白菜を小さくして先をとがらせたような形をしており、ほのかな苦みとさくっとした食感が特徴的で、葉を1枚ずつちぎってサラダやオードブルなどに使う野菜があります。このチコリーという植物はめったに聞くことがないですよね。その大きさや味、保存方法、旬などを説明していきます。ソテーやグラタンなどの調理法も!
生態や豆知識

キク科の多年草です。「リーフチコリー」は日本独自のものだと思いますが、「葉っぱを食べるチコリ」という意味で命名されました(諸説あります)。多年草ですので根っこも立派に成長していくのです。日本では英語の「チコリー(chicory)」で流通している事が多いですが、「アンディーブ」というフランス名で店頭に並んでいることもあります。その根を乾燥させて焙煎したものは「チコリーコーヒー」として商品化されています。また「ハーブコーヒー」とも呼ばれています。漢字では菊苦菜と書きます。

チコリコーヒーとは根の部分を乾燥させたものを焙煎して作られたコーヒーのことです。通常のコーヒーとは違い、豆から焙煎していません。チコリ自体を焙煎してコーヒーを作っているので、ノンカフェインです。そのため、カフェインを摂取したくないという方、摂取できないけどコーヒーを楽しみたいという方々に親しまれています。さらに睡眠の邪魔にもならないので、ぐっすりと眠る事ができます。最近では、インスタントとしても販売されていますので、牛乳を混ぜて飲んでみたり、豆乳と混ぜて飲んでみたり、という方法も楽しめます!飲みすぎもほどほどに、美味しく味わってください(^^
原産地。

白菜の芯とよく間違えられるチコリーですが、実は高級野菜の一つなのです。タンポポやレタスと同じキク科の植物でヨーロッパ原産のハーブです。そのルーツは偶然の発見によるものです。19世紀頃、ベルギーの地下室に保存してあったチコリーの根の部分に白い白菜の芯のようなものが出ているのを偶然発見したのが始まりです。その後、栽培法が開発され、水耕栽培が一般的です。
色

野生のチコリーは緑色の葉っぱがタンポポのように広がっていて綺麗な青い花をつけます。スーパーで売られているチコリーは根の部分だけを掘り起こして日に当てず栽培するため、色が白い野菜になったものです。白いチコリーや紫色のチコリーがあります。一枚ずつ剥がして舟形になることを活かし、おしゃれなオードブルなどに出されることが多いですね!ヨーロッパのレストランなどではよくつかわれるお野菜ですが、日本では目にする機会が少ないです。食物繊維が豊富であることでも知られています。

さらにチコリーの代表としてホワイトとレッドの二種類があります。レッドは色味も鮮やかで焼いてしまうと色が変色してしまいますので、特に生で食べることがおすすめです。ホワイトは生でももちろん、焼いても焦げ目になる程度で変色はしないので、グラタンなどに使ってください(*^^*)

赤い葉のものがありますが、こちらは同じキク科キクニガナ属の「トレビス」という種類に分類されます。少しややこしいですね。
大きさ

成長すると地上の茎の高さが1.5mほどになり、青い花を咲かせます。市場に出回るチコリーは長さが15cm~20cmで、重さが100g~200gです。

両手で包み込むほどの大きさです。白菜よりは小さめです。
値段。

一本250円ほどで販売されています。無農薬のものだと一本400円ほどです。
見分け方。

お店で選んで買う際には、主に葉や葉先を見ましょう。チコリーは葉物で乾燥に弱いため、葉の部分が黄色のもので元気でハリと艶があるものを選ぶとよいです♪葉先がしおれてしまったものや茶色くなってしまったものは避けたほうが無難です。全体的にふっくらしていてキズがなく、切り口が新鮮で茶色く変色していないものを選びましょう。巻きがしっかりしたものを選ぶと良いです♪
鮮度のいいものとは?

