メダカは自然の池や河川、田んぼの水路では、主に植物プランクトンや動物プランクトンを食べています。そういった自然の中での生態を考えて、自宅の水槽やアクアリウムで飼育しているメダカに与える餌を決めるとよいです。また稚魚や成体でも、必要な栄養素は変わってきます。
自然の河川では水は流動的で常に入れ替わっていますが、水槽の水は交換しない限り入れ替わりません。そのため、食べ残しの餌があると、水槽の水質がすぐに悪化します。
そこで、自宅の水槽で育てるときの、メダカのタイプ別での餌の選び方を説明していきます。どんな餌が食いつきがよいのか?食べ残しが少ないのかを調べました。
自然の中の河川や水路では、メダカは何を食べているのか?
主にゾウリムシやミジンコなどの動物プランクトンを食べています。ゾウリムシは単細胞生物で小さいため、主にメダカの稚魚の餌となります。まだ小さなミジンコは稚魚がたべて、成長して大きくなったミジンコは成魚が食べます。ピクリピクリと動くもののほうが食いつきがよいです。
植物プランクトンや水草、苔などの植物も食べます。蚊の幼虫であるボウフラも食べてくれます。口に入る範囲の小さな食べ物なら、なんでも食べていますね。各々のメダカさんたちが、大きさや味の好みを選んで食べています。
メダカのタイプ別での餌の選び方
メダカのタイプ別での餌の選び方を説明していきます。また稚魚の場合の選び方も。
成魚で口が大きく、水槽の底に沈んだ餌も食べるメダカの場合
成魚となって大きくなり、このようなタイプのメダカの場合、どんな餌を与えても大丈夫です。底に沈んだ餌も食べきってくれるため水質が悪化しにくいです。
人工飼料と生き餌の組み合わせとなります。
大きめにカットされ、水面に浮くフレーク状の人工飼料が最適です。このフレークフードは水面に長時間浮いており、なかなか沈みません。
メダカが餌の存在に気づきやすく、すぐに寄ってきて、勢いよくパクパク食べてくれます。2分ほどで食べきれる量を一日二回に分けて与えましょう。
ペットショップや熱帯魚専門店に販売してあるフレークフードの中から、育てているメダカの口にあうものを選ぶといいです。あまり好みの味でないと、食べても噛み砕いて粉々になった餌を吐き出すことが多く、それが水槽の水を濁らせて、水質悪化につながります。
生餌は育てているミジンコを与えますが、大きなミジンコでも食べてくれるため、特に大きさを選別せずに与えても大丈夫です。また、ミジンコは生きていて沈殿しないため、仕事帰りで夕方の餌やりが遅くなってしまったときに便利です。暗くなるとメダカは餌を食べませんが、次の日の朝、明るくなると、残ったミジンコを食べてくれます。
その他、フリーズドライして乾燥させたイトミミズやブラインシュリンプを組み合わせて与えると栄養豊富となっていいです。
結論として、成長して口が大きく、底に沈んだ餌も食べてくれるメダカの場合は、大きめにカットされており、長時間水面に浮く、フレーク状の餌がメインとなります。
小型であるか、まだ成長段階で口があまり大きくないメダカの場合
このようなタイプのメダカの場合、大きめのフレークフードは食べ残してしまい、底に沈んだまま、水質悪化の原因になります。
小さな顆粒フードか、薄くスライスされているフレークフードが選択肢になります。
顆粒フードは小さくて丸いのでどんなメダカでも口に入りますが、比較的早く沈みます。
底に沈んだ餌も食べてくれるメダカなら、これがいいです。ただ、味の好みに合わない場合があります。
薄くスライスされているフレークフードは、細かく小さいため、やはりどんなメダカでも口に入ります。水面に浮いている時間が長いため、数分以内に食べきれる量の餌を与えれば、食べ残しがほとんどありません。ただ、長時間浮いていると水分を吸って、ふやけてしまい、それが水を濁らす原因となります。そのため、食べきれる量を少しずつ一日2~3回に分けて与えましょう。
生餌のミジンコを与える場合ですが、大きく育ったミジンコはメダカがかじるだけで、やはり水質の悪化につながります。そのため、スポイトを使って選別して、あまり大きくないミジンコのみを与えましょう。
乾燥したイトミミズやブラインシュリンプも与えると、さらに栄養が豊富になってよいです。
結論として、小型であるか中くらいで口があまり大きくないメダカには、薄くて細かめのフレークフードがいいです。底に沈んだ餌を食べてくれる場合は顆粒フードでもいいですが、メダカの口に合わず、すぐに吐き出して水質の悪化の原因となることがあります。ミジンコは選別して、口に入る範囲の中くらいのもののみを与えましょう。
