日が暮れてから街中を飛び交う動物がいます。スズメや野鳥ならば鳥目になってしまい飛べないはず、カラスにしては小さいし、では何か?と調べたらそれはアブラコウモリでした。家屋だけを住み家とするので、その習性から「家コウモリ」との別名があります。日本人にとっては身近と言えます。
生態は?
アブラコウモリは市街地を中心とし、平野部などに広く分布しています。その中でも都市部に多く棲息し、夕方の空には普通に見ることができます。住処は家屋の瓦の下、天井裏、換気口などが多く、都市部では、道路や鉄道等の高架や橋の下、大型倉庫内などに住み着く場合もあります。また、夜行性なので昼間は住処で休み、日没辺りから夜間に飛び回るのが特徴です。昔は家に住み着いたりすると縁起が良いと、とされていたのですが、現代ではそのイメージの欠落と共に嫌な感覚が先行しています。単に気味が悪いという理由で嫌がる人が多く、西洋の小説にも影響され「不吉な動物である」という考え方が横行しています。「う~ん、確かに見た感じすごく不気味ですよね、不吉と言われるのも納得です。」英語ではJapanese-house-batです。11月中頃から冬眠に入り、気に入った場所で多数が集まって冬を越します。3月下旬頃冬眠から覚め活動再開です。しかし冬眠中にも暖かい日に飛び回る姿が見られることもありますし、都市部では冬眠しない場合もあります。
大きさ
手のひらにすっぽりと収まる大きさですね。アブラコウモリの頭から胴の長さは4~6cmくらい、体重は5~10g程の大きさです。
餌
食べ物は小型昆虫類を主食とし、甲虫なども餌として食べます。活動としては夕方~2時間くらいが最も活発で、不規則に飛び回っては飛翔昆虫なども捕食します。
寿命
尚、アブラコウモリの平均寿命は15年~20年くらいです。「昆虫類を食べてしまうので、余計に不気味な感じがしますね。でも寿命は思ったより長いです。」
住み着く場所の特徴は?
住み着く場所の特徴としては、アブラコウモリは1.5cmくらいの隙間があれば入ることができるので、民家を探し回り、温かくて適度の空間がある場所を見付け、そこを居住地とします。
動物園で見れる?
アブラコウモリを飼育している動物園は非常に少ないです。上野動物園や京急油壺マリンパーク、京都市動物園で見ることができます。旅行などでお立ち寄りの際は、ぜひ見に行きましょう。
ペットにできるの?
アブラコウモリをペットにできます。しかし、許可が必要になってきます。落ちていたものをみつけただけなら、ある一定の期間(1か月程度)だけ飼育が可能ですが、それ以上の許可申請は通るかどうかはわかりません。ちなみに羽が折れるなどして飛べないコウモリの飼育の延長であれば通るかと思います。また野生では菌や寄生虫を持っている場合が多いです。コウモリマルヒメダニが付いていることもあるので、念の為手袋をして接するようにしましょう。野生では、捕獲するのは難しいですが、巣の辺りには赤ちゃんコウモリが落ちている場合がありますので、そういったものを育ててみるのも良いかと思います。名前を付けて呼んであげると、飼い主にしがみ付いてくるそうです。まずはミルクから与え、その後のエサは生きたミールワームやコオロギを口元に持って行って食べさせます。また、糞の量が非常に多いので、常に掃除してあげる必要があります。
まとめ
コウモリは空を飛べる唯一の哺乳類です。しかし、病原菌を持っていたり、マントのような翼が気味悪かったりで、あまり好かれない動物です。西洋では特に嫌われています。ところが東洋では対照的なところもあり、中でも中国では「幸運の象徴」であると思われているようです。日本でもアブラコウモリと人間が上手く共存できると良いですね。