今年の夏、海へ行くとおじさんがタツノオトシゴ(英語ではSeahorse、漢字では海馬)を持ってきました。子どもたちに見せてあげるために持ってきました。浅瀬で簡単に見つかることに驚きましたが、それとともに、「これを飼えるのかな?」と疑問が。ということで、調べてみました。今日はその飼育についてご紹介しましょう。※ちなみにこの時、おじさんが獲っていた生物たちは夕方になってすべて海に帰してあげていました。
飼育できるの?
結論から言うと、観賞魚として飼育できます。家に水槽があることを想像するとワクワクしますね。ですが、野生のタツノオトシゴは飼育にはあまり向いていないそうですそれは、とてもデリケートな生き物で、まず水槽に移した時点でとてもストレスになります。また、餌付けも難しく長く飼うには難しいそう。せっかく飼うなら大切に長く飼ってあげたいですよね。野生のということは…。そうなんです。養殖されているものが売っているのです。養殖は生まれた時から人の手で育てられているので、餌付けもされていますし、初心者の方でも安心して飼育が出来ます。養殖されているということはそれだけ需要があるということです。では飼育方法はどのようにしたらいいか?何をそろえればいいか?
アクアリウムの作り方やペット用品
用意する飼育用品。
・水槽
最低でも30cmある水槽を、出来れば60cmくらいの水槽であれば安心して飼育出来ます。というのも、水槽の大きさが小さいと当然ながら水量も少ないです。水量が少ないと水槽内の水質環境が悪化しやすく、管理するのが大変です。水量が多い方が水質を一定に保つことが簡単ですので、タツノオトシゴにとっても良いですね。小さい水槽のほうが、手軽そうですが、ここは頑張って大きい水槽を用意してあげたいですね。ジェックス グラステリアスリム600 6点セット水槽 奥行スリム。
・ろ過装置
タツノオトシゴは水流の弱いところで生息しているため、水流を弱く出来るものを用意しましょう。
・水槽用のヒーター、クーラー
種類によって適切な水温は違いますが、水温を保つためには水槽用のヒーターやクーラーは必要です。ただ低温調節は難しく、水槽用のクーラーも高価で、水温を下げる効果もわずかです。部屋全体をエアコンで下げる方法もありますが、ずっとつけっぱなしとなるので、暖かい水温を好むタツノオトシゴを飼育することをオススメします。ヒーターで暖かい水温を保つことは、水槽用クーラーを使う事よりも簡単です。
・海水または人工海水
家の近くに綺麗な海水がある方は海水を用意しましょう。または、ネット通販などでも売っているので、お金に余裕がある方は購入するのもありだと思います。ですが、水替えのたびに採取もしくは、購入するのは大変なことです。人工海水で簡単に作ることが出来ます。一般的な海水濃度は3.2%程度です。海水中の塩分濃度を測定出来る、比重計というものがありますので、併せて用意しましょう。水の蒸発や乾燥する季節では塩分濃度が上がりやすいため、こまめにチェックすることが大切です。
・止まり木
タツノオトシゴは泳ぐ力が弱いため、止まり木の設置が必要です。この止まり木にはヤギ類(サンゴの仲間)や海藻などが用意出来ればいいのですが、体を傷つけない素材であれば、市販の飾りサンゴやプラスチック製の海藻でも大丈夫です。
餌は?
タツノオトシゴは生きている小さな魚やエビを好んで捕食します。そして、乾燥餌は食べません。小さい個体(体長2cm程)には、ブラインシュリンプの卵を買い、孵化させたものを与えますが、孵化させた後にさらに飼育し大きくしたもの(パワーシュリンプ)を与えた方が栄養価が高く良いとされています。また大きな個体にはイサザアミや淡水のエビを与えます。養殖のタツノオトシゴには冷凍のホワイトシュリンプなどでも良いでしょう。捕食する姿は可愛いですよ。あの長い口でシュポっと吸い込んで捕食します。その姿が私は好きだなぁ。キョーリン クリーン・ホワイトシュリンプ 1枚。
餌を与える回数は?
タツノオトシゴの消化器は海水魚よりも発達していませんので、常に少しずつ餌を食べ続ける必要があります。1日に複数回食べられる量だけの餌を与えましょう。また食べるのがとても遅いです。食べ残した餌が水を汚すので、その個体にあった量を少しずつ発見出来たらいいと思います。
値段はいくらくらい?
大きさや種類にもよりますが、小さいもので安くて一尾3000円。大きいものだと7000円~8000円程度です。また、水槽や、その他必要なものをすべて合わせると、3万~4万あれば必要最低限のものは揃いそうです。ショップによってはタツノオトシゴ飼育セットなどもあるようなので探してみると良いと思います。ポットベリーシーホースはなかなか入手できません。ぜひ水族館に見に行きましょう。
ポットベリーシーホース
オーストラリアやニュージンランド海域に生息する最大級のタツノオトシゴです。大きく成長すると35cmくらいになります。アクアリウムでも人気です。沼津港深海水族館のシーラカンス・ミュージアムや伊勢シーパラダイスなどの水族館で人気です。
まとめ
飼育で一番大変なことは餌付けだそうです。餌をあげる専用の場所を作ったり、餌の時だけ飼育水とともに容器へ入れ、食べ終わったらタツノオトシゴだけ水槽へ戻すなど、工夫をしている方がたくさんいます。養殖のものはすでに餌付けされていますし、海水魚を飼ったことがある人にとっては飼育はさほど難しくないそうです。私も育てたいけど、他の海水魚よりもナイーブなのでまずは違う海水魚を飼ってみて考えようかな。でも、自分の家にアクアリウムがあって、タツノオトシゴがいるのを想像しただけでも楽しい気持ちになりました。餌を食べる姿を観察出来る日々を目指して、もっと勉強したいです。