うさぎの中でも、小さくて可愛らしいことで人気のネザーランドドワーフがいます。家族の一員として、少しでも長生きをしてもらいたいですよね。長生きさせるコツには、どのようなものがあるのでしょうか。今回はネザーランドドワーフを例に、寿命を延ばすのコツについて、またそれを縮めないためにも注意するべきポイントをご紹介していこうと思います。
うさぎの寿命を伸ばすコツ
ここからは、ネザーランドドワーフを例に、寿命を伸ばすコツや、逆に縮めてしまう飼い方を詳しく説明していこうと思います。筆者の家には、5歳を超えてなお元気なネザーランドドワーフがいるので、その体験談も交えて解説していこうと思います。
伸ばすコツ。
うさぎの平均寿命は5~10年と言われていますが、ネザーランドドワーフはその中でも小型種ということもあり平均寿命は5~6年です。近年では、ペットフードの改良などが進んだことで環境や個体によっては10年ほど長生きすることもあります。寿命の違いは、食事の管理や生活習慣が密接に関係しており、これらを工夫することによって大きな違いが生まれてきます。
食事。
動物が生きていくのに欠かせない食事ですが、食事を与えるときは、どんな食べ物をどのタイミングでどれくらいの量与えるのかを注意するようにします。うさぎの健康面を考えて適切な食事をとることが長生きのコツです。
食事の内容と量。
生後7か月までのうさぎの場合は成長のために多くの栄養素を必要とするため、たんぱく質やカルシウムを多く含んだペレットを与えるようにします。基本的に7か月までの成長期には、ペレットはいつでも食べられる状況にしておくことが良いと言われています。しかし実はペレットというのは栄養の補助にすぎず、主食はチモシーなどの牧草とすることが理想とされているため、ペレットを食べ過ぎて牧草を全く食べない状況になってしまうようならペレットの量を減らす工夫が必要です。逆に生後7か月以後はそれほどエネルギーを必要としないため、チモシーなどの牧草を主食として与え、ペレットの量は一回の食事でうさぎの体重の3~5%を目安に与えるようにしてください。チモシーやペレットは乾燥しており水分不足に陥りやすいため、水を十分に与えることや、水をあまり飲まない子には生野菜を与えるなどの対策をとることが大切です。実際に私の家の5歳のネザーランドドワーフは、一日中チモシーを食べているためペレットを残していることが多いですが、栄養不足になって痩せてしまったことなどはないです。
食事の回数とタイミング。
基本的には朝と夕方の2回あげると良いです。できるだけ同じ時間帯に、同じ量の食事をとることが大切です。1日に1回食事を与える方法でも問題はないのですが、新鮮な食事を与えるという点においては、2回に分けて与える方が良いと思います。ドライフルーツなどのおやつを与える際には、飼い主さんとうさぎのコミュニケーションを大切にし、目を合わせながら手渡しで与えるようにすると良いでしょう。
温度調整。
うさぎは体温調節が苦手な動物です。真夏や真冬は特に、室内の温度がうさぎにとって体調不良の原因となります。室内の温度は20~25度に保つようにするのが理想です。真夏などに一日中エアコンをつけておくのが難しい場合には、風通しの良いところにうさぎを移動して、凍らせたペットボトルをタオルで包んでケージの中に入れたり、扇風機を首振り機能にして遠くから風を当てるようにするなどの工夫をするようにしましょう。私の家のネザーランドドワーフの場合は、真夏はエアコンをつけっぱなしにしていますし、真冬はうさぎ専用の暖かくなるパッド型のヒーターを敷いています。
適度な運動。
うさぎは基本的にはじっとしている動物ですが、あまりにも動かないのは肥満や骨折の原因になります。また、ある程度しっかりと運動することにより、胃腸の働きがよくなります。1日に1回程度はケージから出して、部屋で散歩(部屋んぽ)を行うようにしてください。うさぎ用のおもちゃなどを使って興味を引かせることで、積極的に運動を行えるようになるのが理想です。私の家のネザーランドドワーフは、歩くとついてくる子ですのでおいかけっこをする形で運動不足を解消していますよ。