基本的にチコリーは生のまま食べる事の多い食材なので、鮮度の良いものを選びます。鮮度のいいものは持った時に身が締まっていて少し重みがあります。
保存方法

チコリは日本ではあまり馴染みのない野菜ですが、ヨーロッパではとてもメジャーな野菜です。水分、タンパク質、食物繊維、葉酸、カルシウムなどが含まれ、栄養価がとても高い野菜なんです。
常温では。
鮮度が命のチコリは常温保存には向きません。
冷蔵では。
チコリは乾燥しやすく、しなびやすいため、濡れたキッチンペーパーでくるみ、さらにその上からラップでくるみましょう。そして、ビニール袋などに入れ、立てて保存します。この状態でも2~3日しか持たないので、なるべく早く使い切るようにしましょう。鮮度が命です。より長持ちさせるためには葉を一枚ずつはがして使用し、使いかけのものはラップで包み、野菜室で保存するようにしましょう。カットして使った場合はの保存期間は1~2日です。葉を1枚ずつはがして使用したほうが長持ちします。
冷凍では。

常温保存と同様、チコリは冷凍保存にも向きません。
味

チコリーには、カリウムがたくさん含まれています。またチコリ酸が含まれていて苦いです。苦いのが苦手な方はネギ類のように水にさらすと苦味が少なくなります。加熱料理にも使用できますが、紫色のものは色落ちすることもあるのでオードブルなど生食のほうがおいしくいただけます!しゃきしゃきした食感を楽しめるチコリーなので、ぜひサラダに合わせて楽しんでくだい!
匂い。

チコリコーヒーができるように、根の部分は少しコーヒーのような香りがあります。葉の部分はすっきりした香りです。
食べ方。
生のまま食べる事が出来ます。レタスなどと混ぜてサラダにしたり、葉を1枚ずつ器のようにしてハムやトマト、ゆで卵やアボカドなどをのせて前菜にするのもおすすめです。トマトやアボカドなどの色を加えるだけで彩りが豊かになり、食卓も華やかになります。チコリーにはサラダナのような苦味が少しありますが、この苦みは加熱すると少し和らぐので苦手な方は、グラタンや煮込み料理、天ぷらなどに利用してもよいでしょう!ここで、簡単なレシピ(作り置き以外)を紹介します。
バジルソテー
*材料(2人前)
- チコリー 2個
- バジル 4枚
- ニンニク 1片
- 塩 ふたつまみ
- オリーブオイル 小匙2
- オリーブオイル(仕上げ用) 小匙2
- 黒コショウ(仕上げ用) 適量
調理方法
- チコリーは縦に半分に切り、バジルはみじん切りに、ニンニクもみじん切りにします。
- 中火で熱したフライパンにオリーブオイルをひき、ニンニクを入れます。
- ニンニクの香りが立ってきたら、チコリーを入れて中火で焼きます。
- 両面に焼き目がついたらバジルと塩を加えてさっと炒めます。
- お皿に盛り付け、お好みでミニトマトを添えオリーブオイルをかけて完成です。
バジルは香りを活かす為に最後に加えてさっと絡めましょう。塩加減は、お好みで調整してください。
サーモンと彩り野菜のチコリカップサラダ
*材料(4人分)
- サーモン 30g
- 胡瓜・黄パプリカ 各10g
- チコリ 4枚
- ミニトマト 2個
- ■玉ねぎ(みじん切り) 大匙1
- ■オリーブオイル 小匙1
- ■酢 小匙1/2
- ■塩 ひとつまみ
- ■こしょう 少々
調理方法
- サーモン・胡瓜・パプリカは1㎝角に切ります。チコリーは一枚ずつはがし、トマトは8等分、玉ねぎはみじん切りにします。
- ■の材料をよく混ぜてドレッシングを作ります。
- ドレッシングにサーモン・胡瓜・パプリカを加えて和えたら、チコリーに盛って完成です。
見た目も華やかで、手でつまんで食べれる前菜なのでパーティーにもぴったりの一品です!ポイントとして、ドレッシングはよく混ぜてから具を加え、和えましょう。
グラタン
*材料(2人分)
- チコリー 1個
- ハム 2枚
- 牛乳 60㏄
- ピザ用チーズ 30g
- 塩 少々
調理方法
- チコリーは根元の硬い部分を切り落とし、縦に1/4等分に切って、半分に切ったハムを巻き付けます。
- 耐熱皿にチコリーを並べて牛乳を注ぎ入れ、塩を全体にふってチーズをのせます。
- オーブントースターで8~10分ほど焼いたら完成です。
ハムやチーズと一緒に焼くことで、チコリーの苦みがマイルドになります。お子様でも食べやすい一品に!
焼きタケノコとチコリーのマリネ
*材料(4人分)
- タケノコ 1/2本
- 赤チコリー 1個
- フェンネル あれば
- ■白ワインヴィネガー 大匙1
- ■レモン汁 大匙1
- ■塩 少々
- ■粗びき黒コショウ 少々
- ■すりおろしにんにく 小匙1/2
- ■粒マスタード 大匙1
- ■オリーブオイル 大匙4
調理方法
- タケノコは一口大に切り、赤チコリーは1枚ずつ外します。フェンネルはやわらかい葉の部分をつまんでおきます。
- タケノコはグリルパン(魚焼きグリル)で焼き目がつくまでじっくりと焼きます。
- ■の材料を全てボウルに合わせよく混ぜ、タケノコが熱いうちに加えてよく和え、馴染んだら赤チコリーを加えます。(あれば)フェンネルを散らし、常温30分ほどで完成です。
タケノコの食感が楽しめる一品です。ワインのおつまみにもとても合うのでオススメです!
あまり作り置きには向かないので、どう調理しようか毎度迷う食材の一つですが、私がよく作る作り置きレシピをご紹介します!
ソテー

