シャコガイ(英語ではGiant clam)って聞いたことや、テレビなどで見たことがあったりと、何かしらで知る機会があるかとは思います。どんな生物か知っていますか?「大きい貝」ですね。そんな貝の生態などを少し詳しくご紹介していきましょう。
生態

二枚貝の中で世界一の大きさを持つ、オオシャコガイも含みます。体内に褐虫藻と呼ばれる藻の仲間を住まわせ、共生関係を作り、生活に必要な栄養素の多くを褐虫藻の光合成に頼っています。そしてシャコガイは雄雌同体です。ある時期になると多数の成熟したシャコガイが同調的に放精、放卵を行い、次の世代が誕生します。シャコガイは自分の精子と卵が受精しないように、最初に放精、続いて放卵を行いますがこれは遺伝子の多様性を維持するための工夫です。私は雄雌同体と知り、てっきり自分だけで次の世代を作りだすと思ったのですが、まさか工夫をして、自分のクローンが生まれないようにしているとは驚きました。そしたらなぜ雄雌同体にする必要があったんですかね。少し不思議。ちなみに、ある時期とは、潮の干満、水温、気圧などの周囲の環境変化が引き金になって起きます。卵が遠くに移動しやすく、無事に孵りやすい条件があります。
生息地

シャコガイは熱帯から亜熱帯地域のサンゴ礁の浅海に生息しています。
種類
シャコガイの仲間は全部で8種類おり、沖縄ではそのうちの6種類が見られます。その中でも有名なのが、「オオシャコガイ」。名前の通りとても大きいのですが、大きさについては後程。彼らは他と違い、大きくなると定着していた足糸を自ら切り、海底に直接置かれたような状態で生活します。足糸(そくし)とは岩などに付着するための分泌物です。小さい頃に、自分で一生の住処を決めて二度と動けないようにしていまうとは、かなりストイックですね。
大きさ

大小様々で、一番小さいものがヒメジャコガイで、殻長が15cm前後です。こちらも沖縄に生息しています。

ざっくり「大きい貝」と思っていたシャコガイですが、小さいのもいるんですね!この小さいタイプは飼育も出来るそうで、家の水槽にいたら可愛いですね。そして、先ほどご紹介したオオシャコガイが殻長約1m、重さは200㎏を超えることもあるんだとか。

ちなみに沖縄で観察される個体は1m未満で小型の個体で、本当に大きいオオシャコガイは沖縄よりも低緯度に位置するパラオやマーシャル諸島などにいるそうです。同じ種類なのに、住む場所によって大きさが異なるのですね。

成長しやすい環境が暖かい海のほうが適しているということでしょうか。プランクトンの量も違うのかな。
寿命はどのくらい?

オオシャコガイの寿命は100年以上と言われています。移動せずに生活に必要な栄養素も褐虫藻に依存しているとなれば、消費するエネルギーは少ないですよね。その為長生きです。でも100年以上もずーっと同じ場所にいなくてはいけないっていうのも私たち目線で考えたら、なかなか大変ですよね。ますます、小さい頃の場所決めが重要になってきますね。
オオシャコガイは挟む?

結論から言うと、オオシャコガイは挟みません。都市伝説として、今でも本当に挟む生物だと思う方もいるようですが、そもそも餌はプランクトンです。二枚の殻を使って何かを挟むということはないようです。さらに、大型に成長したシャコガイは二枚の殻の成長量に若干の差が生じ、嚙み合わせがぴったりではないこともありあます。そして、巨大なオオシャコガイは外套膜も巨大で肉厚なので、殻を閉めようとしても自分の身が邪魔をして完全には閉じること出来ません。なーんだ。そもそも完全に閉じることが出来ないんじゃん!ちなみに閉じる時も俊敏な動きが出来ず、ゆっくりみたいですよ。ですが、中には殻が完全に閉じてしまうものもあるそうです。ですので、むやみやたらにさわらない方がいいですね。
アクアリウムでペットとして飼育

小型のヒメジャコガイなどを、アクアリウムで飼育できます。水質の清浄を保つため、大きめの水槽を使用します。また、プロテインスキマーやライブロックなども用いて、水質を保たないといけません。珊瑚の飼育と同等の水質と添加剤が必要です。アクアリウムを組み立てて、水質が安定するまで一週間ほどかかります。それからシャコガイを飼育します。なので、アクアリウムでは難しいほうです。浅い海に生息するヒメジャコガイの場合は強めのLEDライトも必要です。また、貝をつつく魚などとの混泳や飼育は避けます。
餌
先ほども述べた通り、必要な栄養素の多くを褐虫藻の光合成に頼っています。あとは、海中のプランクトンや有機物を餌として食べています。アクアリウムの飼育でも、混泳している海水魚のための餌だけで十分です。
食べられるの?
シャコガイは沖縄で普通に食されているようです。沖縄のスーパーや鮮魚コーナーで売っていることもありますが、常に扱っているというわけではないようです。とういうか、シャコガイを扱っているところは少ないです。食べたい場合は事前に確認することをオススメします。ただし、6月から8月は禁漁期間です。
味や食べ方

シャコガイはとても美味しいそうです。貝柱はさっぱりしていて、外套膜の味は磯の風味が強く濃い味です。また肝も食べられます。基本的には生で食べるのがオススメです。コリコリした歯ごたえと、磯の香りが抜群です。お刺身以外には、バター焼きや塩辛なんかも売っています。ちなみに、火を通すと堅くなってしまうので、さっと火を入れる程度で。塩辛はお土産にも出来て、知らない人にも喜ばれるかもしれませんね。
水族館にいる?
オオシャコガイは名古屋港水族館で飼育されています。名古屋港水族館のみとなっています。大変珍しいですね。ヒメシャコガイはいろいろな水族館で飼育されています。
まとめ

シャコガイの8種類のうち6種類が沖縄で見れちゃうなんてすごいですね。ぜひ、沖縄でスキューバダイビングをして見てみたいですね。ぜひ、小さいのも大きいのも見てみたいものです。そして私はとっても貝が好きなので、食べてみたいです。生で、お寿司で食べたいですね。お寿司にした場合は、シークワーサーを絞って食べるんだとか。また、ヒメジャコガイを水槽の中で飼育したいです。