「木に登れないリス」、「プレーリードックのミニチュア版」、ペットショップで働いていた際に「リチャードソンジリスってどんな生き物?」と質問されたときの私の説明です。
あまり聞きなれない方もいるかもしれませんが、「愛すべきおバカちゃん」、これが私の印象です(笑)。
私も今は他界してしまいましたが、リチャードソンジリスの「りっちゃん」と暮らしていました。
あんなに仕草や行動で笑わせてくれる生き物もなかなかいません☆
そんな愛すべきおバカちゃんについてご説明します!
そんなおバカそうに見えるけど、なつく?

懐きます!
どのくらい懐くかというと、うちのりっちゃんで言えば、手から餌を食べ、手のひらで爆睡し、耳の裏をさすれば寝てしまい、口の中に指を突っ込んでも咬みませんでした☆
ただ一般的には懐きにくい生き物と言われています。
理由は、懐かせるのに根気が必要な生き物だからです。
うちのりっちゃんも最初は私に近づいてもくれませんでした。
それが徐々に環境に慣れ、私がいることを認識し、私に馴れてくれるまでになりました。
じゃあ懐かせるには?どうしたらいいでしょうか?
1、個体を選ぶ
まず個体選びは重要です!ペットショップで買う際には性格を見て下さい!
リチャードソンジリスは穏やかなコ、臆病なコと結構差が出ますので、最初が肝心だったりします。
うちのペットショップで各一匹ずつゲージに入れ、隣どうしにおいて比べたことがありました。
一匹は神経質なのか、牧草を細く歯で割いて丸く巣をつくり寝ていました。
もう片方は、牧草をまき散らし、食い散らかしてました(笑)
こんなにも違うもんなんだなぁと感心したのを覚えています。
結果、両方とも懐きはしましたが、神経質な方が懐くのに時間がかかった気がします。
個体差が結構ハッキリ出るので、選ぶときにはじっくり観察してください。
2、環境に慣らす
環境に慣れるまではゲージから出したりせずに、じっと見守ってあげてください。
ゲージから出して、逃げ回られたら中々捕まりません。
そして捕まえたとしても嫌なことは覚えてる生き物なので、捕まえられたことが恐怖で懐きにくくなってしまうどころか、懐かなくなってしまうこともあります。
3、ゲージ越しに餌を与える
環境に慣れてきたら、ゲージ越しに餌を与えて見て下さい。
徐々に餌をくれる人と認識してくれます。
4、手から餌をあげる
ゲージ越しで寄ってきてくれるようになったら、

次はゲージの中で手から餌を与えて下さい。
このとき、嗜好性の高いおやつ等を使うとより懐きやすくなります。
5、ゲージから出して、餌を与える
ゲージから出して餌を与えてみて、すんなり食べてくれるようならもう慣れたも同然です☆
ただし、先ほども説明した通り、個体差があるので、この手順はそのコによってどのくらいのタイミングで行うかは変わってきます。
愛すべきおバカちゃんと感じてしまうその魅力とは!?

・寝相が…汗

あのひどい寝相でしょう(笑)。
仰向けでお腹丸出しで寝ることが多いですね~
そして爆睡中は揺すっても起きません(-_-;)
うちのりっちゃんも爆睡中は何をしても起きない(・□・;)
全身に力が入っていないから、持ってもぶらぶらして死んでるんじゃないか??と思うほど!
そして寝言?みたいなものを言って歯ぎしりして…おっさんじゃん!!って感じでした。
自然界では捕食者がいっぱいいる生き物のはずなのに、「こんなんで野生では大丈夫なの?」と思うほど呑気な寝相です。
・ゲージをガリガリ
ペットショップなんかに行くと、飽きもせずゲージの網部分をガリガリしているのをよく見かけます。
齧る習性があるのは知ってますがひたすらガリガリガリガリ…意味が分かりません(汗)
・座る仕草がおっさん(笑)
座って餌を手で食べてる仕草がだらけたおっさんに類似します(笑)。
普通なら餌を食べてるときは一番無防備なはずなので、すぐに逃げられる体勢でいるもんなんですけどね…。
そして前肢(手)で餌をもって食べるから敵に襲われたらどうするんでしょうね~(笑)
またその仕草が可愛いから愛すべきおバカちゃんなんですけどね!
意外と大変!?飼い方

