雪のように白い豹の仲間である、ユキヒョウです。モフモフとしたイメージがあり、ワイルドな反面、とてもキュートです。この記事では、
- 生態
- 国内の動物園で見れる?
- 絶滅危惧種なの?
などについて、ご紹介します。
生態は?
全体的に迫力を感じる立ち姿ですが、耳が小さく、顔は可愛らしい印象です。尾は太くて長く、斜面や雪上でバランスをとるのに適しており、尾を含めた全身は長い体毛で覆われ、温度の低い高山帯に適応していると言われています。背面が淡灰色や淡黄色で、顔は白く、暗色の斑紋で縁取られた不明瞭な斑紋が特徴です。英語ではsnow-leopardで、漢字では雪豹です。高地や寒冷地で生息している為、体毛は季節によって長さが変わり、夏は2.5㎝、冬は5~12㎝まで伸びると言われています。夜行性で非常に警戒心が強く、野生の個体を観られることは早々ありません。
生息地。
カザフスタン東部から、インド北部、ネパール、パキスタン北部、ブータン、モンゴル、中華人民共和国西部、ロシア南部にかけて生息しています。中央アジア付近ですね。野生のユキヒョウは、標高600~6,000メートルにある岩場や草原、樹高の低い針葉樹林など、非常に寒冷な高地環境に生息しています。ヒマラヤなどの雪の急斜面を駆け下りたりもできます。同じネコ科のマヌルネコも中央アジアの高地に生息しています。
大きさ
ユキヒョウは体長100~150cm、尾長80~100cm、背高60㎝で、尻尾が長いのが特徴的です。体重は、オスが45~55kg、メスが35~40kgで、メスがオスに比べて結構小柄なのがわかります。他の動物と比較すると、同じネコ科のチーターより小柄で、イヌ科のタイリクオオカミと同じくらいの重さです。
餌。
主食はバーラルと呼ばれる、角が特徴的なウシ科の動物です。他にも、アルガリ、ゴーラル、コウジョウセンガゼル、シベリアアイベックス、チベットガゼルなどのウシ科動物も餌として捕食します。ヒツジやヤギ、シカの仲間、ウサギ、鳥類なども食べて成長します。
寿命
寿命は、野生だと約15年、飼育下だと約20年です。一般的なネコ科動物と大差ない寿命ですよね。
赤ちゃんもかわいい。
ユキヒョウの妊娠期間は100日前後で、一度に平均2~3頭を産みます。岩の隙間や洞窟・樹洞で出産します。子供は2年間母親と共に生活をします。ユキヒョウの赤ちゃんもモフモフで、かわいいです。長生きしてほしいですね。
絶滅危惧種なの?
ユキヒョウは、生息数が減少していると考えられ、レッドリストに登録されています。地球温暖化のため、生息地の気候変化や、針葉樹林の減少もあり、ユキヒョウの生息数は減少しています。最新の情報では、生息数は世界全体で4080頭~8700頭と推定され、2015年までの過去16年間に個体数が20%以上減った可能性があると言われています。温厚な性格のユキヒョウです。生息地の環境維持など、ユキヒョウの未来を守っていきたいものですね!
性格
ユキヒョウの性格は温厚です。豹の仲間ではありますが、人間を襲うことはありません。
鳴き声
札幌市円山動物園で飼育しているユキヒョウです。
水を飲みながら「グルルー」と鳴いています。また、他の大型のネコ科動物とは異なり、大声で吠えることができません。のどをゴロゴロ鳴らしたり、「シャーっ」と威嚇したり、ネコのような鳴き声や低いうなり声をあげるのも特徴です。大きく口を開けて可愛いですね。鳴き声は、比較的、猫に似ています。
動物園で見れる?
ユキヒョウは日本でも数か所の動物園で見ることができます。また、1987年に札幌市円山動物園ではじめて飼育下繁殖に成功しています。
<ユキヒョウを飼育している動物園>
- 円山動物園(北海道)
- 旭山動物園(北海道)
- 大森山動物園(秋田県)
- 多摩動物公園(東京都)
- いしかわ動物園(石川県)
- 浜松市動物園(静岡県)
- 東山動植物園(愛知県名古屋市)
- アドベンチャーワールド(和歌山県)
- 王子動物園(兵庫県)
- 熊本市動植物園
熊本市動植物園で熊本地震で被災したユキヒョウは、一時、大牟田年動物園(福岡県)に避難していましたが、現在は新しくなった熊本市動植物園に戻ってきています。
多摩動物公園にユキヒョウに会いに行きました。飼育小屋の後ろには岩山があり、登ったり下りたりすることができるように造られています。涼しい気候を再現するために、クーラーも設置されていました。それでも暑いのか、ハアハアと息を吐きながら歩いていました。
まとめ
ユキヒョウは中央アジアの高地に生息しています。すごく寒冷な場所でした。赤ちゃんもモフモフで可愛かったです。中央アジアの気候の変化や森林破壊などのため、生息数も減少していました。ぜひ、お近くの動物園にユキヒョウを見に行きましょう。