昔は、身近にある小川や田んぼにいたのですが、最近は周辺に自然が減り、なかなか野生では見かけなくなったメダカです。自宅で飼う準備のため、養殖販売店に行くと、「必要なペット用品を買って、水を作ってから、一週間後においで」と言われました。そのため、青梅や戸田の専門店に行ったり、色々な物を揃えたりしました。選ぶ参考になれたら幸いです。水槽やフィルター、水温計、底砂、水草、水質調整剤、ライト、掃除道具、家電製品などについて、試行錯誤した自分の体験談で説明していきます。自宅でアクアリウムを作るのも楽しいです。
専門店に辿り着くまでの道程
青梅街道を西へと進むと、瑞穂町から青梅市に入ります。
ここから青梅市です。
さらに西に歩いて行き、お弁当屋さんを超えていきます。
すると、家具屋さんや百円ショップといっしょに、ペットショップが見えます。やっと目的地のペット用品店に来ました。中には、メダカや熱帯魚などの観賞魚をはじめとして、爬虫類やインコ、フクロウ、猫、犬、うさぎ、ハリネズミなどがいて、まるで小さな動物園のようです。もちろん、それぞれの飼育に必要な用品もたくさんの種類が揃えられていて、お値段も手ごろでした。ここで、メダカに必要なペット用品を揃えました。
飼育の準備に必要なペット用品!
水槽やフィルター、底砂、水質調整剤、水草、餌、ライト、掃除道具などから、あったら便利な家電製品までを、私の体験談も踏まえて説明していきます。
水槽や容器
ガラス製やプラスチック製、陶器、発泡スチロール製容器などがあります。
ガラス製水槽
まずは、ガラス製で8Lと小さめの水槽を購入しました。ガラスのつなぎ目に黒いシリコンが使用されていてカッコイイです。
ただ、フィルターを設置すると水槽全体に水流が回るので、メダカに水流が当たり、ストレスとなり、よくないです。フィルターを設置せず、小さいブクブクだけで済ますならいいのですが。そのため、やはり、もう少し大きめが欲しいので、また、ペットショップに走りました。今度は戸田のペットショップで購入です。今度は20L入る水槽です。ガラスの接合部が後面にしかなく、全面は曲げガラスになっています。ガラスのつなぎ目が見えず、透明感があり、これもまたカッコいいです。曲がっているところが少し歪んで見えます。これなら、空間も広く、水流が直接にメダカにあたることはありません。
部屋の中の埃が入らないように、また、飛び跳ねたメダカなどの魚が外に出ないように水槽の蓋はちゃんとしておきましょう。暖かくなると、メダカたちはかなり水面から飛び跳ねます。ブクブクの気泡で水面から水も飛び跳ねて出ていきます。蓋があると、水が減ってしまうのも防いでくれます。
プラスチック製容器
洗面器やトロ舟などプラスチック製の容器はなにかと便利です。水を作るために使ったり、水槽の代わりにその中でメダカを飼育したり、底砂やフィルターなどの洗浄に使ったり、いろいろな用途で使えます。ガラス製だと割れてしまう心配がありますが、プラスチック製だとその心配がほとんどありません。ガラス製の水槽もプラスチック製の容器を受け皿として、その中に入れておくと地震などで割れても安心です。たらいも水槽を洗浄するときに、一時的なメダカの避難所として便利です。ネットや底砂を洗浄したり、水を入れ替えたり、たらいはなにかと使えます。これは選別容器です。
後ろが黒くなっており、中に入れた小魚を見やすくなっています。選ぶのに悩みましたが、結局、私は、プラスチックケースで水をつくり、ガラス製の水槽やプラスチックケースで飼うこととしました。
水槽を養殖場や動物園、水族館ではどうしてる?私はどうする?
