最近では、ホクホクしていたり、しっとりしていたり、ねっとりしていたりと、スーパーでもたくさんの種類のさつまいもを目にします。名前はよく聞くけど、どれがおいしいの?何がちがうの?考えてしまいますよね。どんな味がするのか、また、どのようなものを選んだらよいのかを説明していきます。また、その大きさや花についても!
さつまいもの生態や豆知識
ヒルガオ科サツマイモ属です。原産地はペルーやメキシコなどの中南米です。17世紀初頭に琉球を経由して、薩摩(現在の鹿児島県)で栽培が始まったのが、その名前の由来です。英語ではsweet-potatoで、漢字では甘藷です。
種類
今は全国に様々な品種のさつまいもを見かけますが、品種ごとに各地域の農家の皆さんなどが、その土地でおいしいさつまいもを作ろうと、努力をされた賜物です。それを頭にいれつつ、楽しみたいですね♪
大きく3種類に分けられます。
- ホクホク系
- しっとり系
- ねっとり系
それぞれを見ていきます。
〈ホクホク系〉
高系14号から派生した品種が多く、黄色くて昔ながらのホクホクとした食感と甘さが特徴です。
●鳴門金時
焼くと甘みがでるので、焼きいもに向いています。栗のようなホクホク感と高い糖度が特徴で、お菓子によし、蒸したり、茹でたり、揚げたりしてもよし!四国徳島の鳴門の名産品です。
●紅さつま
鳴門金時によく似ている品種で、ホクホク感と強い甘みが特徴です。なので、焼きいもにも向いていますし、お菓子や料理にも使えます。鹿児島が主な産地です。
●紅あずま
これもホクホク感と強い甘みが特徴です。焼きいも以外にも様々な調理方法で調理できます。焼きいもにすると、昔懐かしい焼きいもの風味が味わえます。主な産地は関東地方です。
〈しっとり系〉
しっとりしていて、加熱するとねっとり感もでてきます。
●紅はるか
「はるか」に甘い紅はるかで、甘さは安納芋と同等ですが、安納芋と違うのはやはり「しっとり感」。強い甘みと昔ながらのしっとり感もあり、ホクホク感もある、いいとこ取りのさつまいもです◎焼きいもやふかし芋では、驚異の甘さになるので、焼きいもは欠かせませんね♪紅はるかは、新しい品種で、生産が多いのは九州です。
●シルクスイート
「シルクのような食感」のシルクスイートで、上品な舌触りで女性の人気を集めているようですよ!程よい甘みと滑らかなところが、人気の特徴です。こちらも新しい品種で、茨城や福島が主な産地です。
〈ねっとり系〉
蜜も含んでいるため、さらにねっとりします。
●安納芋
時間をかけて加熱すると糖度が40度になるという驚きの甘さ、スプーンで救えるほどクリーミーな舌触りで、ねっとり系の代表格です★焼きいもに最適‼︎種子島の特産になります。
まだまだ、さつまいもの種類はありますが、主なものを挙げてみました。
他にも馴染みのあるものですと、紫いもでしょうか?
〈紫いも〉
パープルスイートロードは、紫芋の中では焼きいもにも向いていて、甘みが強いです。しかし、アヤムラサキは、焼きいもにあまり向いておらず、チップスなどに向いています。
大きさ。最大は?
