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コバンザメの吸盤には驚くべき仕組みが隠されていた!その味も!

今回はコバンザメ(英語ではSuckerfish)についてです。マンタやジンベイザメにも、彼らはたくさんくっついているのですが、そもそも彼らは何者なのか、どうやってくっつくかなど、素朴な疑問をご紹介します。

大きな魚にくっついている!

Black and white reef manta ray flying around a cleaning station in cristal blue water. 出典:123rf

水族館などで、大きな魚によく小さい魚がくっついているのを見ます。というか、コバンザメが単体で泳いでいる姿、私は見たことがないです。これは頭にある吸盤で吸い付き器用にくっついているのです。そして、コバンザメという名前からサメの仲間かと思いきや、彼らはスズキ目の仲間です。まさかのスズキ!シュっとした感じの見た目もサメっぽいですけどね。このサメのような見た目と、頭の吸盤が小判のようなので、「コバンザメ」と名付けられました。

どんな動物にくっつく?

Big sea turtle and suckerfish in Red sea, Marsa Mubarak, Egypt. 出典:123rf

彼らは主にどんな動物にくっつくかというと、

  • サメ
  • カジキ
  • ウミガメ
  • イルカ
  • クジラ
  • マンボウ 等

など大きな魚のお腹にぴったりとくっついて海を旅します。

Dugong and suckerfishes in Red sea, Marsa Mubarak, Egypt. 出典:123rf

ジュゴンと一緒に泳いでいる。イルカなんかはこの体についたコバンザメがうっとうしくて、ジャンプするなんて考えもあります。

なんでくっつくの?

Slender Suckerfish (Echeneis Naucrates) on the shield of a sea turtle in the Philippine Sea December 18, 2011. 出典:123rf

さて、コバンザメのことで一番盛り上がるのはここではないでしょうか。なぜくっつくのか。なぜだと思いますか?さて答えはどれでしょうか!

  1. なんとなく。
  2. 大きな魚にくっついていると餌が食べられるから。
  3. 敵から身を守るため。

答え。全部です。1のなんとなくは違うだろーと思うかもしれませんが、コバンザメはとても気の弱い魚です。何かにくっついていると安心するのです。まぁ、なんとなんくというよりかは、安心感ですかね。くっつく相手が見つからない時には岩にくっついたり、ダイバーにくっついたりなんてこともあります。私、ダイビング中にコバンザメにくっついてもらったら嬉しくてニヤニヤしてしまうかも。めちゃくちゃレアですよね。サメじゃないと分かったので怖くないし。また、コバンザメの餌は大きな魚についている寄生虫や、排泄物。そして、食べこぼしです。ですので、くっつかれた方もコバンザメにくっついてもらって、体を綺麗にしてもらっているのですね。そして、大きな魚に隠れているので安心です。

どうやって吸盤でくっついているの?

Remora or suckerfish in the shallow waters of the coral reef. 出典:123rf

コバンザメの頭の吸盤には18~28枚の隔壁があります。

この隔壁は普段後ろ向きに倒れていますが、大きな魚の体表の面に接触すると隔壁は垂直に立ち上がります。この時隔壁と隔壁の間の水圧が周囲の海水の圧力より小さくなり、これによって吸盤は面に吸い付きます。吸い付いたコバンザメを後ろにひくと隔壁の間の水圧はさらに小さくなるので吸盤はさらに強く吸い付きます。そして反対にコバンザメを前に押すと隔壁がもとの位置に倒れるとともに吸盤内の水圧が上がり、吸盤は面から外れます。このしくみによって、彼らは自分がくっついた大きな魚などが速く泳いでも振り払われずにすみ、また離れたいときは大きな魚などより少し速く泳ぐだけで簡単に離れることが出来ます。これはすごいですね!そしてとても便利な仕組み。こんなからくりが隠されているなんて知りませんでした。確かに、吸着力がこのように変化しないと離れることも難しくなるし、ずっとくっついているのも難しいですもんね。コバンザメもよく考えたものだ。

コバンザメの言葉の意味

権力や勢力のある人にすり寄り、その威を借りたり、利益を得る人間のことを比喩的に使われることがあります。私はこの言葉知りませんでした。今時の感じだと「スネ夫」と同じ使い方かと個人的には思います。人に対して使う時はちょっと悪口というか、いい気持ちにはなれない言葉の使い方ですよね。私はこの使い方あまり好きじゃないなー。コバンザメは一生懸命知恵を働かして生きているのです。そして、たまには大きな魚にも利を与えています。(寄生虫を食べてあげる)。それと「コバンザメ商法」という言葉もありまして、これは集客力がある店舗や事業所、観光施設などの近くで商売を行う商法のことを言います。ちなみに「金魚のフン」という言葉に似ているのかなと思ったのですが、金魚のフンは意味もなく一定の人間の後ろにくっついて歩く状態。だそうです。そんな人いるのかな。必ず意味はあるかと思いますが。仲が良いとか、守ってもらいたいとか。

味は?

時々、食品スーパーで鹿児島産などのコバンザメの刺身のパックが販売されているのを見かけます。味はカワハギなどに近く、さっぱりしていて上品です。白身の魚の割には、旨味やコクもあります。

水族館で見れる?

Close photo of the manta ray from top with attached remora fish to the wing. 出典:123rf

沖縄美ら海水族館や横浜・八景島シーパラダイス、新江ノ島水族館、奄美海洋展示館など、いろいろな水族館で飼育されており、そこで見ることができます。

ペットにできる?

アクアリウムでペットにできます。意外と観賞魚として人気で、熱帯魚専門店などで一匹6000円程度で販売されています。水槽にくっついているコバンザメの姿を見るのも楽しいです。

まとめ

コバンザメに焦点を当てることってあまりなかったのですが、いざ色々調べてみると面白く、とても可愛らしいです。健気に頑張って生きている生き物たちが私は大好きです。どの生物も知恵を働かせて、自分に合った方法で生きています。水族館で見る時には、いつも大きな魚を見ていて横目に入ってきていた感じのコバンザメですが、今度見る時にはしっかり焦点を彼らに当てて見てみたいです。

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