糞の確認。
うさぎの体調管理を行う上で、糞の状態をチェックするのはとても大切です。いつもよりも糞が小さかったり量が少ない場合や、色が違うなどの場合には病気が隠れている場合がありますので、よく観察するようにしましょう。
ストレスを溜めない。
よく「うさぎは寂しいと死んでしまう」という話を聞きますが、あれは迷信であると証明されています。しかしストレスに弱い動物という意味ではあながち間違っておらず、死因の1位はストレスといわれており、大きな音などにショックを受けて死んでしまうこともあります。日々のストレスも長生きをしてもらうためにはできるだけ取り除く必要があるため、以下のような工夫が大切です。
かじってよいものを与える。
うさぎは本能的に何かをかじる動物のため、ガシガシとかじるものがないとストレスが溜まってしまいます。ペットショップなどで売っているかじるおもちゃやかじり木などを与えるのが良いとされています。チモシーなどの牧草も固くかじりやすいため、いつでも食べられるようにしておきましょう。かじってもよいものを与えることはストレス解消だけでなく、歯が伸びすぎてしまう不正咬合の対策にもなるためおすすめです。私の家のネザーランドドワーフには、かじり木や藁で出来た食べられる巣をプレゼントしました。食べられる家は、1か月もたたないうちにボロボロになって家とは思えない風貌になってしまいましたが、ストレス発散になったのかとても生き生きとしていました。
叱らない。
家具をかじるなどの行為をした際にうさぎを叱りつける人がいますが、これは逆効果です。叱りつけてもうさぎはどうして怒られているのかを理解することができないため、飼い主さんに対して警戒心を高め、その結果ストレスをためてしまうだけです。
環境が変わるときは配慮する。
引っ越しなどで環境が変わる際には、うさぎにとても大きなストレスがかかってしまいます。また、日々のケージの掃除の際などにもストレスがかかります。そのような場合には、うさぎの匂いの染みついたものを近くに置いておくなどの配慮が大切になります。必要でなければ、居場所を変えることは控えるようにしましょう。
静かな場所にケージを置く。
うさぎは耳が大きく音に敏感な動物なので、人通りの多い場所やテレビの横などにケージを設置するとリラックスすることができません。耳をぴんと立てて目を丸くしているようなときは、特にストレスを感じている状態ですので注意するようにしてください。私の家のネザーランドドワーフは、夏の花火大会の音が怖かったようで足ダンと呼ばれる威嚇行為を繰り返しひどく怯えていました。幸い家に防音室が設置されているので、毎年の花火大会の日にはうさぎをそちらに入れるようにしていました。人間でもうるさいと感じるような音はうさぎにとってとても大きなストレスになりますので、花火以外にも工事現場の音や道路の音などにも注意するようにしましょう。
動物病院を探しておく。
急に病気や怪我をしたときのために、すぐに診てもらえるように動物病院を探しておくことが大切です。動物病院は犬や猫の専門の場所があり、うさぎなどの小動物は診察を行っていない場合があります。うさぎをお迎えすることが決まったら、動物病院を探しておくようにしましょう。また、動物病院などの施設に慣れさせるためにも、半年に一度程度の頻度で健康診断を行うようにすると安心です。
愛情をたっぷりと注ぐ。
うさぎは警戒心の強い動物ですので、飼い主さんのそばではリラックスできるように愛情をたっぷりと注いであげてください。ストレスのない環境で、心身ともにリラックスした状態でいられるようにしてあげましょう。うさぎから飼い主さんの方に近づいてきたときは、しっかりとスキンシップを行うようにすることが大切です。
逆に寿命を縮める行動
うさぎを飼育する上で、知らず知らずのうちにしがちなうさぎにとってマイナスのNG行動をご紹介します。
掃除を怠ると良くない。
