文鳥を手乗りさせるためには雛から育てないとなかなか馴れてくれませんが、雛から手間をかけて、愛情をもって優しく接すると、ベタベタに馴れてくれて、初めて飼う方には感動ものです☆。私もヒナから育て、手の平の上で遊んでくれるくらいまでなついてくれました。そんな文鳥初心者に最低限知っておいたほうが良い飼い方、育て方、準備するペット用品、コツを、実際に雛から飼育した経験も含めご紹介します!
ペットショップで一目惚れした雛と、連れて帰った後の育て方
我が家には一羽の桜文鳥がいます。性別はオス、現在は生後8ヶ月の若鳥です。我が家にお迎えした時は生後2週間。店頭にいた数羽から嫁が一目惚れした雛です。私はお迎えの日は仕事だったんですが、真っ直ぐ帰って早速その姿を拝見しました。可愛いですね~!!キッチンペーパーの上に糞もちゃんとしてました。これは桜文鳥ですが、雛の頃はその特徴ともいえる頭の「ごま塩(パイド)」もまだありません。※ごま塩(英語ではpied)とは、頭に白と黒の斑点が混ざっていることの文鳥用語です。桜文鳥の特徴でもあります。このごま塩、桜文鳥によって個体差があり、黒多めの子もいれば白多めの子もいて様々です。白の斑点のない、ノーマルカラーに近い子もいます。とあるさし餌後に手の上で雛がうとうとしました。この頃はもう飼い主にべったりです。指の上で寝ることもあれば・・手に乗ってくつろいだり・・手のひらで包まれてるところ、からの指の間からトンネルです!このように、雛は飼い主にべったりですね!また、この頃になるとさし餌(ご飯のこと)の回数もだんだんと減ってきています。
準備するペット用品
さて、ここで雛の育て方を書いていきますね。雛をお迎えするに当たって準備するものがあります。まずは環境づくりから。我が家で用意したペット用品はこちらです。
- 飼育箱(虫かご)
- ヒーター(特に秋から冬、春先にかけて必要)
- サーモスタッド
- 床材
- ヒナ用餌
- ヒナ餌を与える器具
我が家ではこのような環境で育てました。
①雛を育てるカゴ
飼育箱ですが、虫かごで大丈夫です。その中にまず新聞紙を引き、その上にキッチンペーパーを。
②保温器具(ヒーター)
ヒーターは雛の保温に必要です。
我が家では、飼育箱の下に置くもの(我が家ではパネルヒーター)用意しました。飼育箱には暑くなりすぎないように、ヒーターが当たらない面も用意しました。雛をお迎えした時期は6月の梅雨の時期で、まだちょっと肌寒かったのでヒーターを用意しました。雛のうちは保温が特に大切です。飼育箱内の温度を28~30℃にしてあげましょう。
文鳥の繁殖時期は秋から冬にかけてが主です。特に気温が下がる冬は文鳥の雛にとって非常に過酷な環境なので、寒い時期の保温は特に大事なことです。
③サーモスタッド
また、サーモスタッドという、センサーを任意の場所に置くことが出来、温度管理をしてくれる商品もあります。鳥飼いさんにとっては、これは必須なので、準備しましょう。
④床材
新聞紙とキッチンペーパー(ティッシュでも可)を床材としてカゴに敷きましょう。
⑤ヒナ用餌
アワ玉とパウダーフード、お湯を用意しておきます。アワ玉には粟に卵黄やハチミツなどが配合してあります。パウダーフードで粟では足りないビタミンやミネラルを補います。
⑥ヒナ餌を与える器具
ヒナ用の小さなスポイトです。
雛の育て方が気になる!ベタ馴れ手乗り文鳥にするための方法!
