世界中の工業化や二酸化炭素の排出などのため、地球の温暖化が進行しています。このような、気候変動や異常気象は生物たちに影響をもたらしています。道路建設などの開発も動物たちの生活に影響があります。毎年10月4日は「世界動物の日」です。世界の動物について考えていきます。また、地球の環境問題や人間のせいのため、動物たちの生息数が減少する原因や、動物たちが絶滅の危機となる原因を調べてみました。
地球の気候変動や温暖化の原因は?
地球温暖化は二酸化炭素排出量の増加が原因です。2018年の世界の二酸化炭素排出量は331憶トンでした。毎年増加しています。地球温暖化防止のための国際枠組みである「パリ協定」などで、世界中の国々が排出量削減に取り組んでいます。地球は、寒冷化と温暖化を繰り返しているため、二酸化炭素だけが原因ではありませんが、二酸化炭素排出量の削減は重要です。
温暖化のため絶滅した哺乳類がいる?

オーストラリアのクイーンズランド州に、有名なグレートバリアリーフがあります。そこの北端にブランブル・ケイという島があります。ネズミの仲間の、「ブランブル・ケイ・メロミス」が生息していました。温暖化のため海水面が上昇し、島全体が海水に晒されることが多くなりました。それが原因で、生息域が減少し、2016年にブランブル・ケイ・メロミスの絶滅が確認されました。面積の狭い島に生息する動物は、温暖化などの影響を受けやすいです。ほかの島々も見ていきましょう。
世界の島々に生息する動物たちの原因
島は面積が狭いため、気候変動や温暖化などで、植物の植生も変化しやすいです。そこに住んでいる動物たちの生息域も狭いです。そのため、島に住む動物たちは環境問題の影響を受けやすくなっています。IUCNが作成したレッドリストや、各国のもの、日本では環境省の作成したものなどがあります。
ガラパゴス諸島

ガラパゴス諸島では、温暖化だけでなく、1535年に発見されて以降、人が持ち込んだヤギなどの家畜の動物が島に生えている植物を餌として食べてしまい、植物が減少してしまいました。このあたりは、人間のしわざが原因とも言えます。

また最近では、海洋中からガラパゴス諸島に流れ着いたプラスチック微粒子や海洋プラスチックごみも、生物の生態系や食物連鎖に悪影響を与えています。
ガラパゴスゾウガメ

草食で、主にサボテンを食べます。餌となる陸上の植物が減少していることが原因で、その生息数が減少しています。各島々に、いろいろな種類のゾウガメがいます。そのなかでは、すでに絶滅してしまったゾウガメもいます。上野動物園や体感型動物園iZooで見ることができます。
ガラパゴスリクイグアナとウミイグアナ

地球の温暖化などのため、海中の藻類も減少しています。そのため餌である海藻類や陸上の植物も減少しています。それが原因で、生息数が減少しています。体感型動物園iZoo で見ることができます。
タスマニア島
タスマニア島はオーストラリアの南にある島です。環境汚染や水質の悪化などの環境問題が原因で、生息域が減少している動物たちもいます。特に綺麗な清流の中で生息している生き物もいます。人が持ち込んだ、タイリクオオカミの仲間であるディンゴのため、タスマニアタイガー(フクロオオカミ)は絶滅しました。これもある意味、人間のせいです。
タスマニアデビル

同じように、ディンゴなどのため、生息数が減少しています。多摩動物公園で見ることができます。
タスマニアオオザリガニ
清流に生息しています。河川の工事や水質の悪化などの環境問題が原因で絶滅の危機となっています。これを見るためには、タスマニア島まで旅行にいって、清流の川に行くしかありません。
マダガスカル島

アフリカ大陸の東にあるマダガスカル島や、その近くにある島では、絶滅した「エピオルニス」や「ドードー」が有名です。マダガスカル島で、森林の伐採などの環境問題が原因で、エピオルニスは絶滅してしまいました。ドードーはマダガスカル島の沖にあるモーリシャス島などに生息していました。その島々を発見後、人が持ち込んだイヌやブタなどのために絶滅してしまいました。
フォッサ

熱帯雨林やサバンナの樹の上で生活していることが多いのですが、森林伐採や農地開発のため、生息数が減少しています。上野動物園で見ることができます。
ワオキツネザル
これも樹上に棲んでいるいることが多いのですが、森林伐採などの環境問題が原因となっています。人気な動物のため、上野動物園や東山動植物園など、多くの動物園で飼育しています。
ホウシャガメ