東山動植物園では世界中のメダカが育てられています。いづれも四角い大きめガラス製の容器です。名古屋メダカは巨大なアクアリウムにいます。水が澄んでいて綺麗です。
アクアワールド茨城県大洗水族館のメダカの水槽は巨大です。とても個人では真似できません。
養殖販売店では、黒いプラスチック容器で育てられています。これだと側面から見られるというストレスもなく、メダカさんたちも安心して暮らせます。私も黒いプラスチックケースをメインに使うことにしました。
底床材
水に溶けてしまうタイプとか、アルカリ性だとか酸性だとか、色々と考慮しなければなりません。
大磯
元々は大磯海岸で採取されていたものを大磯といいました。黒から灰色をしています。石なので溶けることがなく、耐久性があります。石以外にも砂浜の貝殻の欠片が混ざっており、PHの低下のために役に立ちます。水槽の水はすぐに酸性になろうとするから、うれしい存在です。酸性は小魚にとってはストレスです。
袋の裏面を見ると、中性から弱アルカリ性と書いてあります。中にはゴミのようなものが混ざっているので、軽く洗ってから使用します。この石は重量があるため、安定感があり、水草やレイアウト用品を置いても固定しやすいです。
黒玉土のソイル
黒い土を焼き固めて2~3mmの粒状に加工してあります。
このソイルを白い皿に入れると、小ささと黒さがよくわかります。こちらは水洗いせずにそのまま使用します。水を注ぐと炭のように黒くなりますが、メダカには影響はないです。炭のように濁り、そのうちに沈殿します。それが不純物を吸着し、水質改善に役立ちます。直ぐに溶けて、粒子も小さく軽いため、水草の固定には役に立ちません。
麦飯石
中国産です。白色から茶色です。ミネラルが多く、PHが安定しやすくなります。多孔質の石で不純物を吸着してくれますが、他のソイルと大差はありません。これは最初にかなり洗浄しないと濁りが残るので使いづらいです。メダカは周囲の色や明るさに順応して体色変化してくるので、濃い色が良ければ黒っぽいソイルや底石を、白い色が良ければ白っぽい底石を使うといいです。あとはデザインや好みによります。結局、重量や安定感のある大磯を基本に、浄化能力のある黒土玉を混ぜて使うことにしました。底床材を選ぶというより、混ぜて使うことにしました。
底床材を養殖場や動物園、水族館ではどうしてる?私はどうする?
東山動植物園では大磯を使っています。長期間使用しているため苔が生えています。ここまで石も育てたいですね。これだけ広く自然の河川と同じ環境を再現出来たら、ストレスは全くないです。養殖場では特に底床材は使用していませんでした。常時、良い水と交換していて、こちらもストレスがないです。これだけの環境を整えるのは個人では難しいので、私は、黒土玉と大磯を混ぜて使い、底砂が浄化してくれることを期待しました。
フィルター
メダカにとって水流はストレスとなるので試行錯誤しました。外掛け式や上部、外部、投げ込み式など色々な種類のフィルターがあります。
外掛け式フィルター
水を吸い上げながら濾過してくれる、かなり浄化してくれます。
ポンプなどを組み立てていきます。
セットにおまけでついていたろ材も入れます。
完成しました。側面のガラスに掛けてみました。
浄化能力は強いのですが、上から落ちてくる水流が強く、それがメダカにとってストレスです。また、ポンプが水中にあり、その振動が水槽全体に伝わっています。それもまたストレスとなっています。そのためメダカ飼育には向かないです。結局、水をつくるため用の桶に使うことにしました。
外部、上部フィルター
スペースはとりますが、洗浄力は強いです。水量が調整できるものであればなおさら良いです。ポンプが水の外にあり、振動がメダカに伝わらないのもよいです。設備が大掛かりになるのを気にしなければ、上部や外部フィルターがよいです。
投げ込み式フィルター(ぶくぶく)
投げ込み式フィルターはブクブクとも呼ばれます。エアポンプと組み合わせて使います。ソフトホースで両方をつなぎ、途中に逆流防止弁を挟みます。逆流防止弁の方向を間違わないようにしましょう。小型のエアポンプを使用したため、騒音や振動は気にならないです。最近のエアポンプは改良が進み、振動が少ないです。
完成しました。意外と大きく、水槽の中に入れると意外とスペースをとります。弱いポンプを使用したのですが、それでも、ブクブクの泡から生じる水流も意外と強いです。また、浄化能力はそんなに期待できないです。あくまで酸素供給用と考えたほうがいいです。
水流や振動はストレスになるため気を付けなければなりません。そのため、フィルター選びには慎重さが必要です。最終的に、私は、水を作るプラスチックケースに。外部フィルターを使用し、実際にメダカが泳いでいる水槽にはフィルターを使わないことにしました。エアポンプからソフトホースに繋いだ投げ込み式フィルターにエアの弁を付けて、分枝三又の弁で流量を弱めながらエアレーションも兼ねて使うことにしました。水流やポンプの振動はメダカにとってストレスとなると考えたからです。その分、水の交換や清掃は頻回に行わなければなりません。
フィルターを養殖場や動物園、水族館ではどうしてる?私はどうする?
