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牡蠣の味は産地によって美味しさが違う?検証してみた!

日本では、牡蠣は冬の味覚または夏の味覚として有名です。古くから「海のミルク」と呼ばれるそのクリーミーな美味しさと、栄養価が高く健康的にも美容的にも良いことから多くの人に愛されている食材です。明治時代にヨーロッパから海面養殖技術が伝来し、現在では全国各地で生産されています。そんな、僕たちには馴染み深い食材で、最近ではスーパーに行けばいろいろな産地のものを見かけますが、「産地ごとに味が変わるのかな~?」と思ったことないですか?今回は、みなさんのそんな疑問を解決したいと思います。

その味とは?

Ibaraki,Japan – December 17, 2021: Closeup of rock oysters or Crassostrea nippona or iwagaki oysters. 出典:123rf

まず、味って具体的に何なのか?僕たち人間が物を食べたときに感じる味は甘味・塩味・苦味・酸味・うま味を基本として、その他に辛味や渋味などがあり、温度や食感によってもその感じ方は変わっていきます。そして多くの場合、美味しさを評価する成分の「うま味」を感じさせるアミノ酸やたんぱく質が重要になってきます。有名なもので言うと、イノシン酸やグルタミン酸ですね。貝類の場合は、コハク酸やグリシンと呼ばれるアミノ酸類が、その美味しさの成分になっていて、このアミノ酸が多く含まれるほど、食べた時に美味しさを感じます。しかし、食べ物はうま味だけではなく、その他の味と複雑に混ざり合って、総合的に「美味しい」と評価されます。

出典:PIXTA

今回の牡蠣の場合、本来は無味無臭である「グリコーゲン」ですが、そのグリコーゲンが多く含まれることで、他のアミノ酸の味を感じさせやすくなったり、塩味の素であるミネラル類のおかげで磯の風味が増し、より美味しいと感じるようになったり、身に含まれる水分量によっても食感や舌触りが変化します。なので、これらの要因を総合的に判断することで、味の違いが評価できるのです。

他の貝とは違う?美味しさの秘密

woman in white dress eats fresh live creuze oysters seafood in French restaurant. 出典:123rf

牡蠣は、他の貝類とは異なる生態であるがゆえに、素晴らしい能力を持っているのですが、その事実はあまり知られていません。私たちがよく知っている貝類は一般的に、「二枚貝」と「巻貝」に分けられます。「二枚貝」は二枚の貝殻が蝶番で繋がっている貝類で、代表的な貝にアサリやホタテがありますよね。牡蠣もこの仲間です。「巻貝」は渦を巻くような貝殻を持つ貝類で、サザエをイメージすると分かりやすいです。ヤドカリの住処になる貝殻を持つ貝たちですね。このどちらの貝類でも、多くの種類が自身で移動し、エサを探したり、中には泳ぐ貝もいます。しかし、多くの牡蠣の仲間は卵の状態で海を漂い、幼生となった時に近くの岩場や岸壁に付着します。そして、一度付着すると、一生をその場所で過ごし、移動することがありません。それゆえに、他の貝類とは違って筋肉はあまり発達せず、その代わりに肝膵臓や生殖器などの内臓部分(軟体部)が大きく育つのです。この軟体部には、エサとなる海に棲むプランクトンから取り込んだ栄養分が多く蓄えられるため、他の貝類よりも濃厚な海の味を感じることができます。

Fresh pacific or japanese oysters molluscs shucked on stone with kelp seaweed background ready to eat close up. 出典:123rf

さらに、一生を過ごす岩場や岸壁は、塩分をはじめ、さまざまな環境要因が激しく変動する潮間帯(ちょうかんたい)になっています。潮間帯とは、満潮線と干潮線の間に位置する地帯で、潮の満ち引きによって1日のうちに陸上になったり海中になったりする部分のことです。潮間帯は河川水の流入や潮の流れ、日射や降水によって塩分濃度や温度が急激に変わります。このような厳しい環境に身を置いていますが、このような環境の変化に対して、数種の遊離アミノ酸を、浸透圧を調節する物質として活用し、外部環境と体内の浸透圧とを同調させることで身を守る対応しています。つまり、外部環境である海の浸透圧変化に適応するため、体内に遊離アミノ酸を高濃度に蓄積するのです。そして、それらの遊離アミノ酸は、上述した牡蠣の「うま味」の成分でもあるのです。ところで、場所によって味は変わるのでしょうか?!

産地によって味は変わる?

徳島県産

ここまで読んでいただけた方は、もう気が付いているかもしれませんが、「美味しさ」というのは、いろいろな要因によって評価されますが、牡蠣の味は、育った海の環境、つまりエサとなるプランクトンの違いや、海水に含まれる栄養分の量、塩分によって変化するのです。幸運なことに、日本の国土の大半は、海を育てると言われる森林で、さらに森林で蓄えられた栄養分を海へと運ぶ河川も多い国です。さらに、日本は南からの暖流と北からの寒流がぶつかる潮目が沖合にあり、多くのプランクトンが発生する好漁場となっています。まさに、養殖するための国と言っても過言ではないと僕は思います。そして、日本は北から南までさまざまな環境をもち、河川から流れ込む栄養分、水温、塩分、海岸の地形、海流などを総合すると、同じ養殖する環境はないです。つまり、日本の全国各地で水揚げされるのですが、そのそれぞれが違った美味しさを秘めているということです。

まとめ
日生町 出典:123rf
  • 美味しさは、うま味成分であるアミノ酸の量の他に、グリコーゲンやミネラル類など、さまざまな要因で評価される
  • 他の貝類とは生態が異なり、育った海の環境が味に影響する
  • 日本は育てる漁場としてはとても都合が良く、さらに各地域によって海の環境は異なるため、産地によって美味しさに違いがでる

ということです。ちなみに、産地として有名な海域を大まかに示すと、北海道周辺、東北・三陸海岸、北陸地方、紀伊半島・伊勢湾、瀬戸内海沿岸、九州地方となりますが、個人的に一番美味しいと思っているのは瀬戸内海産・広島県産です。

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