ことわざに、「鶴は千年、亀は万年」とありますが、どこまで本当なのでしょうか?そんな疑問を解消すべく、その寿命の長さの理由を検証しました!そして、ギネス記録を持つ亀さんたちも調べてみました。
寿命はなぜ長い?その理由
亀のことを調べていると理由がわかりました。
- 冬眠をし、また夏眠をすることもある。
- 代謝が穏やかである。
- 穏やかな生活をしていて、エネルギーの消費量が少ない。
この3つが理由だそうです。一つずつ考察していきましょう。
1、冬眠や夏眠をする理由について。
冬眠、夏眠とは、冬または夏のある期間に活動量を減らしたり、長い期間の睡眠をとること、を言います。ではなぜ亀の冬眠や夏眠が長生きの理由になるのでしょうか?それは、活動するときのエネルギー量が少なくなるからです。つまり、
- 体を動かすとエネルギーを消費する。
- エネルギーを消費すると、体が酸化する。
- 酸化が老化につながる。
ということで、結果的に冬眠や夏眠等をすることによってエネルギー消費を防いでいるのですね。それでは2つ目の理由へ。
2、代謝が穏やかな理由について。
亀は代謝が穏やかな生物です。代謝とは、
代謝(たいしゃ、metabolism)とは、生命の維持のために有機体が行う、外界から取り入れた無機物や有機化合物を素材として行う一連の合成や化学反応のことであり、新陳代謝の略称である。 これらの経路によって有機体はその成長と生殖を可能にし、その体系を維持している。
出典Wikipedia
つまり、体の中で行なわれている化学反応もゆっくりだということですね。外敵が少ない環境で進化を続けてきた結果、代謝を早くする必要はなかったということです。それでは長生きの最後の理由です。
3、穏やかに暮らし、エネルギー消費が少ないから。
先ほど説明した2つの延長線上の理由ですね。基本的に運動量や心拍数が多い生物は短命となります。ネズミの寿命は1年ほどです。やはりネズミは活動的だからです。そうすると穏やかに暮らしている亀が長生きなのが理解できます。ご存知の通り、亀はとっても「のろま」です。ということは犬や猫、ネズミのように素早く動く動物よりも必然的に長生きになるということ。ぼくもノロノロと生きようかな?(笑)
ここまでなぜ長寿なのか?その理由を3つに分けて説明してきました。亀は動きも代謝もゆっくりなのでその分エネルギー消費が少なく、寿命が長くなるとまとめられますね。そんなに長生きですが、一体どのくらい長く生きたのか?紹介いたします!
万年は本当か?長寿特集
一般的にゾウガメの平均寿命は100年とされています。しかし、その中には予想外に長生きすることがあるんです!そんな中、長生きの亀が4匹もいます。まだ、生きているものもいます。
175歳まで生きた元ギネス保持者「ハリエット」
ガラパゴス諸島にいるリクガメ科ナンベイリクガメ属のガラパゴスゾウガメという種で、175歳まで生存しました。ハリエットは、1830年ころ〜 2006年6月23日まで生きていたようです。ジョナサンが現れるまでは「生きている動物最高齢」のギネス保持者だったとのこと。上には上がいるのですね。しかし、175歳とはすごいですね。そこまで生きていたいものです。6歳から人間の手によって育てられたそうです。ハリエットは愛情を込めて育てられたのではないでしょうか?最近の研究では、ガラパゴスゾウガメはDNAの修復能力が高いため長寿であるとわかってきています。
190歳超えで今も生きているギネス保持者「ジョナサン」
リクガメ科のセーシェルセマルゾウガメという種。このジョナサンはハリエットの記録?というか、現在の生きている動物最高齢のギネス保持者です。2023年には191歳になります。イギリス領のセント・ヘレナ島で今も生きているとのことなので、見に行くことも可能ですね。どこまで長生きするのか楽しみです!
動物最高齢ギネス保持者「トゥイ・マリラ」
リクガメ科でホウシャ亀という種で、1777年くらいから1965年5月19日まで生きていました。動物最高齢のギネス保持者で188歳まで生きました。探検家がトンガを訪れた時に、トンガ王に献上した亀だそうです。色が赤みがかっていて、何か高級な気もしてきます。リクガメの仲間にはホウシャガメやホシガメがいます。
無冠の王「アドワイチャ」
アルダブラゾウガメという種で、なんと!250歳まで生きた可能性があるということ。残念ながら2006年に亡くなられました。このアドワイチャは小さい頃はペットとして、そして大きくなってからは動物園で育ったとのこと。250年前というとまだ江戸幕府の時代ですからどれだけ長生きかが分かりますね。
今まではすべてリクガメ科でした。リクガメの仲間は長生きです。次は、ほかの種類の寿命を調べていきます!
色々な亀の寿命
ここからは、水棲の亀などの寿命を調べていきます。
ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は?
ペットとして人気の亀です。野生では25年~30年生きます。飼育下では80年ほど長生きしたこともあります。
クサガメは?
野生では、25年~40年生きます。また、南方熊楠の飼育していたクサガメは、2001年まで生きていました。推定100歳です。
ニホンイシガメは?
野生下では、20年~30年生きます。飼育下では40年近くになります。
カブトニオイガメは?
寿命は20年~30年ほどです。
ミシシッピニオイガメは?
寿命は25年~30年ほどです。
マタマタは?
寿命は野生では10年ほどの長さといわれています。飼育下では、大事に飼育すると15年ほど長生きすることもあります。
ワニガメは?
野生での寿命は50年~100年です。飼育下での寿命は20年~70年です。野生のほうが長生きするんですね。飼育下のほうがストレスが多いのでしょう。
カミツキガメは?
野生での寿命は80年ほどです。静岡大学の加藤英明先生は爬虫類の専門家です。とくにワニガメやカミツキガメなどの外来種を研究しています。
ウミガメは?
アオウミガメやアカウミガメの寿命は70年~80年ほどです。リクガメに次いで長生きです。ちなみに鶴の平均寿命は野生で2年~30年。飼育されたもので約3年〜50年とのことでした。
これらを見て思ったこと、まとめ
上の4匹のリクガメを見て思ったことは、すべて人間と暮らしてきた(育てられた)ということです。どれも大型のリクガメということは同じですが、なんで人間と暮らしてきたほうが長生きなのかな?と思ったりもします。しかし、この4匹の亀たちは偶然人間に育てられてきただけで、自然界にはもっと長生きもいるかもしれません。どっちにしてみても、長生きの亀は愛される存在ですので生きているジョナサンを始めこれからも大切に飼われて行って欲しいですね。