水族館では外部フィルターや、先ほどの東山動植物園のようにペクトラリスメダカの小型の水槽では上部フィルターを使用しています。養殖場では常に良い水を作って交換しているためフィルターは使っていませんでした。自然の河川でもある程度の流れがあるため、これが一番自然でストレスがないです。私は水を作るためだけの容器で、バクテリアを増やすためにフィルターを使用し、育てる容器には投げ込み式フィルターをエアレーションを弱めて使うことにしました。
水温計
普通に置くもの、マグネットで固定するタイプや浮くもの、デジタル式などがあります。
マグネット式
普通の水温計にマグネットが付いており、それでガラスを挟んで固定してあります。一見、邪魔なようで、これもまたインテリアとなり見た目が良いです。温度も目視しやすく安心安全なので、これが一番いいです。
デジタル式
デジタル表示です。裏側に温度測定部がありそれをガラスに密接させることによって、ガラスを介して水温を計ります。両面テープで張り付けるのが面倒です。そのため、外に置いて、もっぱら室温測定用となってしまってます。(笑)
浮くタイプ
水面に浮きます。上から見て、確認しやすいです。水流で流れて、水草とからんだりします。浮かんでる様子が好きな方には人気があります。
水温計を養殖場や動物園、水族館ではどうしてる?私はどうする?
動物園や水族館では、水温計の端子が隠れたところにあり管理してあるため、お客さんの目に触れないことが多いです。
養殖場ではビニールハウスで飼育しているため、ハウス内の気温のみ測定してありました。現在13度です。「浮くタイプはメダカが飛び跳ねて乗っかるからお勧めしない」と、養殖場の店主が教えてくれたので、普通の赤い液体の入ったものを使うことにしました。
ヒーター
もし、産卵や繁殖をする場合はヒーターがあったほうがいいです。吸盤でヒーターを水槽に固定します。水の量とワット数が合うように購入しましょう。状況に応じて温度を調整したほうがいいので、温度調整できるものがいいです。
ライト
ライトのセットに付属していました。幅も合っているため、セットで買うと、サイズで悩まなくて済みます。裏側を見ると、LED光源が所狭しと並んでいます。電源を入れるとかなりまぶしいです。メダカさんたちもまぶしくないのでしょうか?
蓋と一緒にセッティングしました。サイズもぴったしです。夜は照明を消しましょう。さすがに一日中つけっぱなしだと、メダカさんたちも眠れないです。それもまたストレスとなります。室内で産卵や繁殖をするためには、ライトを使用したほうがいいです。
掃除道具やタモ
水面に浮かんでいる油膜や、ただよっているゴミを除去するのにネットが必要です。ただ、ネットでかき混ぜすぎて、メダカさんたちを驚かすと、懐かなくなるので注意しましょう。選別容器やタライにメダカさんたちを移す際は、専用のタモを使ったほうがいいです。職人さんの手作りで、メダカを傷つけません。
スポイトは沈んだ餌やゴミなどを除去するときに重宝します。ソイルに混じったゴミにスポイトで吹きかけ、浮き立たせて除去するのにも使えます。水合わせのために少しずつ入れ替えるときにも重宝します。色々な状況で使用する必需品です。
ガラス面を磨くためにスポンジも必要です。
タモを養殖場や動物園、水族館ではどうしてる?私はどうする?
養殖場では、選別容器や飼育容器の形状に合ったタモが置いてありました。私も選別容器の大きさと合致するタモを購入しました。
水草
メダカにとって良い水草を説明します。
オオサンショウモ
浮遊性のシダ植物です。浮かんで日陰を作ってくれたり、不必要な硝酸塩を吸収してくれたりします。さらにいいことに、柔らかい根の部分はメダカの餌ともなります。これだけでも十分です。
オオカナダモ
被子植物のオモダカ目です。植物なのでやはり硝酸塩などを吸収してくれます。また植物なので日中は酸素の供給源ともなるありがたい存在です。卵を産み付ける場所ともなります。淡水魚のアクアリウムでは一般的です。インテリアとしても美しいです。
アヌビアス
被子植物でサトイモ科です。里芋の仲間です。確かに葉っぱの部分が似ています。
マツモ
被子植物です。水面近くを漂います。産卵場所ともなります。漂いながら、一部がちぎれて、漂い続けるため、フィルターなどで水流があると、余計に細々となり、フィルターに詰まります。少し使いづらいです。
水草を養殖場や動物園、水族館ではどうしてる?私はどうする?
