調理方法によって様々な食感を楽しめる野菜があります。それが蓮根です。地下茎に空気穴が通っており、先が見通せることや種が多いことから縁起がいいとも言われています。蓮の花も池に浮かんでいて美しいです。その大きさや味、花などについて調べていきます。池の中で泥をかき分けながら蓮根を食べている動物もいるので、それも調べていきます。
生態
ヤマモガシ目ハス科の植物です。英語ではLotus-rootで、漢字では蓮根です。蓮の葉や花は池の上に浮かんでいますが、地下茎のレンコンは泥の中です。蓮根の中心に穴があり、またその周囲にも穴が計10個ほどあります。
原産地。
原産地はインドです。日本では弥生時代の遺跡からの発掘例もあり、奈良時代から食用として栽培が始まっています。中国ではハスの実を食用とします。東南アジアでは茎も食べます。
大きさ
蓮根は地下茎が肥大化したものなので、長さはまちまちですが、長いものになると140cmほどの記録もあります。
スーパーで売ってある蓮根の大サイズは一節の長さが13cmほどで、直径が約8cmでした。
中サイズは一節の長さが10cm前後で、直径が約5.5cmでした。
小サイズは一節の長さが8cm前後で、直径が約4cmでした。
値段。
卸売市場では旬の9月から1月が安く、1kgあたり500円前後です。6月に高くなり、1kgあたり1300円前後となります。
スーパーでは大中小のサイズにわけて販売しています。大サイズは一個ずつ売ってあります。
小サイズは袋詰めされています。
旬。
サラダにも、煮物にも、揚げ物にも使えるれんこんです。秋から冬がまさに旬です。冬のお節料理には欠かせない食材です。
選び方。
選ぶポイントとして、まず太くふっくらとして厚みがあるものがよいでしょう。水分を保っていて美味しいです。れんこんと言えば穴?切り口の穴はだいたい同じくらいの大きさのものがよいでしょう。そして、表面は傷がなく、艶があるものを選ぶようにしましょう。この艶は鮮度を確認するポイントにもなります。収穫してから時間がたち、古くなると、乾燥し、皮が茶色くなります。また、不自然に白いものにも注意が必要です。不自然に白いものは漂白されているかもしれないのです。自然な色、少し黄色がかったベージュっぽいものを選びましょう。ただし、赤茶色の斑点がある場合があります。これは「赤ブシ」といって、秋に収穫されたれんこんに見られるものです。鉄分が多い土壌で育った時にできるもので、れんこんが酸素を吐き出すためにできるシミです。れんこんの生きている証とも言えますね。また、両端に節がついたものの方が日持ちしますが、途中で切ってあるものを買う人のほうが多いのではないでしょうか。切ってあるものを選ぶとき時は、切り口が白くてみずみずしく、穴の中も白い、新鮮なものを選びましょう。この冬は美味しいれんこんを食べましょう。
味
食物繊維が多く粘り気もあり、甘みがあります。切り方や加熱法によって、シャキシャキしたりサックリしたりホクホクになったりします。色々な食感や味覚を楽しめます。
匂い。
掘り出したばかりの新鮮なレンコンは、少し泥臭いです。よく洗って泥を落とすと、ほとんど匂いはありません。
保存方法
常温や冷蔵、冷凍による保存方法を説明仕手いきます。
常温の場合。
1本丸ごとなら、結構長持ちするので、泥がついている場合は泥はおとさず、新聞紙でくるんで、かごなどで、風通しの良い暗い所に置いておきましょう。泥のついていないものは、よく水けを拭いてから、同じように、新聞紙でくるんで、かごへ。常温で1週間保存できます!注意したいのが、出回り始めたばかりの9月前後の新レンコンです!これは傷みやすいので早めに使い切ることをお勧めしますm(_ _)m
冷蔵の場合。
途中でカットされているモノや、使いかけのは、ビニール袋に入れて、野菜室へ入れてくださいね(^_-)-☆こちらも同じく1週間!皮をむいて水につけて冷蔵保存でも1週間もちますよ。
冷凍の場合。
信じられない裏技が、ずばり!冷凍です(≧◇≦)。驚きですよね?常温で保存したよりは、味・栄養は劣りますが、4倍保存期間が延びるんです!生でも冷凍保存できますが、酢水につけて下茹でした方が、触感がいいです♪また、料理した後のモノも冷凍可能!よく冷まして、ジップロックで、なるべく空気を抜いて冷凍すれば大丈夫です!私は、レンコンのきんぴらを、アルミカップに分けて冷凍保存します、お弁当に重宝するんですよ~。1か月は大丈夫でした!
