みなさん、「ホヤ」を見たことがありますか?食べたこと、ありますか?見た目も味も好き嫌いが大きく分かれます。ですが、好きな人はそれはもう、虜になってしまうのだそう。今日は、そんな珍味「ホヤ」をご紹介しましょう。
生態
私はてっきりホヤは貝の仲間だと思っていたのですが、実は貝の仲間ではないそうです。海水の中でプランクトンを濾過して食べる尾索(びさく)動物というグループに属しています。ホヤの仲間は日本の海に少なくとも百数種類いると言われていますが、食用とされているものはマボヤか、アカボヤなどごく一部です。これらは養殖もされ、関東以西の地域ではあまり知られていないマイナーな食べ物ですが、東北や北海道では一般的な食材として親しまれています。
大きさ
ホヤは直径10cm前後で、人間の握りこぶしくらいの大きさです。「パイナップルのような形です。」と、よく図鑑などに載っていますが、そんな可愛いもんじゃないと私は思います。見た目とは裏腹に栄養価が高い!?
これは、魚市場に並んでいるホヤの画像です。ホヤにはミネラル分がとても豊富に含まれています。特に鉄と亜鉛が多く含まれていて、鉄は貧血予防、亜鉛は味覚を正常に保ち、皮膚や粘膜の健康維持を助ける効果があります。またビタミンE、B12も多く含んでいて、ビタミンEは脂溶性で強い抗酸化作用があり、活性酸素を抑え体内の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがあるので、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立っていると考えられています。さらに、ビタミンB12は水溶性ビタミンの一種で身体の細胞の生成や血液の生成にも大きく関わるなど非常に大切なビタミンの一つですが、野菜や果物にはほとんど含まれていないので、こうした魚貝から摂取する必要があります。こんなにも栄養価が高いなんて知りませんでした。ただのお酒のおつまみと思っていましたが、なかなか侮れないですね。研修当時も変わった食べ物だなーとしか思ってなかったので、もっとありがたみを感じながら食べれば良かった!
出会い。私は社会人一年目の新入社員研修で岩手へ行きましたが、そこでの飲み会の席で出してもらいました。私はそこで初めてホヤと出会いました。赤い色のせい?なのか・・・グロテスクで、「私たち、これからこんなものを食べさせられるのか!」とガクブルしたのを覚えています。(はい、すみません、だいぶ脚色しています)
旬はいつ?
ホヤは11月ごろから翌春にかけて産卵期に入ります。この時期は食べることが出来ませんが、春ごろから太り始め、6月~7月ごろには旨味が増していき、この時期が一番の食べごろです。この旬の時期は、含まれるグリコーゲンが冬場の何倍にもなります。旬のホヤは独特の臭みがありません。苦手だという人にもそのおいしさが分かるのではないでしょうか。
お刺身はどんな味?
ホヤは味覚の基本要素が全て揃った珍しい食材です。甘味・塩味・酸味・苦味・旨味を一度に感じることが出来るんです。もちろんそれぞれの味の感じ方は多少の強弱はありますが、5つの味を感じることが出来、なんとも不思議な味わいです。ホヤのお刺身は食感はプルプルしていて、一切れ口に入れてみると、まるで海のエキスが詰まっているかのような独特の味わいが口いっぱいに広がります。私が実際食べたのはもう、10年ほど前になりますが、その独特の味からか、まだしっかり覚えています。捌いてと言われてもどうやったらいいのか?分かりにくいと思います。そんなホヤの捌き方を調べてみました。お刺身のさばき方。
ホヤは独特の香りから好き嫌いが分かれます。ちなみに私は一度食べた時、美味しく思いました。お好きな方は独特の磯臭を堪能するためにお刺身で食べるのが一番です。また鮮度が大事ですので、生きたまま「水」に入っているホヤを買いましょう。採れたては爽やかな香りも古くなると強烈な臭みへと変わります。さてさばき方をご紹介します。
一番簡単なやり方。中心から二つに切る方法です。中から水が出てくるのですが、これ、食べるときに使いたいので、二つに切る際にはボールで中の水を受けられるように切ってください。半分に切ったら、指で簡単に身を剥がせます。黒い部分を少し削ぎとり、適当にカットすれば食べられます。
水族館で見れる?
仙台うみの杜水族館には「マボヤのもり」というコーナーがあり、たくさんのホヤを見ることができます。沖縄美ら海水族館や青森県営浅虫水族館などで見ることができます。
ペットにできる?
熱帯魚専門店でホヤを仕入れた際は販売してあることがあります。値段は一体4000円前後です。海水のアクアリウムでペットにできます。カラフルなホヤだと水槽に彩りがでていいですね。
まとめ
新人研修の際にもお刺身でいただきました。その時に、研修先の方から、「ホヤを食べた後に日本酒を飲んでごらん」と言われました。そしたらまぁ不思議!日本酒がとても甘く感じたのです。これは、水でもお米でも同様のことが起こるそうです。私の同期は日本酒が飲めなかったのに、グビグビいってしまい、研修先でつぶれてしまったのはいい思い出です…。それから、今日までホヤに再び出会うことがなく、お刺身以外で食べたことがないのですが、他にも調理はなんでも可能で、酢の物、焼き物、フライ、酒蒸し、煮物。また干物や塩辛にも加工されるそうです。ホヤは鮮度が命ですから、東北や北海道へ行った際には是非食べたいものです。しかし、みなさん、日本酒の飲みすぎにはご注意を。