マダガスカルホシガメともいいます。草や低木の生えているところで生活しているのですが、やはり、農地開発や焼畑農業などが原因で、生息域が減少しています。また、人間が持ち込んだイノシシのため減少しています。上野動物園や東山動物園など、たくさんの動物園で飼育しています。
アフリカ大陸に生息する動物たちの原因
アフリカ大陸も、温暖化や砂漠化が進行しています。また、鉱山などの開発や森林伐採、道路建設も進行しています。「クアッガ」でも有名です。
オカピ
ジャイアントパンダとコビトカバと並んで、オカピは世界三大珍獣の一つです。コンゴに生息しています。ウガンダでは絶滅してしまいました。レアメタルなどの鉱山開発などの環境問題のため、生息域の森林が減少しています。また、道路建設のため、生息域が分断されています。よこはま動物園ズーラシアや上野動物園、横浜市立金沢動物園でみることができます。
コビトカバ
世界三大珍獣の一つです。西アフリカのギニアからリベリアにかけての森林や沼地に生息しています。鉱山開発や農地開発などのため生息域が減少しました。また、工業化などによる沼地の水質悪化も原因です。
インドやアフリカなどの新興国は、急速な経済発展をしています。森林の伐採や河川の整備など人が暮らしやすくなった半面。動物達の生息地は限られてくるようになりました。世界3大珍獣の希少なコビトカバもアフリカの農業開発により住む場所だけでなく食べ物の減少など生きる環境がより厳しい状態になっています。アフリカの経済発展の陰には、日本などの先進国が工業製品の輸入拡大を進めているためとも言われています。工業化や鉱山開発が進むとコビトカバが生息する沼地の水質が汚染される他色々な環境汚染が懸念されます。
引用:【コビトカバ】絶滅危惧種をテーマにした宿題ー生息地環境の維持ー
急速な経済発展にはデメリットもあります。上野動物園や東山動植物園、アドベンチャーワールド、神戸どうぶつ王国などで飼育しています。
クロサイ

アフリカ大陸の草原や湿地帯に生息しています。開発や温暖化のため、餌となる木の葉が減少しています。そのことなどが原因です。また、ベルクマンの法則があって、巨大なサイは体に熱が貯まりやすいです。キタシロサイもほぼ絶滅となっています。クロサイは安佐動物公園など、多くの動物園で見ることができます。
ハシビロコウ

アフリカの湿地帯が生息域で、ハイギョなどの魚を食べています。工業化や鉱山開発などの環境問題のため、湿地帯の減少や、水質汚染が進んでおり餌となる小魚も減少しています。そのことが原因です。 伊豆シャボテン動物公園や掛川花鳥園、上野動物園などで見ることができます。
クロアシネコ
アフリカ大陸南部のサバンナに生息しています。世界一小さい猫ですが、行動範囲が広いです。気候変動などにより餌となる小動物が減少したり、道路建設などのため広い行動範囲の生息域が分断されたりしたことが原因です。現在、国内の動物園では見ることができません。
コシキハネジネズミ
ケニアにある森林の中の地表に生息しています。もともと生息域が狭いうえに、農地開発などにより減少しています。現在、国内の動物園では飼育されていません。
南北アメリカ大陸に生息する動物たちの原因
北アメリカ大陸
北アメリカ大陸では、すでに絶滅した「リョコウバト」が有名です。
アメリカバイソン

北アメリカ大陸の草原や森林に生息しています。一時期は1000頭ほどまで減少してしまいました。上野動物園をはじめとして、各地の動物園やサファリパークで飼育されています。
カナダオオヤマネコ
温暖化などにより餌となる小動物のカンジキウサギなどが減少しています。米魚類野生生物局(FWS)は絶滅の危惧がある種に指定しています。現在、国内の動物園では飼育していません。
南アメリカ大陸のアマゾンなど
南アメリカ大陸にはアマゾンの熱帯雨林があります。また、ペルーやボリビアなどの高地もあります。
オセロット
アマゾンの熱帯雨林の樹上で生活していますが、そこの農地開発や道路建設などで、生息域が分断されています。そのことが原因です。 よこはま動物園ズーラシアで飼育しています。
ウアカリ
アマゾンの熱帯雨林の木の上で生活しています。やはり森林伐採などが原因です。
メガネグマ
南米の高地の林や草原、砂漠に生息しています。やはり、農地開発や道路建設のため、生息域が分断されて絶滅の危機となっています。大阪市の天王寺動物園やよこはま動物園ズーラシアで見ることができます。
チャコペッカリー

アルゼンチン周辺の疎林に生息しています。開発や牧場などの農地開発のため、生息域が減少しています。クビワペッカリーであれば、上野動物園や神戸どうぶつ王国などで見ることができます。
ユーラシア大陸に生息する動物たちの原因
インドなどアジア
アジアも、鉱山開発や工業化、道路建設などの環境問題が進行しています。工場や発電所などからの二酸化炭素排出量も増加しています。
マレーバク

