皆さん、海へ遊びに行かれる際、危険生物がいるかも?と思いながらお出かけしますか?私は海が大好きなのですが、まったくそんなことを考えずに遊びに行っていました。しかし、意外とたくさんの危険生物が潜んでいるのです。海の危険生物と聞いて、だいたい思い浮かぶのはサメとか(実際に海水浴場で見かけることはほとんどありませんが)ですよね。ですが、とても危険な貝がいるのです。貝?と思ったかもしれませんが、今日はそんな危険生物、アンボイナガイをご紹介しましょう。ちょっと変わった、貝とは思えない捕食方法も調べていきます。
生態

アンボイナガイは軟体動物のイモガイ科に分類させる巻貝の仲間です。英語ではGeographic-coneです。その最大の特徴は猛毒を持っているということです。そして沖縄では刺されてしまうことも多数起きています。というか、貝って刺すんだ?ってそこが驚きです。貝殻はコレクションをする人がいるほど綺麗で、何も知らない人が、「わぁ、綺麗な貝だなー。」と手にとってしまい、刺されるということもあります。確かに綺麗なものって手にとって見てみたくなりますよね。それに貝に猛毒があって、刺されてしまうなんてなかなか思わないだろうし。
生息地は?
暖かい海に生息していて、日本では伊豆諸島・紀伊半島以南に分布しています。日本でも結構広く分布していますね。浅海のサンゴ礁に多く生息していますが、夜行性で昼間は石の下などに潜み、人目には付きにくいようです。なので、通常のダイビングやシュノーケリグでこの貝を見ることはほとんどありません。ですが、夜行性なので夜に行うナイトダイビングでは海底をのそのそ歩いている姿を目撃する場合もあるそうです。
大きさ

アンボイナガイはイモガイ科の中でも大きい方で、殻高10cm前後、大きいもので13cmを超えます。
餌は?

小魚を餌として食べます。次の動画は、すさみ町立エビとカニの水族館で撮影された、アンボイナガイの捕食シーンです。なんとかお魚を麻痺させて眠らせて捕食しています。最近の研究では、毒以外にも小魚を眠らせる物質を放出しています。
小魚が動かないようにして、かなり苦労して小魚を捕食しています。かなり時間をかけて捕食している様子がわかります。
どんな毒がある?
イモガイは食性が「魚」「虫」「貝」と3つに分かれていて、アンボイナガイは魚食性です。そしてこれがやっかい。動物を麻痺させる毒を持っており、人間にもこの毒の効果があるからなのです。そして、その魚食性の中でも、一番毒が強いのがアンボイナガイなのです。この毒は、毒性の強いインドコブラの37倍です。37倍って!いくら大き目の貝とはいえ、こんな小さな貝なのに、ヘビよりも37倍もの毒を持っているなんて誰も思いませんよね。刺されてすぐの痛みはそんなにありませんが、数十分すると激しく痛み、危険な状態となることもあります。このことから、海のスズメバチなどと呼ばれ、沖縄では猛毒ヘビのハブにちなみ「ハブガイ」とも呼ばれています。恐ろしすぎる…。またアンボイナガイは獲物の小魚を獲るために歯舌歯(しぜつし)と呼ばれる銛のようなものを持ち、ウエットスーツも貫通させてしまうほどの威力を持ちます。ダイビングのウエットスーツって5mmあるんですけど、それを貫通してしまうとは強いですね。ですので、手袋をしているから安全。ということは一切ありませんね。
もし刺されてしまったら?
まずは刺されたと分かった時や異変を感じた時には速やかに浜へ戻りましょう。また、すぐにライフセーバーなどまわりの人に助けを求めましょう。できたら、毒を吸い出して、とにかく早急に病院にいきましょう。
食用になる?
実は食べると美味しいようです。売られているものは安全ですが、自分でとるのは大変危険ですので、やめておいた方がよいです。
見ることのできる水族館は?
沖縄美ら海水族館のサンゴの部屋や、すさみ町立エビとカニの水族館などで見ることができます。すさみ町立水族館のホームページでは、アンボイナガイの卵の動画も見れますよ。沖縄美ら海水族館のサンゴの部屋では、ほかにも海洋の危険生物がたくさん飼育されています。
ペットにできる?
まさに、アンボイナガイなどイモガイの仲間は危険なので、自宅のアクアリウムでペットにするのは危ないですね。ぜひ水族館に見にいきましょう。
まとめ

アンボイナガイから人を襲うことはなく、被害の多くは、食用の貝と間違って拾ってしまったり、綺麗な貝があるといって思わず手を伸ばした際に刺されるケースです。また、拾った貝をポケットや袋に入れて、その袋越しに刺されてしまう場合もあるようです。知らない生物をむやみやたらに触らない、持ち帰らないほうが良いということですね。海に遊びに行く際には気を付けて遊びたいですね。