チョウザメ(英語ではSturgeon)というとキャビアが思い浮かぶけど、あれ実はサメじゃないってご存知だろうか?今、日本で養殖も盛んになってきているが、家の水槽でも飼えるの?なんならキャビア採れるの?
生態は?
色々な疑問が気になるので、チョウザメについて調べてみました。動きは遅く、警戒心もあまりない、おとなしい魚なのだ。近年の乱獲により絶滅が危惧され、キャビアの輸出やチョウザメ漁は禁止や制限されている。そしてその代わり、養殖が盛んになっている。
サメじゃない
チョウザメはサメという名前がついているが、サメではない。およそ3億年前には存在していたと考えられている古代魚で、その後ほとんど姿を変えていない生きた化石である。チョウザメ目チョウザメ科に分類される。じゃあなんでサメなんて名前がついているかというと、鱗の形が蝶に似ていて、全体的な姿がサメに似ていることからチョウザメという名前になった。でも地球上への出現時期はサメより先輩なのだ。チョウザメには、サメにはない腎臓があり、また、サメはエラ孔がむき出しになっているのに対し、エラに蓋がある。それに歯も無いおとなしい子で、全然サメじゃないのだ。卵はご存知の通り世界三大珍味のひとつ、キャビアである。
生息地
アジア大陸北部、ヨーロッパ、北アメリカなど北半球に生息する。かつては日本の北海道にもいたが、現在は生息していない。淡水域のみで生息するものと、鮭のように海水域、淡水域を産卵のために往復する種がある。昔は石狩川とかでチョウザメがみれたんだね。環境汚染でいなくなってしまったそうだ。あと、鮭は産卵後に死んでしまうが、チョウザメはまた海に戻り、数年後にまた戻ってきて何度か産卵をする。
種類
20種類以上に分かれるが、その中でキャビアが採れるのは3種。
- オオチョウザメ(別名ベルーガ)。
- ロシアチョウザメ(別名アシュートル)。
- ホシチョウウザメ(別名セブリューガ)。
大きさ
チョウザメの大きさは平均的には200cm、体重200kgくらいである。最高級キャビアが採れるオオチョウザメは、体長が4m以上、体重が1500kgに達するものもある。
餌
チョウザメは口には歯が無く、口の横にあるヒゲのようなもので餌を探してプランクトンや小魚などを食べる。
寿命
チョウザメの寿命は70年~100年といわれといわれているが、150歳を超えるものもある。
養殖の実態
養殖や、アクアリウムでのペットなどについて。
養殖
日本でも養殖されるようになっているチョウザメだが、養殖されているのは主にベステルという種である。ベステルは、コチョウザメのオスとオオチョウザメのメスを人工的に交配したもので、身が美味しくて質の良いキャビアが効率よく採れるようにロシアが作り出したハイブリッド養殖魚である。とはいえ、キャビアが採れるようになるまでは生後10年前後かかるそうなので、気軽に儲けようとして始められるものではなさそうだ。
卵や身の味は?
日本ではチョウザメといえばキャビアだ。当然、美味である。実は身そのものもかなり美味しく、ヨーロッパでは高級レストランで出されることも多いようだ。ヨーロッパではロイヤルフィッシュ、中国でも煌魚(エンペラーフィッシュ)と立派なネーミングがついているほどの食材である。臭みがなく、脂が乗っているのに淡白で、刺身にしても美味しいらしい。タイの甘み、フグの歯応えと表現されている。そして更に、コラーゲンたっぷり!という女性に嬉しいオプションもついている。旬は産卵前で、日本でも養殖をしている業者が販売をしているので食べることができる。
アクアリウムでペットにできる?
そのサメのような容姿から観賞用やペットとしても人気がある。養殖場でチョウザメを手に入れることができる。ただし、大型になるものもあるので、アクアリウムを作るなら、大きな水槽が必要だ。大型になって飼育できなくなったら引き取るサービスを行っている養殖場もある。養殖用として生み出されたベステルも、アクアリウムでの観賞用として人気がある。また、小さめなコチョウザメならば、水槽も90〜120cm程度の小さめなもので可能だそうだ。なお、餌は生きたまま与えると上手く食べられないという愛すべき魚なので、餌やりは注意が必要だ。
水族館で見れる?
北海道美深町のチョウザメ館や、埼玉県のさいたま水族館、宮崎県の高千穂峡淡水魚水族館でチョウザメを見ることができます。旅行などで、近くにお立ち寄りの際はぜひ見に行きましょう。
まとめ
キャビアだけでなく、身の美味しさも注目され、またアクアリウムでの観賞用としての飼育も人気のあるチョウザメ。養殖が更に盛んになれば、そのうち食卓に普通にチョウザメの身が並ぶことがあるかもしれない。