私は海の近くに住んでいるのですが、先日漁協へ行くと「ヒョウモンダコを見つけたら触らずにご連絡ください。」というポスターを見かけました。

はて?ヒョウモンダコとはなんだろう?

ということで、今日は猛毒も持つヒョウモンダコをご紹介しましょう。

ヒョウモンダコの毒はどのくらい危険なの?

ヒョウモンダコに咬まれると、運動神経が麻痺し、言語障害、嘔吐などの症状が起こります。この時点で結構やばいですよね。一緒にいた人が、言語障害でさらに嘔吐されたら私パニックになってしまう!

重症の場合には、呼吸困難から酸素不足になり、心停止し、死に至ることもあります。しかも咬まれてから短時間(約90分)で死に至ることもあるのです。

そしてさらに怖いのは、意識がはっきりしていることです。つまり苦しみながら死ぬことになるのです。せめて、あなたの毒で意識ももうろうとさせてくれー!って感じですよね。

苦しみながらとか一番嫌なパターンですね。

ヒョウモンダコの毒ってどんな毒?

ヒョウモンダコが持つ毒にはフグと同じテトロドトキシンという猛毒が含まれています。テトロドトキシンには、いまだ解毒剤がありません。テトロドトキシンは加熱しても分解されず、口からの摂取においては、なんと青酸カリの850倍もの毒性を持つのです。

危険と知らずに普通に食べてしまったり、口を咬まれたら最悪ですね。850倍ってすごすぎて逆に想像出来ない。

しかし、迅速に人工呼吸などの適切な処置がなされれば救命率は高いとされています。

体内に吸収されたテトロドトキシンは、人体内で代謝によって分解されて無毒化されて排出されます。体外に無毒化されて排出されるまでの時間は、およそ24時間程度だと言われています。

それまでの間、神経麻痺にとって、窒息死しないように人工呼吸を続けることが必要なのです。

ということは、ヒョウモンダコの毒によって直接的に心停止することはないということですね。処置を間違わないことと、どんな生物に咬まれたかをきちんと把握しておくことが重要です。

咬まれたらすぐに病院へ行きましょう。間違っても毒を口で吸い出そうとはしないで下さい。患部より心臓に近い部分を縛り、安静にすることも大切になります。

というのも、動き回ると毒がまわるのが早まる恐れがあるそうです。

また小さい子どもは体が小さいため、咬まれた場合大人よりも危険です。

小さい変わった色をしたタコを見たら触りたくなるかもしれませんが、大変危険なので海遊びをする前にしっかり勉強しておいた方がよさそうですね。また大人も子どもから目を離さないよう気を付けましょう。

ヒョウモンダコの生態

体長は10cmほどの小型のタコです。他のタコと同様に体色を変化させることが出来ます。

普段は岩や地面に擬態しているため、茶色い体色をしていますが、攻撃を受けると一気に黄色へと変色し、青と黒のヒョウ柄が現れます。これはもちろん、警告色。自分には毒があるぞと周囲に伝えているのです。このヒョウ柄模様からヒョウモンダコという和名が付きました。

そしてヒョウモンダコは攻撃を受けると敵にまとわりついて咬みつき、猛毒の唾液を敵の体へと流し込んで攻撃し返します。

他のタコと同様に肉食性で、カニやエビを捕食しますが、捕まえられるならば魚類も食べます。

母の愛が大きいヒョウモンダコ

オスとメスが出会うと、交尾をします。交尾はメスの中に十分精子嚢が入るまで何度でも続きます。

ここからが泣ける話。みなさん、ハンカチのご用意を。

秋の終わりごろメスは一生に一度だけ卵を50個ほど産みます。産むとすぐにその卵を触手で抱えます。この状態が6か月間続き、この間メスは食料を取らず、卵が孵化するとメスは体力を使い果たして寿命を終えます。

すごすぎません!?私なんて息子がお昼寝中、必ずおやつを食べますよ。子どもたちのためにここまで出来るなんて。

そして、幼生は次の年には成長し交尾が出来るようになります。

ということは、母が一生懸命守った中の、メスの子は次の年には母と同じ運命をたどるのです。。。切なすぎますね。そうやってヒョウモンダコは生き延びてきたのですね。

ヒョウモダコに天敵はいるの?

猛毒を持つ、ヒョウモンダコですが、実は天敵がいます。それはコウイカ。まさかのイカ!!

コウイカはヒョウモンダコ等が持つテトロドトキシンに強い耐性を持っており、ヒョウモンダコを食べることが出来るのです。

ヒョウモンダコの生息地は?

ヒョウモンダコは熱帯や亜熱帯の海の浅瀬に生息していて、日本では沖縄や九州あたりでしか見かけませんでした。が、地球温暖化の影響で生息地がどんどん北上しています。

現在、四国、山口、島根、鳥取、兵庫、京都、福井、大阪、和歌山、三重、静岡、神奈川、千葉など目撃例が増えてきています。

昔は、沖縄の海に遊びに行ったら気を付けよう!と言った生物だったのが、現在では千葉まで伸びてきているのにはとても驚きますね。地球温暖化がいかに進んでいるかがよく分かります。

ヒョウモンダコは食べられる?

ヒョウモンダコはフグと同じように毒の部分(唾液線)を取り除けば食べられます。しかし、普通のタコの同じ味だそうです。

だったらもっと大きい普通のタコを食べたいですよね。しかも、一歩間違えば毒を食べちゃうかもしれない危険もあることだし。

ヒョウモンダコは飼育出来る?

ヒョウモンダコは小さく綺麗なタコなので、好んで飼育する人もいるそうです。

ですが、猛毒を持っているということはお忘れなく。また、ゴム手袋をして触ろうとする人もいるそうですが、これは大変危険です。タコの歯はとても強く鋭いので、ゴム手袋を破る可能性もあるからです。

単独飼育が好ましく、飼育する際の水温は20℃から28℃くらいと広範囲ですので25℃に合わせておくと良いようです。

まとめ

私はポスターを見た際、ここまで危険な生物とは知りませんでした。そして夏には小さい息子を連れて海水浴へ出かけます。見かけないことが一番いいですが、見かけてしまったらすぐさまその場から離れ、漁協へ連絡しようと思いました。でもやっぱり、一生出会いませんように。