サツマイモは肥大化した塊根の部分なので大きさはさまざまです。大きいものになると一個で3kgを超えるものもあります。日本最大だと9.4kgという記録があり、世界最大だと11.3kgという記録があります。
スーパーで買ってきたパープルスイートロードの長さは29cmで、重さは484gでした。
巻き尺で計測すると、周囲の長さ(円周)が18cmなので、直径(太さ)は5.73cmです。細長い形をしています。
スーパーで買ってきた鳴門金時の長さは22cmで、重さは665gでした。
周囲の長さ(円周)が25cmなので、直径(太さ)は7.96cmでした。ずんぐりむっくりしています。
スーパーで買ってきた高系14号の長さは20cmで、重さは328gでした。
周囲の長さ(円周)は17cmなので、直径(太さ)は5.41cmでした。
選び方。
さつまいもを選ぶ時、判断するポイントが沢山あります♪完全に条件が揃わなくても、なるべく多くの良い条件がそろったものを選ぶようにしましょう!!まず、皮の色が均一で、シワがなく、ツヤやハリがあるもの、濃い赤紫色の色鮮やかなものを選びます。表面にデコボコが多くあるものや傷があるものは避けます。また、黒く変色した斑点があるものは、味が落ちている証拠ですので、気をつけて!これは、運ばれてくる途中で、できてしまった変色で、低温にさらされて、できてしまったものです。ただ、両端の切り口にネットリと黒いものがある場合は、蜜が染み出した跡で、甘い証拠ですよ♪触るとベタっとなることもあります。それから、芽のあるものは栄養を吸い取られて味が落ちていますし、長いヒゲ根や太くて硬いヒゲ根が多くあるものは、スジっぽい食感になるのでNG。形は、ふっくらとラグビーボールのような丸みのある物を選ぶとよいです。もし、同じ大きさのもので迷ったら、手に持ってみて、ずしっと重みを感じる方を選びましょう。
値段。
収穫後の9月から2月にかけてが一番安く、青果市場では1kgあたり240円前後です。6月ころが一番高く、1kgあたり320円前後です。
上の画像は、左から、一本当たり258円の鳴門金時と99円の高系14号と198円のパープルスイートロードです。
旬。
さつまいもは、夏から秋にかけて収穫されるのがほとんどですが、ひと月ほど寝かせると甘みが増すものや、ねっとり感が出るものもあります。収穫されてすぐのさつまいも、冬に店頭に置かれるもののあじを比べてみるのも楽しいかもしれません。そのため秋が収穫の旬で、味の旬は冬ともいえます。その時期が値段も安く入手できます。当然、焼き芋を食べたくなる季節でもありますね。
味覚
さつまいもは、おかずからスイーツにまで、様々な調理方法で調理できる、主婦にはありがたい食材です。といっても、やっぱり、焼きいも!皮ごと食べれば、美白に嬉しいビタミンCもたっぷり摂れますし♪お家でなら、トースターやグリル、オーブンレンジの機能を使う調理方法もありますね。
ホクホク感を楽しめる、蒸したさつまいも(ふかし芋)も美味しいです。蒸し器で30分程じっくり蒸したら甘くて美味しい味のふかし芋の完成。甘みは減りますが、時短でさつまいもを蒸したいなら、レンジでも出来ます。焼きいもやふかし芋はわざわざ切らなくても調理できるのが嬉しいですね。焼きいもやふかし芋の次にメジャーなのはやはり、大学芋でしょう!外はカリカリ、中はホクホクに揚げたさつまいもに飴をからめ、黒ごまを振りかけて、熱々のうちに食べたいですね。揚げるといえば、さつまいもの天ぷら‼︎ジューシーな衣がさつまいもの甘さとよく合います♪その他にも甘辛く煮て、煮物にしたり、マッシュしたさつまいものポテトサラダやコロッケ、さつまいものチップス、ポタージュ、炒め物にしても良いですね。スイーツで言えば、スイートポテトでしょうか?最近では、人気アニメの『おしり探偵』で子供たちにも馴染みのあるスイートポテト♪テーマソングを歌いながら、紅茶と食べたいですね(笑)。それから、芋羊羹に芋きんとん、干し芋や芋けんぴ、洋菓子にも蒸しパンやクッキー、パウンドケーキ、プリンに入れたりしてアレンジできます。さつまいもは、スイーツにも相性抜群!万能ですね。