さて、必要なペット用品を準備して雛をお迎えしたんですが・・雛からすれば、店にいた時とは全く環境が変わってしまったのですからね、緊張してるんでしょう、なかなか動かなかったのを覚えています。それもそうでしょう、店からの移動で電車を使いました。これは鳥全般に言えることですが、鳥は環境の変化にめっぽう弱いんです。引越しなどもなるべく経験させない方がいいです。環境が変わるとご飯を食べなくなったりする子もいるのです。うちの雛からしてもそうだったんでしょう。
餌の作り方と与え方は?
環境の変化には弱いものの、そこはまだまだ生後2週間の雛です。当然のようにお腹が空きます。ペットショップではさし餌を1日4回あげるようにと言われました。お腹が空くと雛は「お腹すいた!ご飯食べたい!」アピールをしてきます。それはもう、猛烈アピールです。文鳥の喉の付け根にある、「そのう」と呼ばれる部分があります。そのうが空っぽだと、お腹が空いてる瞬間です。このそのう、雛のうちはご飯がどれくらい入ってるかの目安になるので重要です。成長過程で羽毛に隠れてしまいますが、そのうは大人になっても残ります。これは「ご飯を一時的に貯蔵するところ」ですね。さて、お腹を空かせています。ご飯をあげるのは私は当然初めてのことです。雛も必死ですが、当然の如く私も嫁も必死です。物凄い勢いで食べる食べる。で、おなかいっぱいになった後は・・そのうがいっぱいになり満腹でくつろぎます。それからのオネンネ(正常バージョン)。
作り方。
さて、さし餌の作り方を簡単に説明します。
我が家で用意したもの・・
- ヒナ用スポイト(育て親)
- あわ玉
- パウダーフード
- お湯
まず、容器に入れたあわ玉を、沸騰したお湯でふやかします。スポイトでかき混ぜる感じです。ふやかしたらそのお湯は捨ててください。お湯を捨てる理由としては、小さなゴミや埃などが入っているためです。再びお湯を容器に入れます。割合はざっくりですが、あわ玉2に対してお湯1くらいです。そこにパウダーフードを混ぜ、お湯の温度が40℃から42℃になるまで冷まします。パウダーフードは成長過程にもよりますが、あわ玉7の量に対してパウダーフード3の割合を目安にしてください。2度目のお湯の温度は指で触って温かいくらい、ですね。
与え方。
このご飯をスポイトにトントンして入れて、いよいよさし餌です。「キュキュキュキュキュキュ!」と鳴きながら餌を待っています。
うぉおおお!熱烈ですね(笑)。ちなみに、さし餌はもちろん初めてでしたが、最終的には私は嫁に「さし餌マスター」と呼ばれるほどに・・。お腹一杯になって、おやすみタイムです。雛はよく食べ、よく遊び、よく寝ることが仕事です。たらふく食べろよ~。
なつくための飼育方法
優しく声かけをして、愛情持って接すると懐きます。さて、続いて文鳥の懐くための餌の与え方からです。
・人間の手の上で餌を与えよう。
雛から育てる場合は、やはり人間の手の上でさし餌をするというのが大事です。人間の手は怖くない、人間の手は安心すると思ってもらうことです。これは後から聞いた話なんですが、手の上でさし餌をした後、もう片方の手で包み込んであげるのもいいそうです。そうすることによって、手に慣れた文鳥になります。さて、我が家ではさし餌を手のひらに乗せて行っていたので、お腹が空いてきてさし餌の時間になると、「ご飯ー!」アピールをしてきました。手に乗せてさし餌をしたことが、人間の手は怖くない、人間の手は優しいものと雛は分かって、結果今では、なついて手乗り文鳥になってくれました。
・優しく声をかけて愛情をもって接しよう。