産卵期の場合
メダカは産卵するために、かなりのエネルギーを使います。そのため、普段の3倍の量の餌が必要です。ただし、一回に三倍の量の餌を投入すると、食べ残しが発生してしまうため、産卵期には高カロリーの産卵繁殖用の餌を一日4~5回に分けて与えましょう。
アルビノの場合
アルビノのメダカは餌に対する認識がやや悪いため、水面に浮いた餌を食べきるまで時間がかかります。また、底に沈んだ餌もあまり食べてくれません。
そのため、薄く細かくスライスされたフレーク状のフードをメインに与えるとよいです。食べ残しがないように、少しずつ一日2~4回に分けて与えます。
乾燥したイトミミズを少量与えると、栄養に偏りがなく、よいです。
活餌のミジンコも食べ残しがないように、小さめのものを選別して与えます。
いづれにしても、どうしても食べ残しがでてくるため、飼育水の交換を頻繁にしないといけません。
結論としては、薄く細かめのフレークフードを、少量ずつ一日に何回にも分けてあたえます。ミジンコも小さめのものを与えます。それでも食べ残しが多いため、スポイトで残った餌を吸い取って除去したり、水替えを頻繁にしましょう。
稚魚(針子)の場合
孵化して三日目までのメダカの稚魚(針子)は自分の栄養袋で育つため、餌はいりません。ただ、稚魚を育てている水槽の中には植物プランクトンが豊富なグリーンウォーターを入れておくとよいです。その際、稚魚がからまるとよくないので、藻の塊は取り除いておきましょう。
三日目以降は、ゾウリムシを与えます。ゾウリムシは単細胞生物でかなり小さいため、針子でも食べることが出来ます。針子は水質の変化によわいため、ゾウリムシの培養液は水槽の水質の変化がない程度に、少しづつ分割して与えます。もともと、大きめの水槽で飼育していれば、あまり気にしなくていいのですが。また、針子は水流にも弱いため、培養液を水槽に入れるときは、その水流が当たらないように針子を避けて入れましょう。
少し大きくなると、稚魚用餌と小さなミジンコを与えます。
稚魚用の餌は細かい粉末のため、稚魚でも食べることができ、水面に浮いている期間も長いです。稚魚に必要なたんぱく質が多く含まれています。また、稚魚は食べる量が少ないので、ほんの少量だけ与えるようにします。水面に浮いている餌に近寄ってくる針子の姿は可愛いですよ。
飼育しているミジンコの培養液を網で濾過して、細かい粉状のミジンコだけ集めて与えてもいいです。ミジンコの培養液には植物プランクトンも豊富なので、一石二鳥です。大きなミジンコは稚魚のストレスとなるため、水槽に入れないようにします。小さいミジンコでも、水中をピクリピクリと動いているため、稚魚の食いつきがよいです。
稚魚は水質の悪化に弱く、また水の交換も安易にできないため、食べ残しはスポイトで吸い取るようにしましょう。
まとめ。食べ残しを少なくするためには。
メダカの大きさや成長段階での餌の選び方を説明してきました。大きめにカットされた人工飼料のフレークフードは成魚に適していました。食べ残しなく2分ほどで食べきれる量を与えれば、食べ残しが少ないです。水槽の底の餌もきれいに食べてくれるメダカには沈みやすい顆粒フードを与えても良いです。
薄くスライスされたフレークフードは、小型やアルビノのメダカに適しています。特にアルビノのメダカには少量の餌を1日2回~4回に分けて与えると、食べ残しを減らすことが出来ます。
ミジンコもメダカの大きさに合わせて選別しましょう。ミジンコなどの生き餌を、メダカがちゃんと食べきれる大きさに選別して水槽に入れておくと、ミジンコは水槽の中で生きているため、食べ残しにはなりません。
また、イトミミズやブラインシュリンプを追加して与えると、栄養に偏りがなくなります。フリーズドライのイトミミズは乾燥しているため、かなり長時間、水面に浮きます。そのため、水質悪化につながりにくいです。
産卵期には、高カロリーの餌を一日4~5回と、回数を増やして与えると良いです。
稚魚(針子)には三日目以降はゾウリムシが、少し成長すると粉末状の稚魚用餌と小さなミジンコが良いです。水質の悪化を防ぐために、食べ残した粉末状の餌はスポイトで取り除きましょう。
結局、食べ残しを少なくするためには、2分以内に食べきれる量を一日数回に分けて与えることや、浮きやすい餌か沈みやすいか、育てているメダカが水槽の底に沈んだ餌も積極的に食べてくれるか、そのメダカの口の大きさに合っているか、味の好みなどが重要でした。