番組が多いですよね。

そして、そんな番組をきっかけに、好奇心を抑えきれずに旅に出る人もたくさんいます。

そして今、そんな日本にはない出会いや感動を求めて旅に出る人たちに、すごく人気の動物がいるのはご存知でしょうか?

その名も、「ピンクイルカ」(英語ではPink Dolphin)です。

最近では、日本のバラエティ番組やドキュメンタリー番組にも登場し、一躍時の生き物となったのですが、日本の近海には生息しておらず、日本のどこの水族館でも飼育されていません。

日本は世界で一番多く水族館がある国なんですが…残念です。

なので、日本人にとっては幻とも言える生物ですね。

そしてこれは、世界中の大学の海洋学者や古生物学者たちからとても注目されていて、生態や進化の過程など未だに謎が多いそうです。

今後の研究成果は非常に気になるところ!

今回は、そんな海洋生物学界の注目を集めるピンクイルカについて、紹介していきます!

噂で話題沸騰中!

出典:PIXTA

今や日本中で大人気です。その人気は世界にでても同じです。

アジアの一部地域では「幸運のシンボル」とされ、それを見るために水族館に行ったり、野生で観察するツアーに参加したりする人が多くいます。

また、冒頭にも書きましたが、生態や現在までの進化の過程は謎に包まれている部分が多く、海洋生物学、古生物学、進化分類学、はたまた環境保全の分野でも注目されている生物です。

なので、これらの学問を研究する学者さんの間では、かなりあつい話題の生物なのです。

それには2種類います。それが、淡水生のカワイルカと、海に棲むマイルカの仲間の一種です。

この2種類は、種族も生息地も違うけれど、偶然にも同じようにピンク色の珍しいイルカなのです。

正体その1、アマゾンカワイルカとは?

アマゾン川 出典:PIXTA

まずピンクイルカと呼ばれている生物の一つ目の正体、それは・・・

アマゾンカワイルカ(Inia geoffrensis)と呼ばれ、クジラ目アマゾンカワイルカ科に分類されます。淡水に生息しています。

これは別名をいろいろもっていて、国際自然保護連合(IUCN)が発表しているものでは正式名称とは別に、5種類の別名を持ちます。

そして、その別名の内の一つが「ピンクイルカ」なのです。

実は絶滅危惧種

生息しているのは名前の通り、南アメリカ大陸を流れるアマゾン川流域。

ブラジルの川で人から餌をもらっているピンクイルカ 出典:shutterstock

現在の生息数は不明らしいが、IUCNはこれを絶滅の恐れが高いとしてレッドリストに載せていた年がありました。

アマゾン川流域のダム建設や護岸工事、また水質汚染などが原因で、絶滅危惧種となっています。

名前の由来にもなっている体色ですが、必ずしもピンク色だというわけではなく、茶色系やクリーム色などの個体もいるようです。

正体その2、シナウスイロイルカとは?

二つ目は、シナウスイロイルカ(Sousa chinensis)です。

クジラ目ハクジラ亜科マイルカ科ウスイロイルカ属に分類されます。

海に生息しています。

産まれたばかりは黒っぽい色ですが、成体になるにつれて色が薄くなり、徐々にピンク色になっていきます。

香港の方では、このピンク色のシナウスイロイルカを見たら幸運になれるとか言われています。

これは中国南部の東シナ海やインド洋東部から、マレーシアやフィリピン、インドネシア周辺、オーストラリア北部の海域まで生息しています。

こちらも絶滅危惧種?

一部地域では生息地となる浅瀬の埋め立て、海洋環境の汚染による個体数の激減があり、絶滅を危惧する声も上がっています。

シナウスイロイルカは基本的に何頭かの群れで行動しますが、時折親子だけで泳ぐ姿や、20頭以上の集団で行動することもあります。

そして、稀ではありますが、同じ海域に棲む別の種類のイルカと一緒に群れを作ることもあるそうです。

さすが、人とも仲良くなれる社交的な動物ですよね!

シンガポールの水族館にいる?

マレー半島の南端に位置する、東南アジアきっての先進国「シンガポール」では、以前はピンクイルカのいる水族館がありました。

しかし、現在はありません。

他に会う方法は?

出典:123rf

しかし、希望をすてるのはまだはやいです!

シンガポール以外にも、シナウスイロイルカを飼育している水族館があります。

それは、こちらも東南アジア「タイ王国」です。

タイの首都バンコクから車で2時間程度の場所に位置するパタヤという町。

この町の中心部から少し外れに、「パタヤ ドルフィンワールド&リゾート」と呼ばれる水族館です。

どうしても絶対にシナウスイロイルカを見たい!という方は、こちらの水族館に行ってみましょう!