そしてなんでもいいので、優しく声をかけてあげてください。気の強い鳥ですが、同時に慣れれば「飼い主ラブ」な文鳥になります。何より大事なのは、「愛情を持って接すること」です。私はSNSに写真をあげたりもしているんですが、「まるで赤ちゃんをあやしているみたいです」というコメントをいただいたりもしました。私自身、無意識ではありましたが、自然と愛情を持って接していたんだなーと気づかされました。我が家に来た時は赤ちゃんで、今では子供のような存在ですね。文鳥からすると、私たちは仲間やパートナーと思ってくれてるようです。見せてあげたいくらいです!この…なついてベッタリ具合を!ここまで手に慣れてくれれば、手乗りはもちろん、階段や撫で撫で、握り文鳥までもう少しです。文鳥が手の上に乗ってピョンピョントと跳ねて遊んでいることもあれば、一方、ゆっくりと腕の上で座っていることもあります。ほれほれー。つんつん。あ、ちなみに文鳥に指先を向ける行為は本来は喧嘩を売る行為なので注意が必要です。何故か家のコは大丈夫です。
・新しい環境に慣れたら動物病院に行こう。
お迎えして、雛が環境に慣れたら動物病院に行きましょう。また下痢や骨折など、なにかあったときにも直ぐに行きましょう。
下痢が多い時は。
しかし、この順風満帆にも思える文鳥ライフですが、実は困難もありました。それが「コクシジウム」と言う病気と「骨折」です。※コクシジウムとは、寄生虫で、消化器系に宿ります。簡単に言えば、文鳥の栄養を奪って繁殖していく病気です。最悪の場合、衰弱して死に至る危険もある病気です。どうやら、最初からコクシジウムを患っていたらしく・・見た目は元気なんですが、症状としては健康なウンチよりも下痢が多かったです。下痢が気になり、動物病院に連れて行ったら、コクシジウムと診断されました。点眼薬の容器に入った液状の薬を用意され、保定(手で体を掴むこと)してクチバシから薬を飲んでもらっていました。しかし、雛からすればいきなり飼育箱に手を入れたと思ったら、掴まれるわけですから、ものすごく抵抗しました。病気を治すためとは言え、可哀想なことをしてしまった、と今でも思います。
骨折してしまったら。
結果だけ言えばコクシジウムは克服出来たのですが、保定中に更なる悲劇が訪れます。保定は私がしていたんですが、その保定中に雛が暴れて、「パキ」と言う音を聞いたんです。嫁は気づかなかったんですが、私はその音が妙に引っかかっていまして。動物病院に連れて行ったら、「右足が骨折しています」と言う診断が出ました。文鳥の骨折には、足に負担がかかるため添木やテープなどをつけることが出来ないと言われました。更に、「自然に骨はくっつきますが、足が内股かガニ股になります」とも言われ・・頭が真っ白になりました。雛のうちから酷い試練を与えてしまったと。私はショックすぎて、病院の帰り道の記憶がないほどでした。結果、足はくっついたんですが、右足がガニ股になりました。暗い話になってしまいましたが、こうした苦労もあってか、より飼い主に心を開き、ベッタリ慣れてくれるようになりました。今では立派な「ガニ股文鳥」ですね。ガニ股でも全く問題なく過ごせています。どのくらい問題がないかと言いますと・・
- 自由に飛べる
- 水浴びができる
- 止まり木にとまれる
- 自分でご飯を食べて水を飲む
出来ないことは・・
- 階段が出来ない
- 左足に重心がいくため、バランスがうまく取れない
ちなみにご飯は、ケージ越しや放鳥時にあげても嬉しそうに食べます。病気を克服出来たのは、家のコの頑張りもありますが、動物病院の先生のおかげでもあります。病気の心配もあるので、雛の環境が変わるお迎えした直後ではなく、新しい環境に慣れてから動物病院に行くことをお勧めします。
まとめ
雛から手乗り文鳥を育てる方法をまとめるとこのようになります。
- 雛をお迎えする環境を整える。
- 保温をしっかりとする。雛にとっての適温は「28~30度」。
- さし餌の温度は「40度~42度」で、指で触って温かいくらいの温度。
- 環境が落ち着いたら一度は動物病院に行こう。
- 懐くためには人間の手から餌を与えて、人間の手が怖くないことをわかってもらう。
- 声かけをする。
- 愛情を持って優しく接する。
一番最後は太字にしてもいいくらい大事なことです。