最近、各地の飲食店街や駅周辺、大型商業施設などにも姿を見せ始め、着々とその数を増やしている専門店、そう、「オイスターバー」です!店先の水槽や店内のショーケースには、殻付きの立派なものたちが並び、まさに壮観ですね。そんなオイスタバーで白ワインを片手に、各地から届けられた旬な料理に舌鼓を打ちながら大切な人や親しい友人と素敵な時間を過ごすのもなかなか粋だと思います。しかし!「そんな素敵なひと時を、家庭でも!」と思い立ち、自分で調理したい!という人や、「殻付きの生牡蠣を頂いたので、今夜はパーティーだぁ!」と意気込んでみたはいいものの、「どうやって調理するの~!?」と慌てている人もいるでしょう。そこで今回は、この上手な剥き方など下処理の方法と、これを出せば外れはしないという定番の料理を皆さんにご紹介しましょう!!
まず手に入れよう!
まずは、素材をゲットする方法を紹介します。方法は比較的簡単で、普通の他の食材とそんなに変わりません。売っている場所に買いに行けばいいのです。では、どこに売っているのでしょうか?順番に見ていきます。
1・直売所
まずは、海辺の道路沿いなどに並んでいる直売所!養殖業者さんやその知り合いがやっていることが多いと思いますが、こちらではバラ売りか量り売りが主で、自分の欲しい分の殻付きの生牡蠣が手に入ります。丁寧なところでは、スチロール箱や氷、新聞紙などの保存用品も用意してくれて、殻の開け方などもレクチャーしてくれます。また、大量にまとめ買いすることで、おまけを付けてくれることも期待できますよ!(まぁ、そこはあなたの交渉テクニック次第ですね)。
2・魚市場
次は、各地の漁港近くにある魚市場。
こちらは、養殖業者さんから買い付けた魚屋さんが販売していることが多いでしょう。そのため、少し値段は上がっているかもしれません。こちらで買うメリットは、最初から箱に入っているものが多いため、購入したらすぐにお持ち帰りできることと、魚市場なので他の魚介類も多く揃っており、牡蠣パーティーだけど他の食材も欲しいから一緒に買っていきたい、という方はお勧めです。都会に住んでいて海辺からは遠いし、時間もない~という方は、近所のスーパーや魚屋さん、デパートの鮮魚コーナーにいる店員さんに、殻付き牡蠣を入手できないか聞いてみましょう!「餅は餅屋に焼かせろ」という言葉があるように、やはり魚介類の流通に詳しいのは、その道のプロたちです。自分の欲しい量や欲しい日が決まっているのなら、あらかじめ連絡しておくことで、お店が事前に入手してくれることもよくあります。こちらを利用する時の注意点として、まず注文を受けてくれるかどうかです。殻付き牡蠣は鮮度が落ちにくいため、入手ルートを持っている業者さんであれば受けてくれると思いますが、残念ながらそういったルートや人脈がないお店では難しいですね。また、ある程度の発注量がないと受け付けてもらえないこともあるので、この点は気を付けましょう。
3・インターネット!
遠くへ買い物に行く時間もないし、近くにも殻付き牡蠣を取り扱えるお店も無い。そんな人も、まだ大丈夫です!世の中は便利になりました。わざわざ外出しなくても、ネット販売で指定の時間に指定の場所まで商品を送ってくれる業者さんがたくさんあります。ちなみに僕もよく利用しています。こちらは、インターネットの検索エンジンで「殻付き牡蠣・産地直送」とでも検索すれば一発ですね。日本各地の業者さんが、自慢の商品の注文を受けてくれます。なので、指示された通り注文の手順を踏めば、数日後にはあなたのご自宅に新鮮なものが届くでしょう!直送で色々な産地のものを楽しめるのが通販の利点です。注文して自宅に届くまで商品を実際に見られないので、思っていた大きさではない可能性があることと、注文する時に細かい個数や重量を指定しづらい点は注意しましょう。以上3つが、手に入れる方法です。自分の住んでいる地域や状況に合わせて、入手方法をチョイスしましょう!
剥き方など下処理の方法
それでは、無事に殻付きの生牡蠣を手に入れたら、次は剥き方など下処理の作業です。まずは、殻を開けるための道具を準備しましょう。用意するものは以下の通りです。
- 軍手もしくは作業用手袋
- ペンチ(無くても大丈夫)
- 牡蠣開けナイフもしくはテーブルナイフ
- たわし(無くても大丈夫)
これだけあれば十分ですね~
順番
- まず、軍手を付けて、牡蠣の殻をたわしで擦り、キレイにします。この工程は無くてもいいですが、貝殻に付いているゴミや海藻などが気になる人はここでしっかり洗いましょう。
- 牡蠣の蝶番を手前にして置き、ナイフを差し込む隙間を作る為に、ペンチで貝殻の右側の縁を剥がしていく。(剥がさなくても差し込める場合が多いです)
- 貝殻の右側の縁から、上の貝殻と下の貝殻の間にナイフを差し込む
- ナイフを上側の貝殻に添わせるようにして閉殻筋(貝柱)を切り、貝殻を開ける。
- 下側の貝殻と閉殻筋をナイフで切り離す。
- この時点で貝殻と牡蠣の身は完全に分かれているはずなので、むき身を水でキレイに洗う。(岩牡蠣は真水で、真牡蠣は塩水で洗うのがお勧め)
文章だけでは分かりづらいという方は、こちらのネット動画で予習してみましょう!