1、個体選び、環境を整える
先ほど説明したように、個体選びはかなり重要です。
その前に、自分の環境で飼えるか、これを考えることが最初ですよね。
リチャードソンジリスは昼行性です。
でも昼間も寝てるから、「ほんとに昼行性か??」と思うこともありますが(笑)
もともとヒンヤリした穴の中で暮らしているので、暑さに弱く、冬眠してしまうので寒さもあまり強くありません。
つまり、エアコンは必須ってことですね!
2、必要なペット用品準備
飼える環境かクリアできたら、次は必要なペット用品選びです。
ちなみにうちは次の用品、フードを使ってました☆
○ゲージ
私は幅60㎝奥行50㎝高さ55㎝のアクリルゲージを特注で作ってもらい使用してました。
ゲージに関しては、これがイイ!ってものは現時点ではない気がします。
一般的にはウサギ用のゲージを使いますが、上で説明したように、網部分をガリガリやってしまうので、口の周りや鼻に跡が出来てしまったりします。
ペットショップなどに行った際には見てください。
網のゲージに入ってるリチャは鼻もしくは口に線のような跡ができているはず。
あとは、歯が折れてしまう可能性もあるので、リチャには向かない気がします。
それなら水槽は??と思う方もいると思いますが、水槽は重いので手入れが大変です。
あとは通気が悪いため、夏は温度管理に気を付けなくてはなりません。
アクリルも水槽とさほど変わらないですが、まだ水槽に比べ軽いので、手入れはその分楽です。
でもアクリル特注は値段的に高いです(汗)
リチャードソンジリスを飼うなら、ゲージもそのまま使わずに何かしらの工夫が必要ってことですね。
○床材

床材は牧草が理想ですが、うちはサンコーの「ウッドリター」を使用していました。
これは本来、ウサギのトイレ砂として使われることが多いのですが、天然素材でできている為、食べても害はなく、臭いも吸収してくれます。
また、おしっこをしたところが、ポロポロと砕けるような仕組みで、触ってもサラサラしています。
一つ難点をあげるとしたら、砕けるとサラサラと粉末状になる為、少し粉が舞います。
それでも他の床材よりはメリットが多いと思いますよ!
○回し車
リチャはこれを入れとくとひたすら走ります(笑)
うちはサンコーの「メタルサイレント 25」を使用していました。
これは網のゲージを使用してる方は、引っかけて固定できるので便利です☆
○給水ボトル

これも、これがイイっていうベストはないですね~(汗)
うちはサンコーの「マルチボトル 500ml 給水ボトル」を使用していました。
本来の給水ボトルは、ボトルを固定するためゲージに固定ネジを取り付けますが、そこがプラスチックなので、リチャが齧ってぶっ壊します…メーカーによってはパーツのみの販売もしてるので、多めに用意しておけば問題ありませんが。
私が使用していたボトルは、鉄のバネで固定するタイプなので、固定のネジを使用しません。
ただ、ボトルの作りがかなりチープな気がします(汗)それでも一瞬にして固定ネジを破壊されるよりはマシかと思います(^^;)
○エサ入れ
陶器製でなるべく重いやつがいいです。
100均で充分♪ゲージに固定するエサ入れを使ってもいいと思いますが、リチャを飼ってるお客さんの中に、固定してるエサ入れを下から鼻でグイグイおして鼻に跡がついた!と言っていた方がいました。
リチャならやりかねません(笑)
○隠れ家(遊び道具)
うちは段差や寝床、遊び場として、サカイの「ペットナチュラルバー M」という商品を使用していました。
これはメチャメチャ便利です☆
曲げてアーチにして隠れ家にできたり、段差にして登ったり、シンプルで場所もあまりとらず良品だと感じました☆
○餌
餌は牧草の一番狩りチモシーと、ペレットを併用します。
チモシーはハイペットの「パスチャーチモシー 450g」。
ペレットに関してはリチャ専用がないので、モルモット用、チンチラ用、ウサギ用、プレーリー用と人によって与えているものは様々ですが、私はイースターの「ジリスセレクション メンテナンス 1kg」を与えてました。
野生化では、イネ科のチモシーに比べ、高たんぱくのマメ科、または種や実も食べていますが、飼育下では運動量が著しく乏しいため、イネ科主体の食事が理想かと思います。
このフードはチモシーが主成分で高繊維なため、私は使用していました☆
○保温器具
冬は暖房も必要ですが、保温器具があったらもっとイイですね!
私はビバリアの「マルチパネルヒーター 16W」を使用していました。
これをりっちゃんが寝る場所の下に敷いてあげてました☆
リチャは冬に冬眠することがありますが、長い冬眠に入ると仮死状態になり、暖かくなったら目を覚まします。
ただ、仮死状態にしてしまうと、目覚めるまでに体力が持たずそのまま天国へ行ってしまうケースもあるので、保温して冬眠状態にさせない、または冬眠を短くする工夫は必要ですね!
うちのりっちゃんも身体が冷たくなり全く起きなかったので、必死に身体を摩り温めて復活させた記憶があります。
(^^;)保温は大事ってことですね~。
このように知名度が低いせい?なのかリチャ専用の用品が少なく、そのコの性格に合ったものを使用したり改造したりする必要があるので、少し大変です。
3、習性、本能による注意点