ネザーランドドワーフはうさぎの中でも特にきれい好きの種類だと言われています。一日中体中をペロペロと舐めて毛づくろいをしています。しかし、そうしても、排泄物などでケージは日に日に汚れていきます。そんなときに飼い主さんが掃除を怠り劣悪な環境になると、うさぎはストレスを感じてしまうようになります。また感染症や皮膚の病気になりやすいです。長生きをしてもらうためにも、ケージやトイレはこまめに掃除を行うようにしましょう。
お風呂に入れるのも良くない。
うさぎはきれい好きで自分で汚れのケアを行うため、お風呂に入れる必要はありません。また、水に濡れること自体がストレスになり、お風呂が終わった後にもよく毛を乾かさないと皮膚の病気になってしまうことがありますのでおすすめしません。どうしてもひどい汚れがあるような場合には、洗い流さないシャンプーやタオルをしようしたり、ぬるま湯をすこしずつかけてあげるようにするようにしてください。その際には、絶対に耳に水が入らないように配慮するようにしてください。私の家のネザーランドドワーフは5年間ほどお風呂に入れたことはありませんが、体はやさしいお日様の香りがします。お風呂に入れなくても十分清潔ですよ。
仰向けにさせるのも良くない。
仰向けになると身動きをとらなくなり、その様子がかわいらしいと話題になりました。しかしこの仰向けにする行為は実は危険といわれています。うさぎの背骨は背中からおしりにかけてカーブしており、内臓を包み込むような構造になっているのですが、仰向けにすると背骨がまっすぐになってしまったり自身の体重で内臓を圧迫してしまうため大きな負担になってしまいます。
ミネラルウォーターを与えるのは良くない。
大切なペットに与える水ということでミネラルウォーターを与える方がいますが、あまりおすすめしません。ミネラルウォーターの成分は人間用に調節されたものになっているため、うさぎの体には合わないことがあるからです。特に、カルシウムが多く含まれている硬水は、尿路結石という病気を引き起こす可能性が高いため与えないようにしましょう。与える水は水道水で問題ないと言われています。消毒用に塩素が含まれていますが、人間と同様に健康に害をきたすほどのものではないです。気になるようでしたら、一度水道水を沸騰させてカルキ抜きをするとよいです。また、ペットショップではうさぎのために成分が調整された専用のミネラルウォーターが販売されているので、そちらを利用するのもよいでしょう。私の家のネザーランドドワーフには、水道水をそのまま与えていますが問題なく健康に育っています。大切なのは、毎日新鮮な水を補充することです。
食べさせていけないものを与えるのは良くない。
人間には無害でも、うさぎにとっては有害な食べ物が存在します。基本的に体に合わないものをうさぎが食べることは少ないですが、誤って食べるようなことがないようにしてください。
ネギ類。
たまねぎや長ネギなどのネギ類は、うさぎだけでなく犬や猫も食べてはいけないものです。ネギ類には動物の赤血球を破壊する成分が含まれており、うさぎにとって有毒なものです。間違っても他の生野菜と一緒に与えないようにしてください。
チョコレートやコーヒーなど。
チョコレートやコーヒーに含まれるテオブロミンやカフェインは、人間にとっては覚醒効果のある成分として知られていますが、うさぎはこれらの成分をすぐに分解することができないため中毒を起こしてしまいます。嘔吐や下痢、痙攣などをはじめとした中毒症状が表れ、最悪の場合死に至ります。チョコレートなどを食べているときに興味をもってうさぎが寄ってきても、決して与えないようにしてください。
まとめ
- うさぎの平均寿命は5~6年
- 室温は20~25度
- 1日1回は部屋んぽ
- 排泄物で健康チェック
- ストレスを溜めない工夫
- 動物病院を探しておく
- 愛情を注ぐ
- 掃除はこまめに行う
- お風呂に入れない
- 決して仰向けにしない
- ミネラルウォーターは与えない
- 食べさせてはいけないものは与えない
ぜひこれらのポイントを抑えて、末永く可愛らしいうさぎと暮らしてくださいね。