保存方法
さつまいもを常温保存するときはまず水で洗って泥を綺麗に落としてから風通しの良い日陰に保存します。この時は洗ったさつまいもを新聞紙などで拭いて、その後他の乾いた新聞紙に包んでからネットに入れるなどしてベランダに置くと、1週間くらいは持ちます。
冷蔵の場合はあまりおすすめできません。
冷蔵庫に泥が落ちないようにと洗ってしまうと、さつまいもに残った水気と、冷蔵庫の密閉された環境でカビが生えやすくなってしまいます。
おすすめは冷凍保存です。
丁寧に洗ったさつまいもを水気をある程度切った状態で一口大、もしくはその後の調理に合わせた大きさにカットして密封できる保存バッグに入れて冷凍します。大量に冷凍する時は調理1回分ごとに袋を分けると便利です。冷凍保存するとさつまいもの繊維が壊れるのか、取り出して調理するときに繊維が柔らかくなり、ほくほくの状態になりよりおいしく食べられます。冷凍保存でも2,3週間以内に使い切った方が氷やけしないでおいしく食べられます。
調理方法
美味しい食べ方を紹介していきます。
〈レンジでふかし芋〉
濡らしたキッチンペパーでさつまいも1本(200g)を丸ごと包み、さらにラップで包んで、レンジで5〜6分程度(500,600w)加熱すれば出来上がり♪レンジ機能によって、加熱時間を調整してください。
〈トースター(グリルでも可)で焼きいも〉
さつまいも(150-200g)を軽く洗って、そのままトースターへ入れましょう★アルミホイルで包む必要はありません!30-40分後、焼きいもの完成‼︎さつまいもの中心が70度を長時間じっくりキープできると美味しい焼きいもがでるそうですよ。
〈トースター(グリル)で揚げずに大学芋〉
さつまいも1本(200g)を1-1.5cm角に切ります。これをクッキングシートの上に重ならないように並べます。その上から、オリーブオイル(サラダ油でも可)大さじ1〜2杯を全体にまわしかけます。さらにハチミツ大さじ1〜2を全体にまわしかけ、最後に黒ごまを全体に振りかけます。そのままトースターに入れ、15〜20分加熱します。(熱の強さは強めで、さつまいもの大きさやトースターの機能によって加熱時間を調整してください。)程よい焼き色が付き、竹串などで刺して中まで火が通っていたら、クッキングシートごと取り出し、両手でクッキングシートの四つ角をもって、中心に具を集め、熱いうちに全体を上下に数回振ります。クッキングシートからさつまいもをはがし、全体が均等な味付けになります。お皿に盛り付けて、簡単、大学芋の完成です♪
花や季語は?
同じヒルガオ科の朝顔の花と形が似ています。白くて五角形をしていて可愛いですね。サツマイモの花あるいは甘藷の花は夏の季語です。花言葉は「乙女の純情」です。sweetな感じがしますね。ここで俳句を一句。「甘藷の花 甘さはじける 五角形」
植物園で見れる?
当然、全国各地にあるサツマイモ畑にいくと見ることができます。小石川植物園には江戸時代に青木昆陽がサツマイモの栽培を試みた場所があります。そこには現在、甘藷試作跡という記念碑が建てられています。
餌として食べる動物はいる?リクガメも好物
動物園では象や猿、牛、馬などに餌としてサツマイモを与えています。糖分が多いため与えすぎは良くないです。草食動物は茎(つる)や葉も食べます。
草食のリクガメもサツマイモやその茎や葉を好んで食べます。やはり糖分やカロリーの摂り過ぎに注意です。ハムスターに与えるときは、薄く切ってから水にさらして、さつまいもに含まれるヤラピンを減らしてあげましょう。食べやすく加熱してあげるのもいいです。
まとめ
ホクホクだったり、しっとりしていたり、ねっとりしていたり、品種によって色々な食感があるサツマイモでした。秋に収穫され、冬が一番おいしい時期でした。焼き芋や大学芋などに調理して食べたいですね。草食動物や雑食動物もサツマイモが大好きですが、餌として与える場合は糖分やカロリーの与えすぎに注意です。