動物園や水族館ではアクアリウムとして展示してあるので、オオカナダモをメインに色々な水草が散りばめられています。養殖場ではオオサンショウモのみでした。私は、水草選びでは、結局、養殖場と同じようにオオサンショウモをメインに使うことにしました。レイアウトで葉が欲しければ、オオカナダモを追加です。
餌
テトラキリミンです。テトラは有名なメーカーなので安心です。色々な原料からできている配合飼料であるため、これだけでも十分です。フレークタイプで空気を含んでおり、水面に浮くため、少量を浮かせれば、メダカが近くまで寄ってきて食べてくれます。そのため食べ残しがなければ、水が汚れることがありません。入れすぎると、すぐに水が濁ってきます。浮いて食べきれる分を与えることが重要です。餌をばらまいたとき、メダカさんたちが懐いて寄ってきてくれると嬉しいです。
ひかりメダカの天然食です。製造しているキョウリンも有名なメーカーなので安心です。イトミミズをフリーズドライしたものです。天然の栄養も食べさせたいです。イトミミズの独特の臭いがある餌なので、少量を併用することにします。
生餌の生きているミジンコです。緑色の培養液と一緒にミジンコを与えると、やはり水が濁ります。そのため、ミジンコのみ濾して使用することにしました。生きたミジンコを餌として与えると、かなり食いつきがいいです。水も汚れません。これをメインで使用し、フレーク状の配合飼料とフリーズドライのイトミミズを少量だけ与えることとしました。
水質調整剤
水道水に含まれる塩素などの消毒薬を中和して除去してくれるカルキ抜きのことです。水道水を使用するときは必需品です。
バクテリア添加剤を使用するとソイルや濾材にバクテリアや細菌が定着しやすくなります。そのため、早く水質を安定させることができます。塩分やミネラル補給のため「あら塩」も重要です。精製した塩ではカリウムやマグネシウムなどが少ないため、あら塩のほうが良いです。それには「にがり」も含まれているため、マグネシウムやカリウムなどのミネラルも豊富です。普通にスーパーに売ってます。塩分濃度は0.3%程度になるように調整しましょう。
便利な家電製品
エアポンプや照明のLEDライトは電源が必要です。そのため水槽を二つ用意するとコンセントがたくさん要ります。家電のたこ足コンセントはあったら良いです。安心安全なパナソニック製を買いました。
クッキングスケールも必需品です。特に、塩分濃度を調整するときに、塩の重さを計ります。クッキングスケールやデジタル温度計に電池を使用します。電池はいたるところで必要です。
準備に必要な事、まとめ
最近は色々なペットを育てる方が増加して、ペットショップも増えてきました。お近くの、行きつけの専門店を決めておくとよいです。メダカは小魚で小さなストレスにも弱いので、水流や振動にも気を付けましょう。そのためフィルター選びは慎重さが必要です。プラスチック容器でそのままメダカを育てようとも思いましたが、アクアリウムとしては、やはりガラス製で横からも観賞できる水槽がいいですね。
- 水槽はガラス製で淵がシームレスで丸いもの。大きさとしては、8Lでは小さくて水流が気になるため、20L以上のものを選びましょう。プラスチックケースを受け皿にしたり、予備の水を作ったりするのに使う。
- フィルターは水流やポンプの振動が気になるため、メダカを育てている水槽には使用しない。エアポンプからソフトホースに繋いだストーンを水中に入れて酸素を補給する。または流量を弱めて投げ込み式フィルターを使用。予備で作っておいた水で頻繁に交換し、綺麗な水質を維持する。
- 水温計はみんなが想像している赤いものが結局見やすくて安全。
- 水草はオオサンショウモを入れる。
- 餌は無難に有名メーカーの配合飼料と天然のものを使う。あとはミジンコ。
- 水質調整剤としてカルキ抜きやバクテリア剤だけでなく、ミネラル補給として「あら塩」も重要。
- 便利な家電製品(たこ足コンセントや重量計など)も購入しておこう。
可愛いメダカが安心して生活できるようにできるだけのことはしていきます。