トルコ原産のターキッシュアンゴラは、その美しすぎるほどの品性がある佇まいが魅力の猫です。体は柔らかでシルキーに輝きます。現在では非常に希少と言われており、トルコでは国宝と呼ばれています。大変歴史の古い猫種の一つです。その特徴や魅力をご紹介します。
生態
洋猫で最も美しく品格がある猫として良く知られているのがペルシャ猫ですが、ターキッシュアンゴラはそのペルシャの祖先であったとも言われています。英語ではTurkish Angoraと書きます。白い長毛の優美な姿がヨーロッパ祖国などの上流家庭に人気となり、中世フランスではマリーアントワネットの愛猫として有名です。シルクのようなつやのある白く細い毛並みが特徴で、尾の被毛はふわっと長めです。細く長い毛が一旦絡むと解けにくく、ブラッシングを、こまめに行う必要があります。
生息地。
中央アジアに生息している、世界最古の猫と呼ばれるマヌルネコから進化しました。それを、タタール人が、現在のトルコ近辺で、イエネコとして飼育しました。アンゴラはトルコ共和国の首都アンカラの古い呼び名です。そのため、もともとの生息地はトルコです。トルコ原産の動物はアンゴラが名前に付くことが多いです。
大きさは?
ターキッシュアンゴラは、バランスの取れた優美で繊細な骨格に、無駄のないしなやかなさが魅力的です。身体は筋肉質で、2.5㎏~5㎏くらいの中型猫です。一般的なイエネコと同じくらいですね。野菜に例えると、トマトが一箱4kg程度なので、それと同じくらいの重さです。胸幅は狭く、前足より後ろ足がやや長く腰高。被毛や体格の成熟には3年ほどかかり、メスよりオスのほうが大きくなります。
餌は?
ネコ科なので野生では小動物を食べて成長します。飼育下ではキャットフードなどを餌として与えます。
寿命は?
ターキッシュアンゴラの寿命は、一般的な猫と同等で、13年~18年となっています。成猫期は3年頃からです。
色
色はホワイトが有名ですが、レッド、クリーム、ブラック、ブルー、シルバー、べっ甲、キャリコ、ダビーなど、さまざまな色とパターンが公認されています。
オッドアイやダイクロイックアイ。
目はまるまるとしたアーモンド形で、目の色はブルー、アンバー、グリーンゴールド、グリーン、オッドアイが認められています。白のターキッシュアンゴラはオッドアイやダイクロイックアイが多いです。
鳴き声
可愛い鳴き声を聞くことができます。やや茶色のターキッシュアンゴラです。
「ニャーオ、ニャーオ」と鳴きながら、周囲の物に興味津々です。飼い主の後を歩いて鳴いています。大きく口を開けて、舌を出しています。
片目を閉じてウインクしていて可愛いですね。
なつく?
割と神経質な気質をもっているターキッシュアンゴラ。気ままで束縛を嫌う猫らしい性格をしています。しかし、人懐っこく飼い主さんに忠実な面も持ち合わせています。多頭飼いをしている家庭や小さい子供が居る家庭では、ターキッシュアンゴラなどの気高い性格の猫は扱いにくいかもしれません。自分が気に入った飼い主には心を許す猫らしい性質ですので、しっかりと歩み寄りが必要になりますね。高貴な身なりとは異なり、行動派で好奇心が強い猫なので、運動が出来る環境を整えてあげることが大切です。
子猫が飼い主の方を真っすぐ見つめています。当然、小さいころから育てると、飼い主さんの後をついてきたりしてよくなつきます。
日本でペットにできる?
ターキッシュアンゴラは、日本でペットとすることは可能です。また、毎日丁寧にコーミングして抜け毛を取り除く必要があります。
値段は?
現在大変希少なため、値段は高額。(30~50万円前後)ペットショップの店頭に並ぶことは珍しく、海外のブリーダーから輸入して購入する必要があるかもしれません。
日本の動物園で見れる?
国内にはターキッシュアンゴラを見ることのできる動物園はありませんでした。あえて動物園で見たければ、トルコに海外旅行をしてアンカラ動物園にいくしかありません。
大学では?
アンカラ大学とアンカラ動物園は協力して、飼育しています。同じトルコのヴァン県に、ターキッシュアンゴラと似たようなヴァン猫がいます。これもアンカラ動物園や、ヴァン・ユズンジュユル大学のヴァン猫研究繁殖センターで飼育しています。
まとめ。希少性の高い猫!
ターキッシュアンゴラは1900年代初期、ペルシャ猫の繁殖プログラムに無差別に取り入れられ、トルコ国外で絶滅の危機に瀕します。長年、長髪の猫はすべて「アンゴラ」と呼ばれていたのです。1960年代に、その純血種を守ろうと、アメリカ人ブリーダーが繁殖計画を実行します。トルコの動物園にいたターキッシュアンゴラが渡米して、繁殖が開始されました。現在でも、ヨーロッパやアメリカではこのターキッシュアンゴラの繁殖を続けています。現在では猫血統登録団体に猫種として公認され、純粋なターキッシュアンゴラが絶滅しないよう、コントロールされています。