世界一口が大きい鮫のメガマウス(英語ではMegamouth shark)。口も大きいが頭も大きい。遠近法を間違えたみたいな巨大魚。幻のサメとか、エイリアンシャークとか言われるけどその真相は?メガマウスが現れると地震が起きるって本当?調べてみました。
生態は?
メガマウスはネズミザメ目メガマウス科のサメで、ジンベエザメ、ウバザメと共に三大ザメのひとつです。古代よりその姿が変わっておらず、原始的な形態を残した生きた化石である。発見例が少なく、その生態は不明な点が多い。たくさんいるのか、希少なのかもわかっていないし、また、発見されたのも、ごく最近のことなのだ。
発見
1976年、米ハワイ州オアフ島沖で米海軍の船の錨に引っかかり捕獲されたのがメガマウスの最初の発見である。科学分野では海洋における20世紀最大の発見といわれた。その後の発見例は、現在までにわずか60例程度。そのため「幻のサメ」といわれている。生きた状態で目撃されることは殆どない。メガマウスの発見例の約8割はアジア地域だが、全世界の熱帯域から温帯域の沿岸から外洋にかけて分布していると考えられる。またその中でも日本近海での目撃例、発見例が比較的多いが、それは日本近海に多いというよりも、アジアの国によっては、発見しても食べてしまうこともその理由と考えられる。
これは、三重県で発見されたメガマウスのネット動画です。でも、味は美味しく無いらしい。
目撃されると地震が起きる?
深海生物で、特に珍しい個体が引き揚げられると地震が起きるという噂が立ちやすい。メガマウスも、捕獲されると地震を警戒する声が飛び交う。確かに日本では、メガマウスが現れる前後に地震が起きるが、その時期や場所にはばらつきがあり、また現れない時にも地震が起きるので、地震探知をメガマウスに頼るのは難しそうだ。日本ではいつでも地震に警戒が必要なんじゃないかと思う。
大きさ
メガマウスの全長は4〜7メートルくらいで、これまで発見された個体で最大は709cm。普段は深海で過ごすが、夜は餌を食べるために水深10〜20メートルのところまで上がってくることが分かっている。2020年6月にも、館山市の沖合の東京湾で定置網にかかっているところを発見されました。
生きてんの初めて見た!
— 名無しのアデリーペンギン🐧動物・動物園・水族館紹介系Vtuber (@nanashi_adelie) June 11, 2020
マリンワールドのホルマリン漬けでしか見た事なかったから。
「幻のサメ」生きたメガマウスを東京湾の沖合で発見 https://t.co/Dct4Uwsygl
体長6mのメガマウスが雄大に泳いでいます。その奇妙な容貌から欧米ではエイリアンシャークなどといわれることがあるが、何千万年も前から深海で暮らしていたメガマウスからしたら、海を荒らしまわる人間の方がよほどエイリアンだろう。
大口鮫
メガマウス=大口鮫という漢字での名前が示す通り、とてつもなく大きい口が特徴である。顎の骨についている、口を開ける筋肉が非常に発達しているそうだ。開けた時の口の大きさでいえば、サメの中で最大。時速1km近い速度でとてもゆっくりと進み、食べ物はプランクトンという、人畜無害なサメである。大量の海水を飲み込み、その水に含まれるプランクトンのみを濾して体内に取り込む、濾過摂食を行う。この濾過摂食を行うのは他に、ジンベエザメ、ウバザメの三大ザメ仲間の3種だけである。メガマウスの口の周辺や内側は光っているように見え、「発光器」と呼ばれる。夜の暗い海中で、その発光器にプランクトンがおびき寄せられるんだそうだ。食べ物がプランクトンであるにもかかわらず、メガマウスは小さい無数の歯を持つ。その歯の使い道が謎である。
歯の化石の発見
2015年に、沖縄県の海岸でメガマウスの歯の化石が発見された。大きさは1センチメートルほど。これまで、生体の発見例はアジアが多かったにも関わらず化石はアジアでは殆ど見つかっていなかった。1000万〜300万年前の地層で化石が発見されたことにより、これまで見つかっていた地域を含め、新生代後期にはメガマウスが全世界に分布していたことが判明した。また、メガマウスが捕獲された時に地震が起きる!という噂があるらしいが本当なのだろうか?その話題について考察してみようと思う。
水族館にいる?
生きたまま捕獲されること自体が稀なメガマウスを展示している水族館は無い。また、たとえ捕獲時に生きていても、深海性なので水揚げすればすぐに弱ってしまう。飼育するにもかなり大きな水槽が必要となります。2011年に三重県沖でメガマウスが捕獲された際には、水族館が展示のために引取る段取りになってたが、夜間に囲んでおいた網を乗り越えて逃げ、展示には至らなかった。標本であれば、神奈川県の京急油壺マリンパーク、福岡県のマリンワールド海の中道、沖縄県の美ら海水族館、静岡県の東海大学海洋科学博物館などで展示している。標本であってもかなりの迫力なので、見に行く価値はありそうだ。
まとめ
メガマウスの巨大な口は、プランクトンを食べるための口だった。そうと分かれば頭の大きいかわいいサメなのである。