皆さん、タツノオトシゴは知っていますか?水族館で見たり、ダイバーの方は海の中で見たり、はたまた何かのモチーフになっているものを見たりします。どんな見た目をしているかはご存知だと思います。では、その不思議な生態を知っていますか?私たち人間からしたら考えられないようなビックリな繁殖活動をするのです。
生態
魚です。ですが、泳ぎが苦手で短くて薄い背びれをパタパタ動かしながら立って泳ぎます。私はこの姿が好きですねー。あんなに一生懸命背びれや胸びれを動かしているのに、少しずつしか動かない姿がなんとも可愛い。天敵の肉食魚に見つからないように、海藻やサンゴに体を絡ませじっと身を潜めています。また形や色を変えて海藻に見事に擬態することから、見つけにくい生き物です。
生息地。
熱帯から温帯の浅い海、内湾や岩礁域、海藻がよく繁茂した藻場に生息しています。日本では北海道南部以南の日本各地で見られます。日本ではどこにでもいるのですね。海遊びを良くしますが、実際に見たことがないのでとても驚きです。(網でタツノオトシゴを捕まえていたおじさんはいましたが。)今度の夏、海藻が生い茂っているところをよーく見てみようと思います。
絶滅の危機?
サンゴ礁の減少や環境汚染とともに、乱獲により一部のタツノオトシゴは絶滅の危機に瀕しています。また先にも述べたたように、タツノオトシゴはペアで行動しています。そのため、パートナーが採取されていまうと、新たにペアは見つけ出すのに時間がかかります。ということは、別れると繁殖サイクルが分断され、子孫が減少するのです。身勝手な人間の行動からロマンチックなペアを引き離さないでほしいですね。そして、その数が減少してしまうまで獲ってしまうというのはいかがなものかと。1990年代と比較すると、生息数はたったの20年の間に80%も激減してしまったと推測されています。そしてこの乱獲は年々ひどくなってきているのです。さらに専門家の間では大型のタツノオトシゴは今後、10~30年以内に絶滅するのではないかという予測もあります。
オスが出産する?
繁殖期、メスがオスを探して頻繁に移動するようになります。そして、カップルが誕生するとオスとメスが向き合うようにくっつき、まるでハートマークのような形を作ります。実はこの時、メスからオスのおなかの袋へ卵が受け渡されています。そこでオスがお腹の中で育て、オスが稚魚を産みます。オスは体を前後にかがめるような行動を示し、孵化した稚魚を袋から産出します。オスの体に産み付けるとは斬新ですね。ですが、そのオスが天敵に会わない限り、卵は守られるので孵化出来る確率は他の卵を産み落とすだけの魚よりはとても高いでしょう。オスが卵を守っている間にメスは次の卵の準備をします。そして、オスが出産するとまたすぐ、オスのお腹の袋に卵を産み付けます。オス大変!!へとへとですね。そして、このペアは繰り返し、つがいとなります。毎日挨拶のかわりに、数分間2匹でダンスをするそう。なんともロマンチック。このダンスで絆を強めているなんて。ペアが生活を共にするということは動物においても非常に珍しいことですが、魚類のなかではさらに珍しいことです。
大きさ
体長は小さいもので1.4cm。大きいもので35cmにもなります。その差、すごいですね!!そして、35cmって私の中でもはやそれはタツノオトシゴではないんですけど!一般的なフェイスタオルの横幅くらいの長さになります。じゃあ、なんなんだって話ですが。
餌は?
タツノオトシゴは小魚や甲殻類、小型の動物プランクトンをエサとします。エサを見つけると長い口先を近づけて、素早く吸い込みます。
これは、周囲のサンゴに擬態しているピグミーシーホースの画像です。
水族館で見れる?
鹿児島県南九州市頴娃町にタツノオトシゴハウスという入場無料のこじんまりとした水族館があります。そこでは観光のために養殖しており、たくさんの種類のタツノオトシゴを見ることができます。他にも、伊勢シーパラダイスや名古屋港水族館、サンシャイン水族館、新江ノ島水族館などで見ることができます。
まとめ
タツノオトシゴは様々な国で様々な幸運のシンボルとして愛されています。日本では安産のお守りとなっているようです。その他にも他国では夫婦円満のシンボルや幸運のシンボル、子宝のシンボルなどにもなっているそうです。世界中で愛されています。ですが、私たち人間の手で彼らを最も不幸にしていまうことになるかもしれません。私たち個人が、乱獲を止めることは出来ませんが、知るということはとても大切なことだと思います。そして、タツノオトシゴについて知った知識を広めるとか小さくても出来ることをすれば、少しでも変わってくるかもしれません。私はそういった心が大切だと思います。私たちを幸せにしてくれるタツノオトシゴのためにも出来ることはやれたらいいですね。