このカワイルカたちの関係や、大学での研究など!

2種類のピンクイルカ、いったいどんな関係なのか?

さて、ここまでピンクイルカと呼ばれる2種類のイルカについて、それぞれの特徴や、会う方法を紹介してきました。

そして、かなり詳しくなったと思います。

ところで・・・僕には、どうしても気になることがありました。

それは、この2種類のイルカたち「アマゾンカワイルカ」と「シナウルイロイルカ」の関係です。

・「生息域がまったく異なる2種類のイルカが、偶然にも同じようにピンク色になるのだろうか?」

・「何か共通点があるのでは?」

そんな風に考えたのはきっと僕だけではないはず。

そこで、この2種類について、いったいどんな動物で、どこか関係性はないかと探ってみることにしました。

仮説を調べてみた!!!

そして調べたのが、

「今は2種類になっているピンクイルカは、実は昔は同じところに棲んでいて、なんらかの理由で生息地が離れてしまっただけではないか?」

という仮説。

このように、もともと生息していたところからなんらかの理由で別の場所に分かれ、それぞれの地で繁栄していった生物は意外に多いのです。

かなり有名な話では・・・、

昔はすべての大陸が繋がっていた!その後の地殻変動で大陸はバラバラになった!という「大陸移動説」が裏付けられたのも、コレでした。

大西洋を隔てたアフリカ大陸北部と、北アメリカ大陸東海岸で、同じ種のカタツムリが発見されました。

海流で流されたという説では説明がつかず、過去には北大西洋の両岸(つまりアフリカ大陸北部と北アメリカ大陸東部)は同じ場所、つまり陸続きだったとしか考えられない。というものでした。

「今回のピンクイルカの件のこれじゃね?」

と勝手に想像してみたのです。

しかし、実際に調べてみると、シナウスイロイルカは、一般的に海でよく見られるイルカの仲間たちとほとんど変わりなく、特徴といえるのはピンク色になる体色だけだったのに対し、アマゾンカワイルカの体には、他には見られない特徴が多くみられました。

アマゾンカワイルカの特徴

まず、イルカにおなじみの背ビレがなく、代わりに小さなコブのようなものがあることです。

また、視力が低いです。

なので、かわりに聴覚や触覚が発達しました。

これはもしかしたら、アマゾン川の濁った水の中でも生活できるように進化してきた結果なのかもしれませんね。

さらに、首や頭頂部の骨にも、他のイルカたちとは全く違う特徴が見られました。頭頂部の骨は他のイルカの骨に比べてかなり大きいです。

そして他のイルカたちは首の骨が固定されていて、常に前方を向いているのに対し、アマゾンカワイルカの首の骨は固定されておらず、首を曲げることができるのです。

大学での研究や学問的な生態は?

他には、外見的特徴ではないですが、遺伝子やミトコンドリアDNAの解析などによって作成された進化系統樹を見ると、同じイルカの仲間でも、シナウスイロイルカはマイルカやハンドウイルカ、マダライルカと近縁であるけれど、アマゾンカワイルカとはかなり昔に系統が分かれていました。

びっくりなのは、同じピンクイルカ同士よりも、シナウスイロイルカはイッカクやオキゴンドウの方が近縁だということです。

アマゾンカワイルカは、はるか昔にクジラの仲間から分化した後、そのまま昔の姿を保ってきたようですね。

このような多くの違いを目の当たりにすると、シナウスイロイルカとアマゾンカワイルカは本当にまったくの別種であるにも関わらず、偶然にも同じようなピンク色を手に入れたとしか考えられないですね。

しかし、まだまだ未知のことが多いため、今後の研究の成果を待つとしましょう。

2014年には、アマゾナス連邦大学の研究チームがブラジル中央部のアラグアイア川流域で新種のアマゾンカワイルカを発見しました。

アラグアイアンボトと名付けられました。

幸運を呼ぶ

Amazon river dolphin or Boto (Inia geoffrensis) – Rio Negro, Amazon, Brazil, South America 出典:123rf

余談ですが、日本では、

「ピンクイルカの画像をスマホの待ち受け画面に設定すると、いいことがある。」

という噂があります。僕もさっそくやりました。

皆さんも、かわいいピンクイルカの幸運に乗っかってみてはいかがでしょう?

まとめ

それでは最後に、今回の大事な点をまとめると・・・

  • 一般的にピンクイルカと呼ばれるイルカは2種類。
  • 一つ目は、南米のアマゾン川に棲むアマゾンカワイルカ。
  • 二つ目は、インド洋東部や太平洋西部に棲むシナウスイロイルカ。
  • この2種類は日本近海には生息せず、日本のどこの水族館でも飼育していない。
  • そのため、見るためには海外へ行くしかない。

ということです。

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