今回ご紹介するのは「シマフクロウ」(英語ではBlakiston’s fish owl)です。
それはというと、とても人との関わりが強いです。
これから、生態や生息数などを調べていきます。
生態

シマフクロウは寒い地域に住んでいて、全体的に灰色がかっています。
また羽角(目の上に生えている耳のような羽毛のこと)が発達しており、目におおいかぶさるように生えています。
フクロウの中でも一、二を争う大きさで、瞳の色はオレンジがかった黄色です。
寒い地域に住むシロフクロウと同じように、足までモフモフです。
また、ほかのフクロウは羽音をさせずに飛行するのですが、シマフクロウは羽音をさせて飛行します。
これは、水辺で魚などを捕まえることが多いので、羽音をさせても支障がないからです。
生息地

これは、サハリンの森林や海岸の景色です。
北海道やロシア東部、中国東北部の寒い地域に生息しています。
大きさは?
全長65~75cmほど。体重は3.5~4.0kg。
人間の赤ちゃんと同じくらいの重さです。
翼を広げると、なんと180cmにもなります!

成人男性の平均身長よりも大きいんですね!
餌
食べるものは主にサケ、ウグイ、カレイなどの魚類。
そのほかにカエルなどの両生類、カニなどの甲殻類、小鳥、ウサギやコウモリなどのほ乳類も餌として食べます。
寿命は?

飼育下では30年ほどです。
雛
卵がかえるまでは35日ほど。
その後、雛は50日で巣立ちをします。1~2年くらいは親の縄張りの中で過ごし、その後独り立ちをします。
この独り立ちの期間は、シマフクロウの中でも個体差があり、10か月で独り立ちする個体もいれば、4年で独り立ちをする個体もいるのだとか。
巣
大きな木の洞に巣を作り、卵を産みます。卵を温めるのはメスのみで、その間オスは餌を運んだりします。
絶滅危惧種?
皆さんは「絶滅」という言葉を知っていますか?
ある一つの種がなくなってしまうことです。
住む場所の減少、食べ物の減少、気候の変動、環境問題など、様々な要因が存在します。
野生生物の絶滅を確認するのは難しく、絶滅されていたと思われていた生物がひょっこり姿を現したり、ということもあるそうです。
さて、絶滅には至っていないけれど、絶滅の恐れがあるという種を「絶滅危惧種」と言います。
どうして急にこんな話を?と疑問に思われた方も多いかもしれません。
今回紹介するシマフクロウは「絶滅危惧種」に指定されているからです。
どうして数が減ってしまったのか?また、現在どのような状況になっているのかも説明しながら、文章を進めていきたいと思います。
人とのかかわりが深い

シマフクロウはアイヌの人たちに親しまれ、古い言葉で「コタンコロカムイ」、あるいは「モシリコロカムイ」と呼ばれていました。
「コタン」は村、「コロ」は領有、「カムイ」は神様、「モシリ」は国という意味で、直訳すると、
・村を領有する神様。
・国を領有する神様。
という意味なのだそうです。
古くから伝わる伝説などもあるので、気になったかたは検索してみてくださいね。
どんな風に人々とかかわってきたのか、きっとわかります。
今どのくらいいるの?おおよその生息数
現在確認されているシマフクロウは、世界全体ではおおよそ1000羽ほど。
そのうち130~140羽が日本の北海道に住んでいます。
20世紀初頭には、北海道全域で姿が確認されたものの、現在確認できるのはほとんどが北海道の東のほうだけです。
1971年には日本の国指定天然記念物となり、
1993年には国際的にも絶滅危惧種として扱われるようになりました。
生息数が減少する原因は?
生息数が減ってしまった原因はさまざまです。
・土地開発による住処の減少
・エサの減少
・天敵によるヒナの減少
などなど。
人の住まう土地や便利な暮らしを求めて行った森林開発などがシマフクロウを減らしています。
そのため絶滅危惧種となっています。
大学での研究は?
北海道大学や森林総合研究所、シマフクロウ環境研究会代表の竹中健博士などが、営巣地である森林の環境などを研究しています。
鳴き声は?
鳴き声はとても大きく、静かな場所であれば1km先にまで届きます。
では、一体どういうものなのでしょうか?
川のせせらぎや木々のさざめきの中に混じって、低い声が聞こえるのがわかりますか?
「ホホッ、ホホーウ」というとても落ち着いた鳴き声です。
私はこの声を聞いて、とっても神秘的な声だなぁとしみじみしてしまいました。
なるほど、こういうところも神様とされた理由の一つなのかな?なんて想像もしてしまったり。
ペットにできる?
シマフクロウは絶滅危惧種であり、また国の天然記念物でもあるため、個人でペットにはできません。
もし野鳥を見つけたらどうするかは次に考えていきます。
見つけたら?

街角や森の中で、動けなくなってしまっているシマフクロウを見つけたらどうすればいいのでしょうか?
現在日本においては北海道の一部の地域にしか生息していないので、とっても限定的なお話になるのですが、ご紹介しますね。
・発見したら、状態や状況を確認。もし連絡手段があるのなら、市役所などに連絡を。
→市役所でしたら、「シマフクロウを見つけたのですが」と受付の方に言えば担当部署に回してくれます。
・指示に従って行動を。
→「自宅で一時みてください」などの指示を出されることがあるかもしれません。その際は担当の方の指示に従い、餌やりや居場所を作ってあげましょう。
基本的にはこういった流れです。その後のことは、担当の方が説明してくださるので、その方にゆだねましょう。くれぐれも勝手に飼ってはダメですよ!必ず詳しい方の判断を仰ぎましょう。
動物園で見れる?
北海道にある釧路市動物園や札幌市円山動物園、旭山動物園で見ることができます。
北海道の雪原の上を、羽を大きく広げて飛んでいます。

獲物を狙っているのか、迫力があります。
まとめ
さて、ここまでシマフクロウについてご紹介してきましたがいかがでしたか?
気候の変動や生息地の森林の開発などにより、絶滅危惧種となっていました。
日本に生息している野鳥には絶滅危惧種の鳥も多くいます。
とても考えさせられる内容なので、興味のある方はぜひ調べてみてくださいね。