*材料
- チコリー 2個
- オリーブオイル 大匙1/2
- 塩コショウ 適量
- お好みでワインヴィネガー 大匙1
調理方法
- フライパンを温めオリーブオイルを引きます。縦に切りさっと強火で2分ほど炒めて焦げ目がついたらお皿に移します。
- 塩胡椒をして味を整え、上からワインヴィネガーをかけて完成です。
とても簡単に作れて作り置きもできるので、あと一品足りないなーと感じた時や、パーティーの際にとても重宝しています。さっと炒める事で甘みが増し、とても美味しくなります。さらに仕上がりにお好みでオリーブオイルを上からかけても美味しいですので、お試しあれ!作り置きおかずとしてぴったりですが、美味しく頂くためには4~5日以内には食べきるようにしましょう。
献立例
- サラダ。ニンニク・アンチョビをオリーブオイルで炒めチコリーにのせて完成です。クルミなんかを散らしてもおしゃれでいいです(*^^*)
- カナッペ。オリーブオイル・ケイパー・レモン汁・塩コショウで作ったマリネ液に浸したスモークサーモンをのせて完成です。冷蔵庫で冷やしたものを乗せるとさらに美味しさアップ間違いなしです!
- ミートソースチーズ焼き。余ったミートソースとチーズをチコリーにのせ、オーブンレンジで10分焼けば完成です。ワインのお供にピッタリな一品です!
- 天ぷら。揚げたチコリーは塩や天つゆで頂いても美味しいです!
そのままでも、カップとして使っても、蒸しても、揚げても美味しい多種多様に使えます。美味しそう!と思ったレシピには、ぜひチャレンジしてみてください(^^
旬や美味しい季節
リーフチコリーは夏から秋に種を蒔き、晩秋から冬にかけてが収穫時期ですので、冬が旬の時期となる野菜です。主に10月~3月の間に収穫できますが最も美味しい時期は11月~2月の間です。市場に出回る時期は1月~3月頃でしょう。
花や季語

キク科なので花の形は菊に似ています。色は青で可愛いです。チコリの花は夏の季語です。花言葉は「待ちぼうけ」や「節約」です。ここで俳句を一句。「青々と チコリの花壇 待ちぼうけ」
植物園で見れる?
埼玉県狭山市にある都市緑化植物園でチコリーを見ることができます。
餌として食べる動物は?

リクガメは餌としてチコリーを食べます。東ヘルマンリクガメが美味しそうに野菜を食べています。このインターネット上の動画では、リクガメにチコリーを餌として与えています。
リクガメたちも食いつきが良く、集中してモグモグと食べています。
まとめ

紫や白のチコリーがありました。基本的には新鮮なうちにたべる野菜ですが、コーヒーにしたりと、色々な食べ方がありました。花は菊に似ていて青色をしていて可愛かったです。