私は海の近くに住んでいるのですが、夏になると潜り漁が解禁になります。先日ご近所さんからウニをたくさんいただき、丼にして食べました。それはもう美味しくて。もらったウニには色んな種類のウニがいて、なんとなく気になってちょっと調べてみることに。そしたら、ウニに全然見えないウニが!ご近所さんからもらったウニの中には入ってなかったのですが、今日はそんな変わり者ウニの「スカシカシパン」(英語ではsand dollar、漢字では透菓子ぱん)についてご紹介しましょう。
生態や特徴は?
スカシカシパンはタコノマクラ目スカシカシパン科で、ウニの仲間です。いやいや、どう見てもウニの仲間ではなくて、甘食の仲間でしょう!しかし、海にはこの甘食の仲間と思いたくなるような姿をしたウニの仲間がいるようです。名前もとても不思議な名前ですね。スカシ「カシパン」。カシパンって!やっぱり甘食じゃん!ウニといっても、見ての通り身体はとげとげではなく、毛のようなもので覆われています。私の印象としてはウニというより同じ棘皮動物のヒトデに似ているような気もしますが。そしてここはウニだなと思うところですが、外殻がとても硬いです。私たちの知るウニとは比べ物にならないくらい丈夫です。そしてこの殻の表面上にある花のような模様のそれぞれ五方向の延長線上に穴が開いています。この穴は名前の由来にもなっていて、「透かし」の入ったカシパン科なので「スカシカシパン」だそうです。またこの穴の役割は諸説あり、
- 水流に巻き上げられて浮き上がりにくくなるという説
- 口(下側)へ食物を送る際のショートカットになる説
等があります。
大きさ
スカシカシパンの身体の大きさは直径約14cmです。ハガキの縦幅くらいの長さです。高さは1.5cmです。
餌は?
主な餌は砂の中にある「デトリタス」という微生物の死骸や排泄物の集合体です。天敵は甲殻類や魚類です。日本では本州中部から九州に見られます。
生息地
普通のウニが岩場に生息しているのに対して、スカシカシパンは浅い海の砂底に半ば埋もれて生息しています。
動き方
スカシカシパンがどのように、砂浜に埋もれていくか気になりますね。ネット上の動画で見ることができます。
思ったよりも早く動いて、じわじわと砂浜に埋もれていっています。意外です。埋もれていく様子や波打ち際を見ると、なんとなく海水が通る穴が必要な理由がわかる気がします。
ウニの仲間なら味は美味しく食べられるの?
ウニの仲間ですが、ムラサキウニやバフンウニのようにおいしく食されることはありません。その理由としては、
- 精巣や卵巣といったウニ種特有の食べられる部分が非常に小さい
- 殻を含む外骨格がやたら硬く、割るのも大変なので身を取り出すのに労を要する
- やっと取り出せた中身が黒や暗褐色といった食欲を逆に削がれるような色
- 種類によってはこの中身がヘドロのごとき凄まじい悪臭を放つ
ということで、残念ながら食べられないですね。ですが、食用には向かないというだけであって、畑の肥料として利用する事もできるようです。殻を漂白すると、下の写真のようになります。
水族館で見られる?
はい、水族館で見られるようです。海の中にいる甘食が。。。水族館によっては触れ合いコーナーの水槽で展示もあるようなので是非触ってみたいですね。普通のウニはイガイガしていて触りづらいですが、スカシカシパンは毛のようなもので覆われているのでその感触を楽しむのもいいですね。
ペットにできる?
スカシカシパンの殻は販売されていますが、生体は販売されていません。海岸にいって、生きたスカシカシパンを見つけてくれば、海水のアクアリウムなどでペットにできます。海の砂も必要ですね。
アクセサリーや、コレクションに!
スカシカシパンはその形からアクセサリーのモチーフにもなったりしています。アクセサリーになるとそれはとても可愛いです!確かに表面の花のような星のような模様が可愛いですよね。甘食のようなウニが可愛いネックレスやピアスになることに驚きですが、意外と知られていることにも驚きです。また、スカシカシパンの殻はもろくよく欠けた状態で打ち上げられています。しかしごくたまに欠けていないものが打ち上げられているようで、コレクションにする方もいたり、水族館のお土産で売っていたりもするようです。そんなことを知ると探したくなってくるのは私だけでしょうか。海に行った際には殻を探すのも楽しそうでいいですね。私は早速明日にでも探しに行きたいと思います。
まとめ
スカシカシパンは形や大きさが甘食に似ていました。タコノマクラの仲間でしたね。スカシカシパンは意外と早く砂浜の中を動いていました。海岸を歩くときは、よく砂浜をみて、スカシカシパンがいないか探してみましょう。水族館に見に行くのもよいです。