切り方
れんこんは、 切り方を変えると様々な食感を楽しむことのできる食材です。そう!れんこんの調理は、切り方にかかっています(笑)。これから、切り方と料理の例を挙げますが、先入観にとらわれず、同じ料理でも切り方を変えて、食感の違いを試してみるのもいいですね。
厚めの輪切りまたは半月切り。
お好みですが、0.5〜1cmの輪切り(大きければ半月切りにするなど)にした場合は、食感が残る切り方です。きんぴらや炒め物、天ぷらやはさみ揚げなど、揚げ物にしてホクホク、サクサクする食感を味わいましょう♪
乱切り。
乱切りは、表面積が大きくなり、味がしみやすいので、筑前煮やいり鷄などの煮物に向いています◎軟らかく煮ても食感があり、食べ応えがありますね。
縦切り。
れんこんの繊維にそって縦に3〜5cmに拍子木切りのようにします。繊維に沿って切っているので、噛んだときの歯ごたえがよく、炒め物に向いています。細長い乱切りのようにしてもよいですね♪
薄い輪切りまた半月切り。
3mm以下ぐらいの薄い輪切り(大きいときは半月切りにするなど)にすると、シャキシャキ食感を楽しめます。酢の物やサラダ、れんこんチップス、きんぴらに向いています。生で、サラダやちらし寿司に使うときは、酢水(水カップ3に酢大さじ1)に浸けると、アク抜きと同時にシャキシャキ感がUP‼︎見た目も白く、美しくなります♪(ちなみに、料理によっては、水に浸けてアク抜きするとホクッとする食感を残せます。)
すりおろす。
すりおろして、味噌汁などの汁物にいれると、とろみがつき体が温まります。また、すりおろしたれんこんに、つなぎの片栗粉などを混ぜて火を通せば、もっちもちのれんこん餅に!餡かけにして食べるのも◎
レシピ(作り置き以外)
おいしい食べ方を紹介していきます。
れんこんチップス。
揚げるだけ。簡単です!れんこんは、お好みの量(目安:一節200-300g、付け合わせ4人分)を皮ごと薄い輪切りにし(大きいものは半月切りに)、180度の油で揚げます。良い揚げ色が付いてきたな、と思ったら、焦げやすいので、油断しないで、早めに取り出します。そのまま揚げたてを食べてもいいですし、フライドポテトのように塩をまぶしても良いです。子供は揚げてもあげても足りないぐらい、大好きだと思いますよ!!
作り置きレシピ。
数日間保存のきく調理法を紹介します。
れんこんと人参の蒸しサラダ。
れんこん大2節、人参1本は皮をむいて、乱切りにします。れんこんは、水にさらして水気を切っておきましょう。れんこんと人参を圧力鍋や蒸し器で軟らかく蒸します(10分程度)。ボールにれんこんと人参、大豆の水煮1袋、シーチキン1缶をいれます。味付けに、マヨネーズ大さじ1、ゴマドレッシング大さじ2、塩コショウ少々をいれて、全体を味がなじむまで混ぜて出来上がりです。食べ応えのある根菜サラダです♪冷蔵庫で保存し、3日以内に食べ切りましょう。
れんこんきんぴら。
れんこん大一節を皮ごと薄切りの輪切りか大きければ、半月切りにします。気になるようでしたら、皮をむいでも可◎れんこんは、酢水(カップ3酢大さじ1)に浸けてから、水気を切っておきます。熱したフライパンにごま油大さじ1を熱し、れんこんをいれて、フライパンに広げます。れんこんは焼き目がつくまで2分ほど動かさずに焼きます。片面に焼き目がついたら、みりん大さじ1、醤油大さじ1を回し入れ、れんこんに味を絡ませます。皿に盛りつけて、最後にゴマを振りかけて完成です♪このレシピでは、子どもにも食べやすく、時短のため、れんこんを薄切りにしています。お好みで、厚切りにしても◎、食べ応えも出てしっかりしたきんぴらになります。冷蔵庫で保存し、3日以内に食べ切りましょう。
献立例。
料理のバランスのよい組み合わせを紹介していきます。
揚げ物ついでに、れんこんチップスをプラスする献立。
- ごはん
- とりの唐揚げ
- 付け合せ・・・レタス、トマト、れんこんチップス
- 味噌汁(ワカメ、玉ねぎ、とうふ)
- ほうれん草と人参のお浸し
唐揚げとれんこんチップスを揚げているうちに、付け合せの生野菜とお浸しを作りましょう。お浸しの具材は、時間のある時に茹でておくと慌てないで調理できますよ♪
れんこんサラダの洋風献立。
- ごはん
- あじの開きのガーリックグリル
- れんこんと人参の蒸しサラダ
- 野菜コンソメスープ(玉ねぎ、キャベツ、ベーコン)
- 果物(りんご)
アジの開きは、オリーブオイルにニンニクチューブを混ぜたものをかけてグリルするだけ。れんこんサラダを作り置きしておけば、スープを作っている間にアジをグリルにかけるだけ!!れんこんサラダにボリュームがあるので、他の料理はあっさり、さっぱりするものを組み合わせることをオススメします♪
れんこんきんぴらの和風献立。
- さつまいもごはん
- ふろふき大根&とうふ(味噌だれ)
- れんこんきんぴら
ふろふき大根のダシで一緒に湯豆腐をします♪♪♪これでメイン料理と汁物がいっぺんに済むので、そのうちに副菜を作りましょう!
花や季語は?
中心の雌蕊が黄色で花びらは白色だったりピンク色だったりします。蓮の花は晩夏の季語です。
花言葉は「清らかな心」や「神聖」、「離れゆく愛」、「雄弁」です。ここで俳句を一句。「水面に 散りゆき揺れる 蓮の花」
縁起が良い。
蓮根には多数の大きな空気穴が通っており、見通しがきくため、縁起が良い食材です。また、種が多く、子孫繁栄の象徴ともされています。そのため正月のお節料理など祝い事の料理には欠かせない食材となっています。
種は?
表面が緑色で、中の実は白です。中国や東南アジアでは食用とされます。乾燥してくると茶色になります。
蓮根を餌として食べる動物はいる?
外来種で水辺で野生化したヌートリア、ミドリガメ、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)も蓮根を食べます。鴨は水中にもぐり、泥を掘って食べます。
ミドリガメは池の中の蓮根を食べつくすこともあります。沼地に住む生き物たちも蓮根が大好きです。
見ることのできる植物園はある?
京都府立植物園や神代植物公園で見ることができます。埼玉県行田市にある古代蓮の里では行田蓮という古代の蓮を見ることができます。
まとめ
レンコンには大きな空気穴が開いており、先が見通せるので縁起が良い食材です。正月のお節など祝い事には欠かせないです。切り方や加熱法によって色々な食感を楽しめます。花も優雅です。沼地に住む鳥や亀、タニシなども蓮根が好物です。