日本各地での恐竜博などのイベントで大人気の恐竜。とくにティラノサウルス(英語ではTyrannosaurus Rex)が人気です。中生代のジュラ紀や白亜紀に恐竜は繁栄しました。なんと約2億年前から6600万年前という長期間、恐竜の世界が続きました。その後、白亜紀の末に、なぜ恐竜は絶滅したのでしょうか?地球が誕生してからの歴史や、ティラノサウルスを始めとして色々な恐竜や化石について、また恐竜絶滅の理由について調べていきます。
時代の分類

地球が誕生して、先カンブリア時代、古生代へと続きます。
古生代から生きのびている生物たち

古生代には、オウムガイやカブトガニ、カブトエビ、シーラカンス、ラブカの先祖などが誕生します。生きた化石とよばれ、現在も生息しています。
中生代から生きのびている生物たち

その後、中生代の三畳紀となります。三畳紀には、原始的な恐竜や翼竜、魚竜、首長竜などが誕生しました。中生代に出現した、チョウザメやミツクリザメ、ガーパイク、ムカシトンボ、カモノハシの祖先なども生きた化石と呼ばれ、現在も生息しています。三畳紀の後が、ジュラ紀となります。ジュラシックパークで有名です。ここからが本題です。
ジュラ紀の恐竜たち
「始祖鳥」は自分で飛べる?
まずは始祖鳥から。始祖鳥はアーケオプテリクスという獣脚類恐竜です。ドイツで化石が発見されました。 尾も含めた体長は50cmほどです。翼があり、最近の研究では、短距離であれば能動的に自分で羽ばたいて飛行できたという説が有力です。昆虫などを食べていました。鳥類の先祖に近い生物です。始祖鳥の直接の子孫は絶滅しました。そのため、始祖鳥は鳥類の直接の祖先ではないです。恐竜は爬虫類に分類されます。また恐竜の子孫が鳥類となります。なぜ、始祖鳥が絶滅してしまったのでしょう。地上では本格的な恐竜が出現し、また、樹上や空中では本格的に飛べる鳥類が出現してきました。そのため、餌を確保できなくなったことが、始祖鳥が絶滅した理由です。
「ステゴサウルス」の背中の板は何のため?

恐竜の中でも、剣竜類のステゴサウルスはアメリカや中国で化石が発見されています。シダ植物を食べる恐竜でした。体長は7mほどです。背中の板は、体を守るためというよりは、体熱を放散するためです。なぜ絶滅したかというと、上の写真のとおり、頭が非常に小さく、柔らかいシダ植物を食べていました。しかし、ジュラ紀後半になると、被子植物が増え始めました。ステゴサウルスは頭が小さく、硬めの被子植物を食べにくかったため絶滅しました。次からは、お待ちかねの白亜紀の恐竜たちです。
白亜紀の恐竜たち
「アンセリミムス」はダチョウに似ている?

モンゴルで化石が発見された、ダチョウ型恐竜や獣脚類恐竜の一種でオルニトミモサウルス類です。アンセリミムスという名前は「ガチョウに似ている」という意味です。体長は3mほどあり、あまりダチョウやガチョウには似ていませんね。だけれども、ダチョウのように足の速さを追求した恐竜でした。食性は雑食でした。
「デイノケイルス」は巨大!

モンゴルで化石が発見されました。全長は11mほど、高さが5mほどで、巨大な恐竜です。やはりダチョウ型恐竜の一種でオルニトミモサウルス類です。腕だけでも2.4mほどあり、デイノケイルスという名前は「恐ろしい手」という意味です。また、ハドロサウルス類のようなクチバシを持ち、竜脚類のような空洞化した骨と長い首を持ち、スピノサウルスのように背中に大きな帆があります。色々な恐竜の特徴をあわせ持ち、巨大化した恐竜です。やはり雑食でした。
日本で発見された恐竜
北海道の、むかわ町穂別で発見された、「むかわ竜」や「ホベツアラキ竜」が有名です。「むかわ竜」は日本で発見されたエドモントサウルス類の新種の恐竜で、植物食性でした。「ホベツアラキ竜」は、上の画像の通り、首長竜でエラスモサウルス類です。生きた化石である「コウモリダコ」の化石も発見されています。むかわ町で発掘された化石については、むかわ町恐竜ワールドも参考になります。中生代白亜紀後期の翼竜で有名なプテラノドンの化石は、北海道からも発見されています。
「ティラノサウルス」は最強!

みんなが知っている、ティラノサウルス・レックスです。Tyrannosaurus-RexをT-Rexと略されることもあります。もちろん最強であった肉食恐竜です。北米で発見されています。一番上の画像のティラノサウルスの化石はカナダで発見されました。全長は12m前後で、推定体重が9トン近くもあったティラノサウルスもいました。羽毛があったという説もあります。ティラノサウルス属の仲間で「タルボサウルス」という恐竜もいました。モンゴルのゴビ砂漠で発見された化石です。ティラノサウルスにそっくりです。
恐竜が絶滅した原因は?

中生代白亜紀の末に、直径約10km以上もある巨大隕石あるいは小惑星が、メキシコのユカタン半島に落下しました。そのためにできたチクシュルーブ・クレーターは直径約177kmあります。約6550万年前となる中生代と新生代の地質年代の境目をK-Pg境界といいます。その時期が、隕石が落ちた時期と重なります。隕石の落下のエネルギーや粉じんもすごかったでしょう。また隕石が火山活動や噴火を活発化させ火山灰も舞い上がりました。それらが太陽光をさえぎり、地球の寒冷化となりました。そのため、光合成もやりにくくなり、海中の植物プランクトンまで減少しました。その後、海中のアンモナイトまで絶滅しました。また、地上の植物も減少し、また寒冷化のため、草食恐竜が絶滅して肉食恐竜も絶滅しました。海洋中の藻類である植物プランクトンは、光合成をして二酸化炭素を取り込んでいます。隕石が落下する前から、海洋中の藻類が減少していたという研究結果もあります。植物プランクトンはいろいろな生物の食べ物になるだけでなく、地球の環境問題にとっても大切な存在です。
恐竜の化石はどこの博物館でみれる?

日本各地で恐竜博や恐竜展のイベントが行われています。常設の博物館ではやはり、福井県立恐竜博物館です。ティラノサウルス・レックスの化石やティラノサウルスのロボットも展示してあります。福井県で発見されたフクイサウルスやフクイラプトルも展示してあります。アロサウルスやステゴサウルス、ブラキオサウルスの化石まであります。茨城県自然博物館には、羽毛のあるティラノサウルスの像やトリケラトプスの像も展示してあります。当然、ティラノサウルスなど恐竜の化石も展示してあります。
まとめ
絶滅した生物のなかでも、人気があるのが恐竜です。そのなかでも、ティラノサウルスが有名です。やはり映画の、ジュラシックパークやジュラシックワールドの影響は大きいです。絶滅した原因が、隕石と寒冷化という説が有力です。海洋中の藻類も重要でした。恐竜は絶滅してしまって見ることができなくなりました。しかし、恐竜が絶滅した後、哺乳類の進化へと続きます。絶滅した恐竜の化石は、恐竜の博物館や展覧会で見ることができます。お近くでイベントが開催されている際はぜひ見に行きたいですね。