・なんでも齧り、なんでも壊す
とにかく齧り、壊します(笑)。
給水ボトル、ゲージは消耗品ですね…電気コードや柱、気を付けて(汗)うちはゲージとヒーター以外3回は買い直しました(笑)
金網ゲージを噛むと歯が折れることもあります。
・発情期
リチャのオスは発情期があります。
その時期は触れません…触るときは血だらけ覚悟でやってください(笑)ちなみにうちのりっちゃんはオスだったので発情期は怖かったです(;^ω^)
・臭う
リチャは臭腺があり、独特の臭いがします。
(特に発情期)「くっせー!!」までではないですが、とにかく臭いはあります。
・意外とうるさい
ゲージの網の部分を歯で揺すったり、エサ入れをひっくり返してみたり、とにかくうるさいです…落ち着けよって思います(-_-;)
このように、習性や本能からの行動等で飼い主さんによって抑制できないものがあるので、意外と大変ですね(-_-;)
寿命は?

野生のリチャードソンジリスのオスの寿命は2年ほど、メスは6年ほどです。
飼育下では、6年~10年と言われています。
うちのりっちゃんは9年生きてくれました☆
これに関しては、環境要因を除けば、もともとの個体の差で大きく違ってくる気がします。
私はリチャがあまりにも好きで、ペットショップでリチャを飼っているお客さんとリチャのコミュニティを作ってたくらいです。
「そのときに飼育環境はほぼ変わらないのに、寿命にかなりのばらつきがでる」
という話をリチャ飼いの方たちとしたことがあります。
これは主観なのでなんとも言えませんが、先天性の要因はかなり大きい気がします。
意外と可愛い鳴き声☆鳴き声の聞き分け方

リチャは鳴きます、可愛い声で♪
ねだる、人を呼ぶ等の好意的な鳴き方は「チッ」とか「ピッ」という感じで鳴きます。メチャ可愛いです☆
「ギャー」とか「ギー」と鳴くときはキレてる、警戒しているときです。
また、歯を「カチカチ」鳴らすこともあります。
これはストレスが溜まっているとき。
お前のどこにストレスを感じるの?と思ってしまいますが(^^;)
トイレのときもカチカチすることがあります。
お家や巣、トイレなどはかわいらしく作りたいです。
ぜひペットとして飼育してみましょう。
動物園で見れる?

長野市茶臼山動物園には「肉だんご」と名付けられたリチャードソンジリスが飼育されています。
甲府市の遊亀公園附属動物園でも見ることができます。
触れ合える移動動物園など、比較的、こじんまりとしたところで見ることができます。
まとめ
このようにリチャードソンジリスは、
- 可愛い仕草は寝相が無防備、ゲージをひたすらガリガリする、座る仕草がおっさん
- 時間をかければ懐く
- 飼う上で必要なことは個体を選ぶ、環境を整える、用品を準備する(ゲージ、床材、給水ボトル、エサ入れ、回し車、隠れ家、餌、パネルヒーター)、注意点を把握する
- 寿命は6年~10年
- 鳴き声は、好意的なときは「チッ」、「ピッ」威嚇は「ギャー」、「ギー」、ストレスを感じているときは歯を「カチカチ」鳴らす
というような生き物です。
決して飼うのは簡単でないですが、私が「愛すべきおバカちゃん」と言った所以を理解していただけたと思います。