その名前の通り、ゴールドっぽい赤茶色が可愛いネコ科の動物です。英語ではAsian-golden-catです。別名で、オウゴンヤマネコ、コガネヤマネコ、テミンクネコとも呼ばれています。耳が丸く、顔はトラに似ていて、愛嬌のある顔をしています。この記事では、
- 生態
- 国内の動物園で見ることはできるの?
- 生息数減少の問題
などについてご紹介します。
生態は?
野生での姿をとらえるのが困難で、記録にあるのは飼育下の個体です。はっきりとした個体数もわかっていません。夜行性では?と考えられていましたが、最新の研究では不規則な生活を送っていると報告があります。色は単色と斑紋型に分けられ、単色型だとキツネのような栗色が多いですが、黒や灰色も確認されています。斑紋型は中国に生息しており、オセロットやベンガルヤマネコのような美しい黒の斑紋があります。耳が丸くて小さく、鼻は短め、丸い顔が可愛いです。また、アジアゴールデンキャットと似たネコ科動物に、アフリカゴールデンキャットもいます。顔の様相は異なりますが、どちらもゴールドの色が綺麗なネコ科動物です。
大きさ
アジアゴールデンキャットの体長は75~105cmです。尾長は43~56cmです。体重は大きいもので、15kgほどです。同じネコ科のボブキャットと同じくらいの重さです。家猫の2~3倍くらいの大きさです。
餌は?
主に地上で生活するため、地上に巣を作る鳥類やトカゲ、ウサギなどの小さな哺乳類、げっ歯類を餌として捕食します。時には家畜である小型の牛なども食べます。食事における順応性が高いです。狩りは、つがいで行うこともあり、ネコ科の動物では珍しいと言われています。
寿命
動物園などでの飼育下ではアジアゴールデンキャットは20年ほど生きます。野生では、なかなか見つからず、その寿命はよくわかっていませんが、20年よりも短いものと思われています。
生息地は?
アジアゴールデンキャットはその名の通り、アジア各地に分布しています。主に山地の落葉樹林や常緑樹林、熱帯雨林といった森林地帯に生息しており、時には標高3500m以上の高所にも姿を見せます。
森林の中を歩いている野生での、貴重な動画です。インド東北部、チベット、ネパール、ブータン、ミャンマーからベトナムに至るインドシナ、マレー半島、中国南東部、インドネシアのスマトラ島にも生息が確認されています。
生息数が減少している理由。
準絶滅危惧種に分類されています。生息地の環境破壊や、開発などのため、その数は減少の一途をたどっています。森林開発や道路建設などにより、森林が分断されています。そのため、生息域が狭められています。アジアゴールデンキャットのようなネコ科の動物はたくさんの餌を必要としますが、環境問題のため餌となる小動物も減少しています。これが、生息数が減少している理由です。
繁殖は?
野生での繁殖の様子などが記録されておらず、恐らく一年を通して繁殖が可能ではないかと考えられてます。メスは約40日ほどの間隔で発情期が来て、妊娠期間は80日~95日程度です。一度の出産に1匹が基本で、多いと3匹ほど恵まれることもあります。赤ちゃんは9~12ヶ月で独り立ちし、1年~2年かけて成熟します。
鳴き声
ドイツにあるヴッパータール動物園で飼育しているアジアゴールデンキャットの動画です。
動画の4秒あたりから、あくびのような「ウニャーウ」と鳴き声を聞くことができます。口を大きく開けているアジアゴールデンキャットの表情です。
少しペロリと舌を出して、可愛いですね。
日本の動物園で見ることができる?
以前、群馬サファリパークと天王寺動物園で飼育されていましたが、現在は国内で飼育している動物園はありません。
ペットにできる?
海外では、アジアゴールデンキャットを飼育しているかたもいます。
床にゴロゴロと寝そべったりしていて、飼い主に懐いて、可愛いですね。国内で飼育するためには、都道府県知事の許可が必要です。そのため、個人で飼育することも難しいでしょう。日本の動物園でも飼育していないので、どうしても見たいという方は、海外旅行して海外の動物園に行きましょう。
まとめ
開発など環境問題のため、生息数も減少していました。アジアゴールデンキャットは、飼育がとても難しいと言われており、現在は国内の動物園でも見ることはできません。しかし、アジアでは各地に生息しているので、いつか見てみたいものですね!世界の動物園だと、ドイツで3か所の動物園で飼育されていることが確認できました。