さて、無事に殻から外したところで、いよいよ料理です!
期待を裏切らないテッパン料理
ここからは完全に僕の好みの料理をお勧めしていくので、人によっては好き嫌いがあると思います。なので、各自でアレンジしてみて、自分にあった料理にしてもらってもイイと思います。
岩牡蠣のおすすめ料理
こちらはやはり、お刺身にするのがベストではないでしょうか?殻から外したむき身を一口大にカットして、キレイに洗った貝殻の中に戻します。そのまま氷を敷き詰めた器に盛れば、もう一品完成です!シンプルにお醤油で頂いても良し、ネギや大根おろしなどの薬味と一緒にポン酢で頂いても良し、オリーブオイルと塩でイタリアンっぽく食べてもイイと思いますよ!生で食べるのはちょっと…という方は、良く洗った身を貝殻に戻し、網を乗せたコンロの上で焼きましょう。磯の匂いが気になる人は、焼く時に少しオリーブオイルやバターを加えると、食べやすくなります。焼き上がりに粗塩を振って、少しレモンを絞ったら完成です。ぷりぷりの食感と、自然な磯の風味を味わって欲しいので、余計な味付けや凝った調理はせず、なるべくシンプルな料理にするのがイイですね!もしお酒が飲めるなら、よく冷した辛口の白ワインか、辛口の冷酒が合うと思います!ここで一つ注意してほしいのは、生で食べる場合は、腸炎ビブリオによる食中毒が怖いので、必ず調理に使った道具やむき身を真水でよく洗うようにして下さい!
マガキのおすすめ料理
こちらは産地によってお勧めしたい料理方法が少し変わってきます。今回は、日本で一番有名な生産地、広島県や岡山県付近の瀬戸内海産のものにターゲットを絞りましょう!瀬戸内海産は、それはもう、とてつもなくクリーミーで、まさに「海のミルク」といった感じです。このクリーミーさを逃さずに料理するためには、加熱の際に身から出てくる水分(エキス成分)も全て味わってほしいです。なので、こちらは炊き込みご飯がイイのではないでしょうか!炊飯器もしくは土鍋に、洗ったお米と酒、醤油、味醂、塩などの調味料、お好みの香味野菜、そしてよく洗った身をたっぷりと入れて、炊き上げましょう!牡蠣から出たエキスがご飯に染み込み、とてもコクのある牡蠣メシが完成すると思います!
普通はもう飽きた!ちょっと変わった食べ方
さて、上で紹介したのは、ごく一般的に食べられている方法ですよね。でも、もう普通の料理は飽きた。ちょっと変わった料理でゲストをビックリさせたい!という方は、こちらにチャレンジしてみましょう。まずは、パエリアです!
牡蠣のパエリア
基本的な材料や作り方は普通のパエリアと同じです。しかし、通常はムール貝と呼ばれるムラサキイガイや、アサリなどの貝類を使うのが多いかと思います。しかし今回は、「殻付きの牡蠣をそのままパエリアに使ってしまおう!」という訳です。普通のパエリアと同じように、お米、パプリカやブラックオリーブなどの野菜、海鮮系の具材(イカや小エビ)、調味料を用意し、貝殻をすごくキレイに洗った殻付き牡蠣(あらかじめ貝柱を切っておき、片側の貝殻を外しておくとよい)と一緒に大きめのフライパンかホットプレートに入れます。サフランや鷹の爪、ガーリックチップも一緒に入れるとより美味しいでしょう!後はいつも通り蓋をして加熱すればオケーです。蓋をあけて刻んだパセリや青ネギなどで彩りを加えれば完成です。ちなみに、サフランはかなり高価な食材なので、予算的に厳しい場合はターメリックで代用しても大丈夫です。殻付きの牡蠣を使うことで、蓋を開けた瞬間のゲストのリアクションがいつもより大きくなることは間違いないでしょう!
牡蠣餃子
こちらも名前の通りで、普通に餃子を作る際、餃子の皮の中に入れる餡に牡蠣を使えばよいのですが、ここで一つアドバイスをするならば、中に入れる具材を牡蠣とほんの少しのキャベツやネギなどの野菜だけにすると、より牡蠣が強調されて、食べた人はビックリすると思いますよ!水餃子、焼き餃子、蒸し餃子、揚げ餃子、どれでも美味しく食べられるので、是非チャレンジしてみて下さい!ちなみに、僕はこれを餃子のタレではなく、大根おろしと醤油で食べるのがお勧めですね。
まとめ
では最後に、今回紹介してきた中で重要な点をまとめてみました。
- 殻付き牡蠣を入手する時には、欲しい量や予算、食べる日にちを明確にして、どの方法で入手するかを決めましょう。
- 殻を開ける際は、怪我に注意して、道具の使い方と手順を間違えないように。
- 生で食べる時は、必ず牡蠣と調理道具をきれいに洗って、食中毒に気を付ける。
- ゲストを楽しませる為に、アイディア料理を盛り込もう
今回は、殻付き牡蠣の入手から食べるまでを紹介してきましたが、美味しく食べるイメージはできたでしょうか?もちろん衛生面や安全面には気を付けなければいけませんが、一番大事なことは、すべての工程を楽しむことです!