インドネシア周辺の沼地に生息しています。やはり、鉱山開発などが原因です。多摩動物公園や東武動物公園、東山動植物園、福岡市動物園などで見ることができます。
サビイロネコ
これはクロアシネコと並んで小さい猫です。インド南部やスリランカの森林に生息しています。やはり、開発や森林伐採が原因で、生息数が減少しています。国内の動物園では飼育していません。
スナドリネコ
スマトラ島から東南アジア、インド周辺にかけてと、ジャワ島やバリ島などの水辺に生息しています。泳いで魚を食べる猫です。河川や湿地などの工事や開発のため、生息域が減少しています。また、水質汚染などにより、餌となる魚も減少しています。
モンゴルなど中央アジア
モウコノウマ
モンゴル周辺の草原に生息しています。一度は野生では絶滅しましたが、各地の動物園で飼育していたモウコノウマがいました。現在はそれらが繁殖しています。多摩動物公園で飼育されています。
サイガ
カザフスタンやモンゴルなどの寒帯にあるステップと呼ばれる草原に生息しています。地球温暖化のため、寒冷な地域が高温多湿となり、細菌が増えました。それが原因で絶滅の危機となりました。国内の動物園では飼育されていません。旅行してドイツやロシアの動物園に見に行くしかないです。
マヌルネコ

モンゴルやネパールなど中央アジアの高地にある砂漠やステップの岩場が生息域です。寒冷地に住み、もともと気温変化に弱いです。気候変動などが原因で生息数が減少しています。 毎年4月23日は、国際マヌルネコの日 です。那須どうぶつ王国や上野動物園、王子動物園などで飼育しており、涼しくするための空調管理が厳重に行われています。
ユキヒョウ
カザフスタン東部から、中央アジア、ロシア南部にかけてに生息しています。野生は、標高600~6,000メートルにある岩場や草原、樹高の低い針葉樹林など、非常に寒冷な高地環境に生息しています。温暖化などの気候変動のため、寒冷な高地の針葉樹林が減少しています。円山動物園(北海道)や、旭山動物園(北海道)、大森山動物園(秋田県)、多摩動物公園(東京都)、いしかわ動物園(石川県)、浜松市動物園(静岡県)、東山動植物園(愛知県名古屋市)、アドベンチャーワールド(和歌山県)、王子動物園(兵庫県)、熊本市動植物園などでみることができます。
シフゾウ
もともとは中国北部の湿原に生息していましたが、洪水などのため野生絶滅となってしまいました。多摩動物公園や広島市安佐動物公園などで飼育されています。
ヨーロッパやロシア

アムールトラ

ロシア極東の沿海地方やハバロフスク地方のアムール川、ウスリー川流域の川沿いの針葉樹林で生息が確認されています。 現在の野生の生息数は500頭と言われています。1頭あたり1000平方キロ程の森林が必要と言われていますが、森林伐採や道路建設などの環境破壊の影響で、生息に必要な森林が減少しています。そのため生息数は減少しています。
アムールヒョウ
中国東北部やロシア極東部などの寒冷な地域に生息しています。ネコ科の中でも大きいほうで、生活圏はひろいです。森林開発や道路建設、パイプライン建設のため生息域が分断されました。そのため、50頭ほどに減少しています。
シマフクロウ
ロシア極東部から北海道の河川や湖の近くの林に生息しています。主食は河川や湖沼の魚です。本来は広葉樹林に生息しています。森林開発や針葉樹の植林、水質汚染などのため減少しています。
マナヅル
中国北東部からロシア南東部に生息しています。渡り鳥であり、冬には出水平野に飛来します。温暖化や開発のため、生息地が乾燥化しています。
オーストラリア大陸やニュージーランドに生息する動物たちの原因
ニュージーランドでは、すでに絶滅した「ジャイアントモア」や「ハルパゴルニスワシ」が有名です。
カモノハシ
生息地である河川や湖、湿地帯の開発や工業化が原因で、生息数が減少しています。見ることができるのは、オーストラリアの動物園のみです。
ディンゴ

オーストラリアに生息している。イヌ属のタイリクオオカミの亜種です。イエイヌと交雑が可能なため、純血の個体が減少しています。見たければ、オーストラリアに旅行するしかありません。
海洋や河川に生息する動物たちの原因

海洋中の藻類や植物プランクトンは二酸化炭素を取り込みます。また、尾索動物の「サルパ」は藻類を食べます。そのような食物連鎖で、地球の二酸化炭素を減らしています。 中生代白亜紀末に恐竜が絶滅した原因は隕石落下です。その後、粉塵などにより太陽光が遮られ、海洋中の藻類が減少したことも、恐竜が絶滅した原因です。環境問題にとって藻類は大切な存在です。また、温暖化や沿岸の開発、海洋プラスチックごみなどの環境問題があります。
ベーリング海や北極圏にいた「ステラーカイギュウ」や「オオウミガラス」は、絶滅してしまいました。海洋や淡水中でもたくさんの種類の絶滅危惧種がいます。一部ですが、「アオウミガメ」や「アカウミガメ」、「アメリカマナティ」、「ジュゴン」、「スナメリ」、「アマゾンカワイルカ」、「シロナガスクジラ」などです。
アオウミガメとアカウミガメ

熱帯から温帯の海洋に広く生息しています。海岸の観光地開発や護岸工事、プラスチックごみ等の環境問題が原因で産卵地となる砂浜が減少しています。沖縄美ら海水族館で見ることができます。あるいは、南の海でのスキューバダイビングで出会えるかも。
ジュゴン
太平洋西部からインド洋にかけての沿岸部の海域に生息しています。沿岸部の開発や、生活排水などの環境問題が原因で、ジュゴンの主食の海藻が減少しています。日本では絶滅したと考えられています。鳥羽水族館で飼育しています。
アマゾンカワイルカ
アマゾン川やマデイラ川、オリノコ川流域に生息しています。ダム建設や護岸工事による生息域の分断や、鉱山開発による水質汚染の環境問題が原因で、アマゾンカワイルカの生息数が減少しています。
シロナガスクジラ
シロナガスクジラは、ほぼ世界中の外洋域に生息しています。地球の環境変化のため主食であるオキアミの減少や、地球温暖化のため南極の棚氷の減少の影響などが原因です。大きすぎて、水族館では飼育できません。
日本に生息する動物たちの原因
日本でも、工業化や水質の悪化、森林開発などの環境問題があります。「ニホンオオカミ」や「ニホンカワウソ」などが有名です。西表島では「イリオモテヤマネコ」がいます。ほかにも、沖縄に「ヤンバルクイナ」や「ヤシガニ」もいます。
ライチョウ
日本中部の寒冷な高山地帯の岩場に生息しています。カラスやサルなどほかの動物が増えていることや、山岳の環境汚染や温暖化などの環境問題が原因です。石川県のいしかわ動物園や上野動物園などで見ることができます。
オオサンショウウオ
岐阜県より西の河川の上流域の清流に生息しています。ダム建設や堤防建設などが原因で生息域が減少しています。各地の動物園や水族館で見ることができます。
メダカ
日本の在来種のミナミメダカとキタノメダカは、以前は小川や水田の周辺でよく見かけました。現在は水質の悪化や、宅地化のため水田が減少したため、あまり見かけなくなりました。
カブトガニ
瀬戸内海や九州北部の干潟の海底に生息しています。生きた化石で貴重な存在ですが、沿岸部の埋め立てや護岸工事など環境問題のため生息域が減少しています。すさみ町立エビとカニの水族館や九十九島水族館海きらら、なぎさ水族館でカブトガニを飼育しています。
ツシマヤマネコ
対馬では「ツシマヤマネコ」が絶滅の危機となっています。もともと山の中に棲んでいますが、その生息域が狭いうえに、森林の開発や道路建設のため、生息域が分断されました。九十九島動植物園森きらら、福岡市動物園、沖縄こどもの国、京都市動物園、東山動植物園、井の頭自然文化園、よこはま動物園ズーラシア、富山市ファミリーパーク、那須どうぶつ王国で飼育しています。
オガサワラオオコウモリ
小笠原諸島では絶滅の危機です。離島で面積が狭いのですが、宅地開発や農地開発などが原因で、生息数が減少しています。各地の動物園で飼育しています。
アマミノクロウサギ
奄美大島や徳之島にいます。人が持ち込んだネコやイヌ、マングースなどが原因で、生息数は減少しています。以前は平川動物公園にいましたが、現在、飼育している動物園はありません。
ヤシガニ

日本では沖縄に生息しています。観光地開発や道路建設が原因で生息数が減少しています。アクアワールド茨城県大洗水族館や鳥羽水族館、すさみ町立エビとカニの水族館、美ら海水族館で飼育しています。
イリオモテヤマネコ
西表島に生息しています。もともと生息域が狭いうえに、開発や道路建設のため、生息数が減少しています。どうしても会いたければ、西表島に旅行して、ナイトツアーなどに参加するしかありません。
まとめ
ここまで、温暖化など環境問題などが原因で、絶滅の危機となっている動物たちを紹介してきました。開発や森林伐採など、ある意味、人間のせいという一面もありました。地球の環境問題の原因はいろいろあります。温暖化や気候変動は二酸化炭素排出量増加が、主な原因でした。そのほか、工業化や森林伐採、河川の開発、道路の建設、プラスチック微粒子なども、環境問題となります。